ちょっと！いつまでそんなとこで遊んでんのよ！

はぁ！？言い訳すんな！

それよりあたしが出てきたってことは、どういうことか分かるでしょ！

あたしの天敵が現れたのよ！ほら、さっさと行くわよ！



いた…！あいつよ、あの男！

あの男からヴリトラの気配を感じる…！

ヴリトラって知ってるでしょ？

世界中の水をせき止めて、人々を苦しめるとんでもない奴よ。

そんな悪龍を野放しにしておくわけにはいかない。

さ、やるわよ。準備なさい。

は？あいつは俺の親友だからって…

何言ってんの⁉︎見て分かんない⁉︎

あの男、どう考えてもヴリトラに魂を売り渡してんでしょうが！

確実に倒すには、あの男ごと葬り去るしかない！

情を捨てて、戦う覚悟決めなさい！

分かった？だったら……

…は？あいつをヴリトラから解放するのに協力してくれって…

あぁもう！アンタってそんなお人好しだったかしら⁉︎

前の冷徹人のイメージからかけ離れてんだけど⁉︎

分かった！分かったわよ！

元々あたしの敵はあの憎たらしい悪龍だけだしね！

あの男の身体から、ヴリトラを引き剥がす！それでいい⁉︎

ふん！感謝の言葉なら、勝ってから言いなさい！

行くわよ…！あの龍だけはあたしが倒す！



こら！何へっぴり腰になってんの！しっかり戦いなさい！

はぁ⁉︎人のせいにする気⁉︎

アンタがちょっと手ェ抜いてんの、見てわかんだからね！

…ちゃんとあの男から悪龍は分離してあげるから。

あたしを信じなさい。

アンタの大切な親友は、あたしが救ってあげる。

ふん…最初からそうしてればいいのよ、バカ。

次は手ェ抜いたらぶっ飛ばすから。行くわよ。



はぁはぁ…ごめん。完全に分離しきれなかった…

ううん、今のはあたしの力不足。ホントごめん…

え？……ふふっ。アンタ、ホント変わったわね。

昔なら絶対「この役立たずが」くらいは言ってたのに。

あっそ…お褒めの言葉、どーも。

やっぱアンタは最高のパートナーね。

…ね、あたしともっと高み、目指してみる？

どーいうことって…こ、こういうことよ。

(キス)

あたしも元々、アンタのことはヴリトラを倒すために必要な道具くらいにしか思ってなかったけど…

でもよくよく考えたら、あたしをここまで扱えるのはアンタくらいしかいない。

歴代のヴァジュラ使いでも、アンタほどあたしの力を引き出せたのはいなかった気がするし。

だからさっさと本契約、結びましょ？

今度こそ、アンタの親友を救うために。

…は？他の武器と組み合わせて上手くやればって…

何それ？あたしに喧嘩売ってる？

そんなの許さないわよ…！

アンタにはあたしさえいればそれで十分でしょうが…！

あたしの前で堂々と浮気宣言するなんて、いい度胸してるわね…！

ヴァジュラ自慢の稲妻でいっぺん黒焦げになっとけ、この浮気者！

・台本（ゆるボイ！）
ヤンデレな金剛杵に愛され過ぎて道具をただの道具として見られない〜片腕・ヴァジュラ編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎