いつも、あなたをお荷物扱いする女剣士
あなたはそんな女剣士にいつも様々なバフをかけていた
仕返しに、自分の力だと思い込んでいる女剣士に自分の実力を分からせる事にした

はああああ！！

(ＳＥ：風切り音)

(間)

ふぅ、片付いたわね。

今日も私、大活躍ぅ！

あっ？

話しかけんじゃないわよ。

後ろで何もしてないお荷物のくせに。

いつも私が前に出て敵を倒してるから、これだけの戦果が出てるの。

何で、アンタみたいなお荷物とパーティーなんて組まなきゃいけないのよ。

私はアンタと違って強いの。

分かる？

アンタじゃ、私と釣り合わないって事よ。

(前)

えっ、後方支援してる？

支援って荷物持って、私が戦いやすいようにしてるだけでしょ？

そんなの、アンタじゃなくても出来るわよ。

あーあ、もっとカッコいい人か可愛い男の子なら良かったのになぁ。

アンタみたいなモブ顔じゃなくて。

まあ、良いわ、ギルドに報告に行くわよ。

(間)

(ギルド報告後)

はぁ〜、疲れた。

あ〜、ストレス溜まる。

何で、毎日毎日、あんなヤツと組んで依頼をこなさなきゃいけないのよ。

ギルドに他の人にしてほしいって言っても、あなたには、あの方が必要ですからって言って聞かないし。

ただでさえ、人員不足で本来は４人が基本のパーティーが２人だし。

私が強いから成り立ってるってアイツもギルドも何で分からないかな？

何が、あなたには、あの方が必要ですから、よ。

あんなお荷物、何の役に立つのよ、

ああー！もう！やめやめ！

考えたらムカついてきた。

こういう時は、さっさと寝るに限るわ。

(間)

(翌日)

ん〜、よく寝た。

さて、今日も頑張りますか。

(ＳＥ：足音)

あっ、居た。

準備出来てるわよね。

なら、さっさと行くわよ。

今日の討伐対象は……うげぇ……ゴブリンじゃん。

アイツら、見た目とか行動が苦手なのよね……。

仕方ないわ。

さっさと終わらせて帰るわよ。

ほら、早く行くわよ、荷物持ち。

(間)

(ＳＥ：足音)

ここがヤツらが棲処にしてる洞窟ね。

まずはおびき出すわよ。

中に突入するなんてバカのやる事。

アンタは洞窟の近くで物音を立てて、おびき出して。

その隙に、私が全滅させるから。

(間)

はぁ？

支援が出来ないからダメ？

アンタの支援なんて要らないわよ。

荷物持ちが何の支援するってのよ。

ほら、さっさと行け。

(間)

ったく、何が支援よ。

いつも私しか戦ってないじゃない。

(間)

(小声)
よし、ヤツらの気が逸れた！

(ＳＥ：走る足音)

はああああ！！

(ＳＥ：武器が弾かれる音)

なっ！？

くっ！

たああああ！！

(ＳＥ：武器がぶつかる金属音)

な、何でゴブリンごときに！

いつもなら、受け止められるなんて事……。

(ＳＥ：剣が弾かれる音)

け、剣が！

ち、ちょっと、アンタ！

そこに居るなら助けなさいよ！

お荷物でもそれくらいは出来るでしょ！

は、早く！

きゃあ！

変なとこ触るな！

ゴブリンの分際で調子に乗るなあああ！

(間)

な、何で……振りほどけない……。

くっ……アンタでしょ！

くそっ！私に何したの！

(間)

逆に何もしてない？

逆にって何よ！

じゃあ、いつもはしてたって事じゃない！

私に毒でも盛ったんでしょ！

やめっ！触るな！

は、早く助けなさいよ！

(間)

服を脱がされてやられるだけって……。

アンタあああ！！

こんな事して、ただで済むと――ひっ！？

い、痛い痛い痛い！！

ゴブリンの力がこんなに強いはずは……。

てか、何でアンタは襲われないのよ！

(間)

はあああ！？

ゴブリンは自分より強い相手は襲わないとか聞いた事ないわよ！

知能がそこそこ高いのは知ってるけど、コイツらにそんなの分かる訳が――きゃあああ！！

離せ！離せぇ！

ぐっ……いつも身体強化や色んなバフを私にかけてたって……それじゃあ……。

これが……本来の私の……きゃあ！？

だから、は、離せ！

くっ……うう……。

(懇願する感じで)

わ、悪かったわよ！

私が悪かったからぁ！

助けてよぉ！

きゃあ！！

や、やめてぇ！

ごめんなさい！ごめんなさい！ごめんなさい！

これからはいい子にします！何でも言う事聞きます！もうお荷物なんて言いません！私がお荷物でした！だから助けて下さい！お願いしますお願いしますお願いしますぅ！！

(間)

うう……ぐすん……。

助かった……。

(間)

今まで調子に乗ってごめんなさい……。

はい……もう悪口言いません……。

はい……ちゃんと言う事聞きます……。

助けてくれてありがとうございます……ぐすっ……。

怖かったよぉ……うぅ……。

(間)

(数日後)

あっ、おはようございます！

今日も同行、宜しくお願いします！

今日の討伐は、え〜っと、ワイバーンですね。

かなり強いみたいですけど、あなたの力があれば大丈夫でしょう。

私とあなたは今やＳランク。

まあ、殆どあなたの力なんですけど……はは……。

私、あなたが居ないと何も出来ませんから、へへ。

先日、痛いほど身に染みました……。

あの〜、討伐が終わったら、また訓練してもらって良いですか？

せめて、１人でゴブリンくらいは狩れるようになりたいので……。

(間)

わぁ、ありがとうございます！

(間)

はい！出発しましょう！

討伐は私に任せて下さい！

今日も支援、宜しくお願いします！

先生！

・台本（ゆるボイ！）
バフを自分の力だと思って調子に乗ってる女剣士を分からせる
https://x.com/yuru_voi

・台本制作者
如月英梨