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耳かきに厳しいお姫様
written by 如月英梨
  • 耳かき
  • お姫様
公開日2021年10月28日 20:50 更新日2022年03月06日 21:33
文字数
2482文字(約 8分17秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
毎年、耳かき棒を作り、姫様に献上している人達
あなたは、その姫様に初めて耳かき棒を献上する
しかし姫様は耳かきに厳しいようだ
本編
次の者!前へ出よ!

時は有限じゃ!

お主が作った耳かき棒を疾く見せよ!

(間)

……ダメじゃ。

作りが粗末過ぎる。

お主、このような粗末な耳かき棒で、妾に耳かきをせよと申すのか?

お主、妾の耳かきが天下一の腕と知っておろう?

妾は日々、民達に耳かきを施し、癒やしを与えておる。

故に、耳かき棒も最高の物でなくてはならんのじゃ。

この粗末なものを、よく妾に献上出来たものよのう?

黙れ!

誰が口を開いてよいと申した!

この愚か者が!

お主の言い訳など聞くに値せぬわ!

お主が献上した耳かき棒が全てを物語っておる。

おい!此奴を引っ捕らえよ!

妾の耳かきを汚そうとしたその罪、万死に値する!

即刻、打ち首じゃ!

連れて行け!

ええい!言い訳など聞きとうないわ!

死して償え!

(間)

他の者、すまなかった。

あのような粗末な品は初めて見たものでな。

怒りが天守閣を突き破りおった。

いか!

耳かきとは、この世で最も尊き行為じゃ!

何人なんぴとたりとも、耳かきを汚す事は許さぬ!

無論、妾もじゃ。

さて、話はここまでじゃ。

次の者、前へ出よ。

ん?

お主、初めて見る顔じゃのう。

妾に耳かき棒を献上するのは初めてか?

どうした?

震えておるようじゃが?

先程の事で怯えておるのか?

安心せい、あのような事は滅多にない。

奴の耳かき棒があまりにも酷かったのでな。

見るに耐えなんだ。

ほれ、お主の作った耳かき棒を見せよ。

(間)

……な、なんと美しい。

長きに渡り、耳かき棒を見てきたが、このような素晴らしい耳かき棒を見たのは初めてじゃ。

毎年、耳かき棒は献上され新しい物に変わるが、この年より先はお主に全て委ねたい程に良い耳かき棒じゃ。

まさか、これ程の物を拝める日が来ようとは。

しかし、お主だけに任せる事は出来ぬな……。

若き耳かき棒職人が育たなくなってしまうからのう。

(間)

皆の者、すまぬ。

今日はここまでとする。

明日以降、知らせを出す。

解散じゃ。

ああ、お主は待つのじゃ。

少し妾に付き合え。

お主の作ったこの耳かき棒を試してみたくてのう。

妾の耳かきで癒やされてみたくはないか?

遠慮は要らぬぞ?

ほれ、近う寄れ。

何を躊躇っておるのじゃ。

疾くせよ。

(間)

うむ、素直が1番じゃぞ。

では始めよう。

(どちらからでも可)
まずは右(左)からじゃな。

じっとしておるのじゃぞ。

(耳かき開始)

(暫く無言で耳かき)

(以下、耳かきしながら。耳かきしている側で喋る。途中で耳かきを止めて喋るも可)

どうじゃ?

妾の耳かきは。

気持ちよいじゃろう?

妾の耳かきは天下一じゃからのう。

耳かきとは、何も汚れを取るだけのものではない。

耳かきは癒やしを与える。

妾は民の疲れを癒やし、明日がより良き日になるよう努めておるのじゃ。

(間)

ふむ、ここから少し趣向を変えよう。

(囁き声で)

こんなのはどうじゃ?

妾の吐息を感じるか?

(吐息)
はぁ〜

ふふ、お主は真によい反応をするのう。

実に可愛いぞ、お主。

ほれ、妾の耳かきで、もっと気持ちよくなれ。

カリカリ、カリカリ、カリカリ……。

(耳ふ〜)
ふ〜

(耳かきを止めて)
次はこの不思議なモフモフでしてみよう。

このような発想は初めてじゃ。

名は何と言うのじゃ?

(間)

ほう、梵天か。

実によい名じゃ。

可憐な響きよのう。

ほれ、続きじゃ。

(梵天開始)

(暫く無言で梵天)

(梵天しながら喋る)

おお、これはよいのう。

お主も気持ちよいか?

(間)

ふむ、それなら良かった。

妾の腕に、お主の耳かき棒が加われば、鬼に金棒じゃな。

これに勝るものはなかろう。

ほぉ〜れ、モフモフ、モフモフ。

(暫く無言で梵天)

よし、こんなものじゃろう。

次は反対側じゃ。

向きを変えよ。

(間)

では、やっていこう……っと、その前に。

(耳元に口を寄せる)

(耳かきしている側で囁き)

(耳元で囁き)
お主、妾の為に尽くす気はないか?

(耳元で囁き)
褒美もたっぷり取らすぞ?

(耳元で囁き)
他の者に聴こえては大事じゃ。

(耳元で囁き)
ここでは満足に話せぬのう。

(耳元で囁き)
今宵、うしこく、ここに来るのじゃ。

(耳元で囁き)
お主の懐に場所を記したものを忍ばせておく。

(耳元で囁き)
よいな?。必ず来るのじゃぞ。

(元に戻して)
よし、こちらもやっていくぞ。

(耳かき開始、反対側)

(暫く無言で耳かきした後、耳かきしながら)

お主の耳かき棒は使い心地が真によいのう。

癖になりそうじゃ。

お主は、妾の耳かきの虜になってしもうたかのう?

ん?。何じゃ、違うのか?

(耳かきを一旦止める)

(耳元に口を寄せる)

(耳元で囁き)
嘘は良くないぞ、お主。

(耳元で囁き)
ほれ、正直に申してみよ。

(耳元で囁き)
妾の耳かきの虜になったと。

(耳に優しく息を吹きかける)
ふ〜。

(耳元で囁き)
身体は正直なようじゃぞ?

(耳元で囁き)
ほれ、認めればもっと気持ちよくしてやるぞ?

(耳元で囁き)
妾の言葉を繰り返せ、よいな?

(耳元で囁き)
私は姫様の耳かきの虜です。

(間)
(元に戻して)

うむ、素直が1番じゃ。

(耳かき再開)

意地を張らず、最初から認めておればよいのじゃ。

顔が緩み切っておるのが何よりの証拠じゃな。

(小声で)
おっ、そうじゃ、少しからかってやろう。

(耳元で囁き)
愛しておるぞ。

(間)

よいなぁ〜。

お主は実に愉快な反応をしてくれるのう。

からかい甲斐がある奴じゃ。

安心せい、冗談じゃ冗談。

真に受けるでない。

(耳かき終わり)

さて、そろそろ梵天へ移るとしよう。

もう少しじゃ、じっとしておるのじゃぞ。

(梵天開始)

(暫く無言で梵天で耳かきをした後、梵天しながら)

ふむ、やはり、この梵天というものは使っていて心地がよい。

ほぉれ、モフモフじゃ、モフモフ〜。

(耳元で)
ふ〜。

これ、動くでない、耳を突いてしまう。

そんなに、妾のふ〜が良かったのか?

良かろう、もっとしてやる。

(耳元でふ〜、回数は自由)
ふ〜……ふ〜……ふ〜……。

どうじゃ?

気持ちよいか?

(間)

ふふん、そうじゃろう、そうじゃろう。

(梵天耳かきを一旦止めて)

(耳元で囁き)
お主さえ良ければ、耳をはむはむしてやってもよいぞ?

(耳元で囁き)
甘美な響きと思わぬか?

(耳元で囁き)
耳はむはむ。

(吐息多めに囁き)
はぁむ……はぁむ……はぁむ……はぁ〜。

(耳元で囁き)
今はここまでじゃ……今はな。

(耳元で囁き)
続きは今宵、うしこくに、な。

(元に戻して)

そろそろ仕上げじゃ。

(無言で梵天耳かき)

(暫くした後、梵天終わり)

よし、終わりじゃ。

感謝するぞ。

こんなにも充実した耳かきは久しくしておらんかった。

お主の作った耳かき棒のお陰じゃ。

それはそうと、今宵の約束を忘れるでないぞ?

(間)

(左右どちらかの耳元で)
待っておるぞ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
耳かきに厳しいお姫様
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
如月英梨
ライター情報
シチュエーションボイス用台本を書いている如月英梨と申します。
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