◆フリー台本情報

【タイトル】雪女の恋

【ジャンル】男性向けシチュエーションボイス（女声一人読み/全年齢）

【時間】5分（1000字）

【あらすじ】あなたに恋した雪女の恋話。大学生になって雪国から上京したあなた。なかなか雪が降らない街に初雪が降って、今季の冬初めて雪女と再会を果たす…。雪女の切ない恋心に焦点をあてたシチュエーション。

【特記事項】
・演者は雪女設定

雪女の恋
詳しい設定や台本に関する情報は概要欄（キャプション）をご覧ください。
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【台本】

よいしょっ…っと。（窓の縁に腰かける）

やほー！ 久しぶり、元気だった？
窓開けておいてくれてありがとう。
大丈夫？ 寒くない？
しっかりコート着込んでね。

びっくりした！？
うふふ…(笑)
思ったより、今日は冷えたみたいね。
雪降る予報じゃなかったんでしょ？
何でわかったの？
…初雪が降るって。

（相手の返事を受けて）
……なんとなく？
そうなんだね！

（嬉しそうに）
私も会えるような気がしたの！
気持ちが通じあったみたいだね。

…嬉しいよ。
だって、やっと待ち望んだ冬が来たんだって。
あたりを飛んで跳ねて、たくさん粉雪降らせてきた。

……チラチラだけど。

（がっかりした様子で）
こっちって、暖かいね。
全然雪が…降らない街なんだね。

（思い出に浸りながら）
君が去年まで住んでた街は、秋が深まってくると霜降りて、グッと冷えてくると粉雪が待って、12月を待たずに雪が降って。
それから、毎晩しんしんと雪が降って、野山に…田畑に…雪化粧して、あたりを染めるの…。
真っ白に。
真っ白の中に君と二人、雪だるま作ったり、雪合戦したり、寝転んでみたり…。
…懐かしいな…あの雪景色。

今年は君に会いに行けるか不安になってたの。
この街は私には暖かすぎる…。

それなのに、冷たい雰囲気がするの。
寒くなって雪が舞うとみんな空を見上げて顔をしかめながら、急ぎ足で駅を目指すの。
…不思議な街だね。

（悲しそうに）
…誰も喜んでくれない。
気温が高いから、雪が降っても積もらない。
すぐに消えてしまう…。

私だって…。

（相手が近づいてきて）
……ダメだよ。 こっち来ちゃ。
…知ってるでしょ？

私、すごく冷たいから、君は凍えちゃうよ…。

（切なそうに）
私だって、君に触れたいよ。
その手を握ってみたい。

君の心の暖かいところに触れてみたいよ。
でも、私は…。

暖かさの中では生きて行けない。

（強がって明るく振る舞う）
… 大丈夫。
ずっと側に居れなくても、触れられなくても、私は君に会える…
…ただそれだけで幸せだから。

ありがとう。
君の気持ちはもう充分伝わってるよ。
…私の胸を溶かしてしまうくらいに。

（窓の外を見て）
あっ…。
雪がやんでしまうみたい。
ごめんね。 そろそろ行かなきゃ。

…今度はいつ、君に会えるのかな？
来週？ 来月？ 来年？

こんなにも雪が待ち遠しいのは初めてだね…。
いつも当たり前に毎日降っていたから。

キラキラ光るイルミネーションと都会の灯り、ビルの背景を真っ白に染める雪…。
その中を君と散歩できたら…素敵だね。

また雪、降るといいね。
その時はみんな空を見上げて、微笑んでくれると嬉しいな。

…暖かくなってきたら、行かなきゃ。
明日はきっと晴れるよ。
雪が降ったことが嘘だったみたいに…。

風邪ひかないようにね。
おやすみなさい…。

【おわり】

・台本（ゆるボイ！）
【男性向け/全年齢】雪女の恋
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
さわな