1
知り合いの魔女にお母さん代わりになってもらって耳かきしてもらった
written by 松平蒼太郎
  • 寝落ち
  • ファンタジー
  • 睡眠導入
  • 癒し
  • 寝かしつけ
  • 切ない
  • 母親
  • 人外 / モンスター
  • 魔女
  • 綿棒
  • 耳ふー
  • 耳かき
  • ASMR
公開日2021年12月29日 11:44 更新日2021年12月29日 11:44
文字数
1736文字(約 5分48秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
魔女
視聴者役柄
皇子
場所
魔女の家
本編
どう?お茶、美味しい?

ふふっ、よかった。

皇子(おうじ)の口に合って。

今日はごめんなさいね。

急に呼び出したりして。

ええと、その……ちゃんとお礼がしたくて。

そう、お礼。

皇子が父親の皇帝陛下の暴走を止めてくれなかったら、この大陸からわたし含め魔女はすべて消えていたわ。

大袈裟じゃないわよ。

あの悲惨な魔女狩りを止めてくれたのは、他ならぬ皇子だもの。

皇子はわたしたち魔女にとっての救世主。

他の知り合いの魔女も、皇子に感謝していたわ。

そう、ね…前にも言ってたわね。

本来は皇位継承権がなくて、口減らしに捨てられた皇子を救ってくれたのが魔女だって。

えぇ…その魔女が見つかるといいわね。

実質的には皇子のお母さんだものね。

あ、皇子。お茶のおかわり、いる?

はい。すぐに淹れてくるからちょっと待っててね。



皇子。最近はちゃんと休めてる?

えぇ、最近また忙しそうだから…

上に立つ者として休んではいられないって…

もう、ダメよ。

皇子だって人間なんだから。

体力に限りはあるし、働き過ぎれば疲れる。

疲れた状態だと、誤った判断をする可能性は当然高くなるわ。

そう。上に立つ者だからこそ、きちんと休んで心身共に健康でいないといけないの。

そうだ!わたしが皇子を癒してあげる!

えぇ。マッサージでもなんでもいいけど、何か希望はある?

ん?どうしたの?

そんなモジモジしちゃって。

赤ちゃん綿棒で耳かきしてほしい?

ふふっ、赤ちゃん綿棒ね。了解よ。

じゃあ今から、わたしが皇子のママになってあげるわ。

それでは皇子。

わたしの膝の上にゴローンして。

はい、よくできました〜。

えらいでちゅね〜。

ふふっ、冗談よ。

赤ちゃん扱いしろとは一言も言ってないものね。

ごめんなさい…ふふふ。

さ、今の皇子の耳の様子を見るに、耳の中自体は綺麗だから、そこまで奥に突っ込んで耳垢を取る必要はないわね。

優しくゆったり撫でるくらいがちょうどいいから…これにしましょう。

これは極細綿棒。

綿球部分が細く作られていて粘膜を傷つけにくいから、新生児にも使えるのよ。

ちなみにこれ、赤ちゃんのおへそや鼻の穴にも使えるわ。

通常の綿棒よりサイズは小さいから、ちょっと扱いは難しいけど、赤ちゃんのお耳には丁度いいサイズなの。

っと、赤ちゃん綿棒に関する御託はこれくらいにして、始めましょうか。

まずは右耳からね…

(赤ちゃん綿棒)

ん?扱いが難しいのに大丈夫なのかって…

ううん、全然平気よ。

一応、経験はあるから。

えぇ、子育てしたことあるわよ。

今は離れて暮らしてるけど、歳はちょうど今の皇子くらいじゃないかしら。

…そうね。元気だといいわね。

それよりどう?かゆいところはない?

ちょうどいい?ならよかった。

このまま続けていくわね…



少し眠そうだけど、大丈夫?

そうね。寝るのは反対の耳をやる時の方がいいわね。

あと、これは特別サービスね。

(連続耳ふー)

ふふっ、逆に落ち着かない?

皇子ったら、昔と全く同じ反応するんだから…

あ、いいえ。なんでもないわ。

さ、次は左耳やるわね。反対向いて。

(赤ちゃん綿棒)

今にも寝そうだけど…やっぱり疲れていたのね。

皇子は頑張り屋さんなんだから…

助けてもらったのはありがたいけど、肩の力は抜かなきゃダメよ?

そうよ。皇子には元気でいてほしいもの。

きっと、皇子を育ててくれたお母さん代わりの魔女も、同じことを思ってるわ。

えぇ、そういうものよ。

我が子には元気で過ごしてほしいって思うのが、親心だもの。

はいはい…今はわたしのことをお母さんだって思ってくれていいから。

ママの膝の上でゆっくりお休み…



耳かきはこれで終わるけど……皇子?

(連続耳ふー)

あら、これでも反応しない…

ということは、完全に眠っちゃったのね。

皇子…いつもお疲れ様。

お母さん、あなたのことずっと心配してたのよ?

次男で皇位継承権なんてないのに、それでも国のために何かしたいって言って、わたしのところを飛び出して…

まさか魔女狩りの嵐が吹き荒れた時に、あなたに助けられるなんて…

本当に…立派になったわね。

お母さん、あなたのような息子を持ててすごく誇らしいわ。

あの時あなたを拾った魔女だって言えない、臆病な魔女でごめんね?

言ってしまったら、きっとあなたはわたしのことを気にかけてしまうでしょうし…

お母さんのことは気にせず、あなたはあなたの人生を生きて。

お母さん、いつでもあなたのこと見守ってるからね。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
知り合いの魔女にお母さん代わりになってもらって耳かきしてもらった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
 pixivにてフリー台本を投稿しています。
 台本の創作は自由にやらせてもらっております。よろしくお願いします。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
松平蒼太郎 の投稿台本(最大10件)