誤認逮捕で監獄に収容されてしまった聴き手！
「自分は無実なんだ！」と処刑執行人兼看守長のヒロインに伝えると、なんと本当に無実だったことが発覚！
お詫びをさせてほしいと謝罪するヒロインに対して、聴き手が「デートをしてほしい」とぐいぐい行くと、案外あっさり陥落！

――という、ちょっとチョロいヒロインとのシチュエーションボイス台本！！

……話は、担当看守から聞いているよ。誤認逮捕の件、だよね

まず最初に言っておくけど。もしも誤認逮捕の話がでまかせなら、
僕はキミを懲罰房行きにしないといけない。それが仕事だからね

世界は格差に溢れていて、この牢獄も例外じゃない
貴族のような権力者ほど良い牢獄に投獄され、平民は劣悪な牢獄に投獄される

地獄の沙汰も金次第とはよく言ったもので、全部お金と権力次第なのさ
おかしいと思うだろう？　僕もそう思うよ

でもね。だからこそ僕は、できる限り公平に罪を償ってほしいと思っているんだ

老人には最低限の責め苦を。将来ある子供には後遺症への配慮を
処刑対象には執行までの安らぎを。嘘つきには――処罰を

……わかるかな。嘘をついているなら、最後のチャンスだよ

何も言わずに牢へ戻るなら、この話はなかったことにしてあげる
僕自身はまだ、キミの口から何も聞いていないからね

それでもなお誤認逮捕を主張するのなら、もう一度書類を確認すると約束するよ
万が一、それで誤認逮捕だと判明したのなら、僕が責任を持って対処する

さぁ、キミの答えを聞かせてくれるかな

【聴き手「本当に誤認逮捕なんだ」と言う想定】

わかったよ。それじゃあ、関連する書類を確認するから、少し待っていてくれ
囚人番号290番に関する資料は……あった

…………。…………（聴き手を釈放する嘆願書を見つけて絶句）なっ……？！
何だこれは。調査するまでも無く、誤認逮捕じゃないか……

……７月５日。窃盗の際に老婦、及び市民に暴行。市民１５名が目撃
現行犯にて、これを捕縛。強盗致死傷罪で投獄……

犯人は両腕から両肩にかけて刺青がある――けど、キミ刺青なんかしてないよね
そして極めつけは……目撃者及び被害者からの釈放を求める嘆願書

『罪人は既にバスティーユに投獄されているにも関わらず、
彼は誤ってコンシェルジュリーに投獄されてしまっている』

『老婦の命を救った勇敢な市民に、どうか正当な判決を……』

…………。……言い訳のようにはなってしまうけどね……
実はここ最近、犯罪件数が膨れ上がっているんだ

時代が変わろうという時だからね。浮かれて罪を犯す人間が増えているんだよ
どこの監獄も手一杯。断頭台なんて、引く手あまたさ

…………申し訳ない。頭を下げて済む問題じゃないけど、謝らせてほしい
この牢獄を管理する責任者として、僕に責任がある

本当に、すまない
【聴き手深々と謝罪するヒロインに「もう良い、頭を上げてくれ」と言う想定】

いいや、僕は無実のキミを処刑する寸前だったんだ
頭を下げただけじゃ、僕の気が済まない

……そうだな。こういうのはどうだろう
法と人道に背かない範囲で、キミの願いを１つだけ叶える

もちろん、僕は神じゃない。できる範囲のことしか叶えられないけど……
何でもする。お金を払うでも良いし、靴を舐めろというお願いでも良い

ああ、そうだ。キミはもう罪人じゃないんだ。拘束具を外そう
ちょっと両手を出してくれるかな。すぐに外すから

外している間に、お願い事を考えておいてくれ

【拘束具を外すＳＥ】

よし……これでキミはもう自由だ
あとの書類手続きや、看守への説明は僕がしておくから、安心して

この件はしっかり書類に残して、後学のための資料にさせて貰うよ

……さて。お願い事は決まったかな？
もし思いつかなければ後日でも良いけど、……言った通り色々立て込んでいてね
今聞かないと、しばらく会いに行けそうも無いんだよ

次の機会に、僕が生きているかも保証できない状況だからね……
言いたいことは、今の内に言っておくことをおすすめするよ

【聴き手「二人っきりでデートしてほしい」と言う想定】

ああ、キミは恋人が居るのかい？　そうそう
デートはもちろん、２人で過ごせる時間は大切に――って、何だって？！

ぼ、僕とデートがしたいってことか？！
な、ななな、何を言ってるんだキミは！　僕とキミは初対面だぞ？！

そういうことは、もっと段階を踏んだ男女がするべきことであって、
お互いにユーモラスな会話をし合うような関係になってからじゃないと――、

【聴き手「窃盗犯だけに、あなたの心を盗みたい」と言う想定】

そうそう、窃盗犯だけに僕の心を――って、やかましいわっ！
誤認逮捕だってわかった途端、急におチャラけてくるなぁ、キミ！

……まったく、冗談も休み休みにしてくれないかな……
大丈夫だよ。さっきも言ったけど、法と人道に背いてなければ、なんでもきくから

【聴き手「冗談じゃない、本気だ」と言う想定】

ほ、本気、って……。僕とデートしたいっていうのが、本当にお願いってこと？
いや、全然僕は構わないけど……で、でも嫌じゃないのかい？

僕はたくさん人を殺めているような人間だし……人付き合いの経験もほとんどないよ
男女の関係はおろか……友達すら居ないから……

そんな人間とデートをしても、きっと面白くない

僕なんかとデートする時間があったら、他の女性とデートした方が良いよ
ほら、僕お金だけはあるからさ、デート代を用意するでも良いし

【聴き手「ヒロインじゃなきゃダメなんだ」と言う想定】

え、ちょ、なんっ……！　は、話聞いてたかい？！
そ、そんな食い気味に言わなくても、聴こえているから！
わかった、わかったって！　しよう！　デートしよう！

……まったく……。…………ふふっ。物好きだなぁ、キミは

僕の一族はさ、小さい頃から大人にも子供にも忌み嫌われていたんだ
僕はこの仕事に誇りを持っているし、両親のことも尊敬しているけど、
監獄で囚人の管理をしたり、処刑をする人間は、傍目から見たら怖いんだと思う

……きっとこのまま一生孤独で、ろくな死に方はしないだろうと思ってた
両親も、幸せな最期とは言えなかったから……

そうだな……じゃあ、今日の職務が終わったら早速デートしようか
嘆願書を出してくれた方々にも、ちゃんと謝罪しに行きたいしね

もちろん、デートも疎かにはしないよ。キミを楽しませられるように頑張る
……あ。一応断っておくけど、お金は全部僕が出すからね

元々このお願いは、僕の贖罪なんだから。当然のことだよ
男性としてのプライドやポリシーもあるだろうけど、今回は許してほしい

……どうしても払いたいというなら、……その、……さ

キミが今日のデートで、まだ僕に好意を持ち続けてくれて
僕がまだこの世で息をしていたとしたら……
次のデートでは、キミにご馳走になる、ってことじゃ駄目かな

【聴き手「もちろん！　何回でもデートしよう」と言う想定】

ふふっ、ありがとう。僕も、キミとなら何回でもデートしたい、って思ってるよ
まだ初対面で、デートしたわけでもないのに。……不思議だね

僕は職業上、現実主義でね。オカルト的な民間療法は信じないし、
神が誰しもを平等に愛しているとも思ってない

でも、今日キミと出会ったことには、運命的なものを感じているよ

こんなことを言っては不謹慎かもしれないけど……
僕と出会ってくれて、本当にありがとう

楽しいデートにしようね

・台本（ゆるボイ！）
誤認逮捕ついでに女処刑人を口説いたら無期懲役刑になった話。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
しおぱいたん