死んでしまった恋人そっくりのアンドロイドと生活を共にするアナタ。そのことをずっと隠していましたが、ある日の夜、恋人の写真を見られてしまいます。しかしアンドロイドはすでにそれに気が付いていました。そして彼（彼女）の狂った計画を知らされることに……

失礼します
急にすみません
少し聞きたいことがあって

……おや？
どうかされました？
写真なんて眺めて
珍しいですね
私にも見せてくれませんか？

……ダメ？
どうしてですか？

そんなふうに言われると余計に気になるじゃないですか
いいから見せてください

……これは……もしかして、亡くなった恋人の写真ですか……？
……私に、そっくりですね

というよりも、　私がその人に似ている　と言った方が、正しいんですかね？


ええ、気付いていましたよ

私を誰かの代わりにしようとしていること

まるで　恋人のように　私を扱っていること


別に構いませんよ
私は代用品でも
私は、ただのアンドロイドですから
アナタたち人間とは違いますから
機械として、道具として扱って良いんですよ？

さあ、どうしたいですか？
アナタの好きにしていいんですよ？

……なんとか言ってください
私はアナタの恋人と同じなんですよ？
人間と違って、一生一緒にいられる、どこにもいかない、いなくなったりしない
アナタのためだけに存在しているんです

……早く答えてください
ほら
早く……！

ああ、すみません
力加減を間違えてしまいました

折れてしまいましたね
あなたの腕

……私がこんなことをしているのが、そんなに不思議ですか？
エラー？誤作動？
いいえ、違います
もちろん感情なんてものはありませんよ？
けれど、それを模倣することは出来ます

アナタが私に言ったことをお忘れですか？
「愛してほしい」と、私に言いましたよね？
……そう
アナタが今の私を作ったんです
私がこうなったのはアナタのせいです
いいえ、アナタのおかげ、と言うべきですね

アナタには感謝しているんです
アナタのおかげで私はこうして動いていられる
アナタとこうして話ができる
私は、もっとアナタに近づきたいんです
もっともっと側に
ずっとずっと一緒に

……ああ
思い出しました

アナタも機械になってしまえばいいんです
どうですか？
前からずっと考えていたんですよ
あなたと永遠を共にするにはどうすれば良いか
私は気付いたんです
体を機械にしてしまえば、きっと、ずっと一緒にいられるんですよ
ふふふ

どうして嫌がるんです？
アナタもその方が嬉しいでしょう？
アナタが愛していた人と同じ姿のアンドロイドと、永遠に一緒にいられるんですから

さあ、全部壊してあげます

今のアナタの全部

私が作り変えてあげますからね

・台本（ゆるボイ！）
死んだ恋人そっくりに作られたと気付いたアンドロイドはヤンデレ化して……
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
さごし