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ギャルな先輩の告白
written by 松平蒼太郎
  • 告白
  • 学校/学園
  • 純愛
  • 学生
  • 先輩
  • 年上
  • 片思い
公開日2021年07月21日 16:29 更新日2021年07月21日 16:29
文字数
3979文字(約 13分16秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
先輩
視聴者役柄
後輩
場所
学校、自宅
本編
あ、あはは…そうかもね…

(最悪なんだけど…コイツの自慢話、いつ終わんの?マジなっが…)

え?大事な話?

(うわ、出た!絶対告白される流れじゃん…コイツ、本気で脈ありだと思ってんの?)

え、えーと!ほら、ウチ、今からちょっと用事があって!

えと……ウチ、写真部だからさ!これから部活があって…

そんなに時間はとらないって…い、いや、けど早く来るように言われてるし…

(もー、勘弁してよ…!顔はちょっと整ってるけど、性格が全っっっ然タイプじゃないし!)

(これ、断ったら断ったで絶対あとで面倒ごとになるし…どうしよ…)

あ…!ごめん!ウチ、この人に用事あるから!じゃね!



はぁ〜……ありがと、マジ助かった!

え?…いやいや!全然大切な話とかじゃねーから!

いやー、なんか変なのに絡まれちゃってさ。

そうそう。クソみたいなナンパしてくる奴でさ〜。

自分の自慢話ばっかしてきて、こっちはマジ退屈!って雰囲気ガンガン出してんのに、全然気づかずに話し続けるし…

いや、知り合いとかじゃなくて、完全に初対面。

たぶん、ウチの見た目で寄ってきたんだろうけど…

先輩モテますね、じゃなくて!

あんな奴にモテても、ウチに一ミリの得もねーから!

つーか、ウチ、好きな人いるし。

え……そこは誰?って聞くとこじゃないの?

いや、それはそうなんだけどさー…もうちょっと気にしてくれたっていいじゃん、バカ…

ううん、なんでもない。君にそーいうこと期待したウチがバカだった。

ま、とにかくありがとね。たまたま通りがかっただけなんだろうけど。

あ、お礼になんか奢るよ?何か希望ある?

スポドリ?りょーかい!じゃ、今から買ってくるね!



あー、疲れた〜……あれ?何かライン入ってる…

は?……な、なんでアイツがウチのライン知ってんの…?

誰かが勝手にウチのライン教えたんだ…!

ブロックした方が……けど同じ学校で、しかも同じ学年だしなぁ…

直接会ったら何言われるかわかんないし…

テキトーにあしらっとくか……あと、ウチの連絡先勝手に教えた奴、探し出してやる…!



んあ?……いや、なんでもない。ちょっとボーッとしてただけ。

(ダメだ…アイツ、あしらってもなんかしつこく食い下がってくるし…むしろエスカレートしてるっつーか…)

(それにウチの連絡先垂れ流した奴の目星もつかない…アイツに聞いても何も答えないし…)

あー、ゴメン。なんか体調すぐれないっぽいから、先帰るね。

うん、また明日。じゃーね。



……っっ!(駆ける音)

はぁはぁ……

(つけられてる……ガチのストーカーじゃん。このままじゃ自宅まで知られる…)

え?………あ、君。ど、どーしたの?こんなとこで?

い、いや、ウチは、その〜……なんでもないっつーか、なんつーか…

あ……ね、ねぇ!今日、君の家に行ってもいい?

え……あ、ありがと。やけにあっさり頷いてくれんだね…

あー、うん。案内よろしく…



お邪魔しまーす……へー、結構キレイな家だね。

誰もいないけど…まさか一人暮らし、なわけないよね…

へー、両親とお姉さんが…今日は家族みんな帰り遅いんだ。

ふーん、親は共働きで、お姉さんも社会人で…

一人、寂しくないの?

あー、そっか。さすが。やっぱメンタルつよつよだね。ウチなんかと違って…

い、いや、その…別に大したことないっつーか…

ほ、ホント大丈夫だからさ!ほら、ウチこんな能天気だし!

う……いいの?ウチ、頼ったらマジで依存しちゃうかもよ?

わかった…じゃあ話す。

えっと、実はウチ、ちょっと別のクラスの男子に付き纏われててさ…


と、まぁ最近は大体こんな感じ。

んー、まぁ、ね……たしかにストーカーっちゃあ、ストーカーかもしんないけど…

え?ウチの今の気持ち…?

そりゃ、嫌に決まってんじゃん。好きでもない男から付き纏われるなんて。

ま、まぁけど、テキトーにあしらっとけば、相手もそのうち飽きるでしょ…

そ、それは……分かんないけど、どーにかなるって!大丈夫!

ゴメン、つまんない話聞かせちゃって。

ウチ、そろそろ帰るから。じゃ、またね!



はぁはぁ……なんで、よりによって後輩くんに話しちゃったんだろ…

これはウチの問題なのに…こんなくだらないこと言って嫌われるのはヤダなぁ…

はぁ…ウチ、なんか悪いことしたかなぁ…なんでこんな目に遭うんだろ…

ううん。絶対どーにかなる、どーにかなる、どーにか…………………ならない、なるわけないじゃん…!

ストーカーに遭って平気なわけないし…!

助けて…!誰か助けてよ…!



はぁ〜…やっぱり今日もラインきてる。なんて返そう…

え…?なに、これ…?

う、ウチに彼氏なんていないのに…何言ってんの、コイツ⁉︎

っていうか、これってまさか…!



ちょっといい?話があんだけど。

いいから来て!大事な話だから!



ねぇ、なんでウチに呼び出されたかわかる?

ホントに分かんない?

じゃあ聞くけどその腕、どこで骨折した?

階段から落ちた?嘘つき。

これ見て。……そう。例のストーカーからのライン。

「このあいだお前と一緒にいた2年の男子、お前の彼氏だったのかよ!ってか、アイツ、頭おかしいだろ!俺の彼女に近づいたらお前の腕もこんなふうにするっつって、俺の目の前で自分の腕折りやがったんだぜ!もうお前のこといいわ!」って。

ラインはこれで終わり。もう相手からブロックされたし。

ウチとつるむ2年の男子なんて君しかいないし、骨折してるのがいい証拠だよね。

どう?これでもまだシラを切る気?

…違う。違う違う違うっっっ!!!

勝手に彼氏を名乗ってごめんなさいって、謝んのはそこじゃないでしょ、バカ!!!

なんで…なんでこんな真似したの⁉︎

ウチがいつ、腕を折ってでも助けてくれっつった⁉︎

そんな腕じゃ…君の大好きな野球、できないじゃん!!!

全国だって近いのに…そんなんじゃ出場もできないし…!

一番穏便に済ませる方法がこれしか思いつかなかったって…だからってこんなの酷すぎる…!

バカ…!ホンッッットバカ!バカバカ!

はぁ…そっか…そうだ、元はと言えばウチが悪いんだ…

ウチがあの時、君に愚痴ったから…

ううん、それ以前に口説かれてたとき、通りがかった君を巻き込んでたっけ。

ウチが…ウチが全部悪いんじゃん…!

ウチがもっと上手くやっとけば、付き纏われることなんてなくて、君にこんな真似させずに済んだのに…!

痛かったよね、苦しかったよね。ごめんなさい、ごめん…

君の大事なものを奪ったのって…ウチじゃん。

ウチとなんて出会わなければよかったのにね…

そもそも出会ってなかったら、今ごろ君もあのグラウンドで野球してたわけだし…

ねぇ…お詫びと言っちゃなんだけどさ、ウチの身体、好きにしていいよ。

あはは、恋愛に興味がない君でも流石にわかるでしょ。

胸触ってもいいし、気が済むまで蹴ったり踏んだりしてもいいし、唇だって奪っていいよ?

なんなら、アソコも触ったって……な、なに?

う、うん…いいよ、好きにして。

ウチが君にできることなんてもうこれくらいしかないから…

(そっと抱きしめられる)

…それだけでいいの?もっと激しく攻めてもいいよ?

ふ、震えてるけど…これは武者振るいってやつだから…

い、いいって。こんなクズにそんな優しい言葉かけなくって…

ほら、ウチこんな見た目だからさ。これからも変に言い寄ってくる男が出てくると思うんだよね。

その度に腕折ってちゃ、何本あっても足りないでしょ?

だからもうウチとは関わらない方がいい。

身体、好きに攻めてくれた後はサヨナラでいいからさ…

ま、まぁ気に入ってくれたんなら、身体だけの関係でもウチは全然OKだけど?

なんで……なんでそんなこと平然と言えんの?

バカなウチにだって分かる。君がどんだけ野球を好きかってことぐらい。

そんで全国っていう大舞台にも立てるはずだったのに…それをウチが奪ったんだよ⁉︎許されるわけないじゃん!!

お願いだから…ウチに罰を与えてよ…

それだけのことをしちゃったって自覚はあるからさ…

じゃあ許すって…だからなんでそんなあっさり…!

え?…………それ、本気で言ってる?

ウチと話すの、ホントに楽しい…?

うっ…その言い方は卑怯だし。

っていうか……先輩の笑顔が好きだから、それを取り戻したかったって……それ、ウチのこと口説いてる?

全部ホントのことって……ふふっ、そっか。

君、そーいうことで嘘つかないっつーか、ドがつくほど馬鹿正直だもんね。

つかさぁ…いつまでこうやって抱きついてるつもり?

あはは、冗談冗談。離れないでってば。

…少しだけ、君の胸借りていい?

ありがと。ちょっと制服汚しちゃうかもしんないけど、しばらくこのままでいさせて…



あー、ごめん。みっともないとこ見せちゃって…

先輩の貴重な泣き顔見れたからいいですって、生意気な後輩め!まったくもう…

うん、そだね…君の言う通り、これでウチも好きな人に堂々と告白できる。

頑張ってくださいって……ったく、この鈍感後輩は…

先に言っとくけど、ウチをこんなにしたの、君が悪いんだからね?

(キス)

いくら鈍感でもここまでされたらわかるっしょ?

そ、正解!ウチの好きな人は君!

てか、これでもずっとサイン出してたっつーのに、君ったら全然気づかないし。

うん、好きだったよ。中学で助けてもらったときから。

中学ん時は全然勇気が出なくて告白できなかったけど、今ならできるかなって思って。

こないだの昼休みに声かけたときだって、告ろうとしてたし。チャイムに邪魔されたけど。

あはは。返事はいーよ。今の君がウチをそーいう目で見てないのはわかってるから。

だからこれから頑張る。君に振り向いてもらえるように。

んで、今度は彼氏だって堂々と言ってもらえるようにする。

俺なんかでいいんですかって…むしろ君じゃなきゃ嫌。他の男なんて考えられない。

あ、そうだ。まだ君とライン交換してなかったっけ。

うん、しよ!君とは直接会ってない時でも話したいからさ。

えへへっ、ありがと!これで連絡取りたいときはいつでも取れる!

ふふっ、それはこっちのセリフ。

ウチの方こそこれからもよろしく♪

……また助けてくれてありがとね。

君が困ってたら今度はウチが助ける。絶対に。

ううん、なんでもない!

一応、部活には顔出すんでしょ?行ってきなよ。

うん…ウチも部活行く。最近、全然顔出せてなかったし。

部活終わったら一緒に帰ろ?

たぶん、ウチのが早く終わるけど、そん時は待ってるから。

オッケ、決まり!じゃ、またあとで!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ギャルな先輩の告白
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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