幽霊部員だらけの文芸部
そんな文芸部は今日も貴方と後輩の二人っきり
そして、後輩は貴方になにやら見て欲しいものがあると……

（学校　放課後　チャイム）

（扉が開く）
お疲れ様です、先輩

（椅子に座る）
今日も先輩一人なんですね？

みんな幽霊さんですもんね

なので、先輩はボクに感謝するべきなんですよ？

幽霊部員ばっかりのこの文芸部に
部員でもないのに毎日足を運んでくれるお嬢様
(美少女)（かっこびしょうじょかっことじ）
がいることに

……あの

無言で本に視線を本に戻さないでもらえますか

（勢いよく立ち上がる）
あっ！　そうでした先輩

ちょっと廊下に出ててもらってもいいですか？

少し見て欲しいものがありまして

それで……着替えるんで

はい、すぐすみますので

（遠くでチャイムの音）
先輩！　大丈夫ですよ

（扉を開ける音）
トリックオアトリート！！

お菓子くれないとイタズラしますよ？

……んっ？

どうしました？

怖くて動けませんか？

えっ？

これですか？

先輩、今月は何月ですか？

１０月ですよね？

１０月といえばなんですか？

そうです！　ハロウィンですよ

で、ハロウィンといえば仮装です

今度ですね

お父様が出資している孤児院でハロウィンパーティをやる事になったんです

そこで、ボクも仮装して参加する事にしたんですよ

んっ？

どこからどう見ても私服だろ？って

まぁ……ブラウスもスカートもボクの私服からもってきましたが……

でも先輩、よーく考えてくださいね

白のブラウスと淡い色のロングスカート

そして、お嬢様という設定

さぁ、ここから導かれるハロウィンの定番仮装といえば？

３……２……１……０

はーい、時間切れです

先輩……きちんと考えてましたか？

もう！

吸血鬼以外考えられないですよね？

あぁ！！　……じゃないですよ

こんな分かりやすい仮装なのに

やっぱりマントが必要ですかね？

これならどうですか？

少しは……それっぽくなりましたか？

なら、当日はこれで行きましょうか

それで先輩

お菓子はまだですか？

……お菓子ないんですか？

仕方ないですね

なら、代わりに先輩の血を頂きますね

何驚いてるんですか？

言ったじゃないですか

吸血鬼だって

人の血が大好きですよ

それじゃ先輩……

（耳元で囁く）
いただきますね

がーぶ

あむあむ
（囁きここまで）

……うぇっ！

ぺっぺっ！！

先輩……美味しくないです

しょっぱいです

お茶買って来ますね

先輩も何か飲みますか？

コーヒーですね

分かりました

それじゃ行ってきます

んっ？

先輩？　手なんか掴んでどうしたんですか？

もしかして……ボクと離れたくないとかですか？

着替え？

あっ……確かに学校をこの格好で歩くのは起こられるかもですね

……じゃあ先輩が代わりに行って来てください

なんでって……着替えるのがめんどくさいです

それに……先輩も制服より私服のボクのほうが好きですよ？

ふふふ

目を逸らすのは肯定ですよね

それに、お菓子ももらってませんから、その代わりです

それじゃお願いします

それとも……先輩はイタズラのほうがいいですか？

（耳元で囁く）
ボクは……それでもいいですよ？

・台本（ゆるボイ！）
ボクっ娘お嬢様な後輩はお菓子の代わりに貴方の血がほしいらしい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
れん