やぁ。ここに来るのを待ってたよ。

わたしが何を言いたいか、もう分かってるね？

…なぜわたしを差し置いて、妹たちと仲良く話していたんだ？

ふーん、彼女らの方から話しかけてきたから無視するわけにはいかなかった、と。

それならもっと事務的に対応してもよかっただろう？

はたからみると、とても仲良さげに話しているように見えたんだが？

そうか…なら、悪い子にはお仕置きだ。

君の彼女が誰であるか、しっかり分からせてあげないとね。



(この間のセリフは暴力を振るいながら)

まったく、君というやつは…！

今までも散々言ってきたじゃないか…！

妹たちとは最低限の会話しかしないように、とね…！

それなのに君ときたら…

いつもいつもわたしを除け者にして、妹たちと仲良くしている…！

君の彼女はわたしなのに…なんで、どうして！

(暴力終了)

はぁはぁ…

分かってくれたかい？

君はわたしだけのモノなんだ。

同じことを何度も言わせないでくれ…

ッッ…すまない。こんなにボロボロにしてしまって…

わたしだって、本当はこんなことしたくない…！

だけど、君が…君がいけないんだ…！

すぐ妹たちと仲良くするから…！

妹たちと少し話しているのを見るだけで、嫉妬でおかしくなってしまいそうだ…！

こんな彼女、君も嫌だよな…

自分でも分かってる。

今のわたしは君を過剰に束縛している。

君のことを好きになってからのわたしは変だ…

それまではただ剣を振るって、自分の強さを確認できればそれでよかったのに…

ふふ、お笑い草だな…

こんな脆弱な人間が「剣聖」と呼ばれているなんて…

今のわたしにはとても似つかわしくない肩書きだよ。

本当にすまない…

いや、妹たちだけじゃない。

君が他の女の子と話しているだけで、自分で自分を抑えれなくなるんだ…

わたしという人間はどこまで愚かなんだ…

(ハグされる)

…なんだ？自分を殴った張本人に優しくするのか？

いや、それは……

こんなのでも一応、剣士の端くれだからな。

君をお仕置きするのに、剣だけは使わないようにしているんだ…

ふふっ、そうか…

君はこんなわたしでも剣士と認めてくれるんだな…

ん？……ふふっ、ははは！

ははは…まさか君の口からそんな言葉が聞けるとは思わなかった。

西洋の言葉でいうマゾ？というやつだったかな。

好きな人になら殴られても構わないし、むしろ殴られたいって…ふふふ。

本当に君は素敵な彼氏だ。わたしにはもったいないよ。

あぁ、わたしもだ。

君なしで生きていくなんて考えられない。

こんなわたしでよければ、これからも付き合ってくれ。

君がわたしを愛してくれる限り、わたしも君を愛してやるからな…

・台本（ゆるボイ！）
剣聖(長女)がもしもメンヘラ暴力彼女だったら
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎