近く誕生日を控えている彼氏くん。しかしこの時期になるとどうやら彼を悩ませる種があるようで
彼女はそれを聞いて………
是非御一読下さい！

(電話の音)

　仕事お疲れ様。この後、暇？よっしゃ、ならスタバ行かない？この前の新作カフェラテ飲めてないんだよな、あと少し話したいこともあるしなっ！そしたら13番線ホームで待ってるから、でも急がなくていいからな！

　ん、お疲れ。あぁそれは後でゆっくりな。とりあえず行こうぜ。

　これこれ、待ってたんだよなー。そしてこいつに合うのはやっぱりチーズケーキだろ！お前は何頼んだんだ？おっ、それも美味しそうだな。後で1口くれよ。
でさ、話なんだけどな。お前、最近なんか悩み事あるだろ？嘘つけぇ。知ってんだぞー、この前の夜中、1人で泣いてたろ。気付くに決まってるだろ？隣にお前が居なけりゃ心配になるだろーが。
で、なんなの？言ってみ？
　
　最近、自分に価値があるか分からない……？
それはまたどーしてさ。

　小さい時から親に強く当たられていた、兄弟の中で一番強く……、決まって最後にはお前なんて誰も望んでないんだ、か。学生の時にも周りから虐められていても先生すら何も言わなかった。だからお前は誰からも望まれずに生まれた、そんな俺には価値なんて無い。そう言いたいんだな？
(大きく息を吸う)
　バカを言うな！そんな……そんな事！
お前なぁ！そんなんお前の目の前にいるあたしの気持ちになってみろよ！あたしがお前なんて居なくてもいいと思ってると！？あたしがお前に価値が無いって思ってると！？あたしはなぁ！
お前の優しさ、偏見の無さ、ヤンキーだろうと話してくれるその心にっ！あたしはなぁ！
惚れたんだよ！好きなんだよ！
(息を整える)
　だから、頼むよ。自分に価値がないなんて言わないでくれ。あたしはお前の事大好きだからよ。
例えばお前の家族がお前を除け者にしたって、例え周りのヤツらがお前の敵になったって、あたしはお前を守ってやる。ずっと味方でいる。ずっと生涯のパートナーだって、この前誓ったじゃないか。だから、悩み事あるなら頼ってくれよ。迷惑かけるから、なんて言わないでさ。むしろ迷惑かけてよ。少なくともあたしは迷惑かかっても良いよ。だって好きだから。愛してるから。

(拍手の音)
ん？ ……あ、あわわわ、ここスタバ、公共の場。
恥ずかしい。死んじゃう。うわァァァ！！
恥ずかしい！！いっそ殺せぇー！

・台本（ゆるボイ！）
無価値な人間はいない。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
時雨奈加古