マスター、やりましたね！

はい…これでやっと、すべての戦いが終わったのですね…！

いえ、マスターこそお疲れ様です。

マスターの剣(つるぎ)として戦えたこと、心から誇りに思います！

あの、それで…例の話はお受けになるのですか？

そう、ですか…

あの、差し出がましいことを言うようですが、あの方との結婚はやめておいた方がよろしいかと…

はい…あの方は黒い噂も絶えませんし、もし結婚してマスターにもしものことがあったら…

そんなことは絶対にない？

なぜそう言い切れるのですか？

人の心のうちなんて分からないものですよ？

信じてるからって…そうですか。

どうしても結婚の意志を曲げるつもりはないのですね？

わかりました。

それではまた、戦いが始まった頃に戻りましょう。



巻き戻しは成功ですね。

それではマスター、またわたしを手に取って戦ってください。

何をためらっているのです？

魔族の大軍はすぐそこまで迫っているのですよ？

状況が飲み込めませんか？

わかりました。時間もないので簡潔に説明します。

ここはマスターが戦い始めた頃の時間です。

懐かしいですね。

あの頃もこうしてたった二人で魔族の大軍に立ち向かいましたよね。

はい。マスターのおっしゃる通り、わたしが時間を巻き戻しました。

どうしてって…分かりませんか？

マスターがわたし以外の女と結ばれることを承諾したからですよ。

そんなことは認められません。

わたしはマスターの聖剣、すなわちマスターのモノ。

ならば逆も然り。マスターはわたしのモノでもあります。

その理屈はおかしいし、納得できないって…

…やはりこの時間まで戻って正解でした。

マスターの心は、どこの馬の骨ともしれぬ女に囚われているようです。

また戦い続ければきっと、元のマスターに戻ってくれるでしょう。

さ、マスター。時間がありません。

敵はすぐ目の前です。

もう一度、聖剣(わたし)を使って世界を救ってください。

ふふっ。その意気です、マスター。

また戦いを通じて二人の絆を育みましょう。

・台本（ゆるボイ！）
戦いを終えて好きな人と結婚しようとしたら、パートナーの聖剣に時間を巻き戻された
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎