- 純愛
- 切ない
- 片思い
- メンヘラ
公開日2022年03月13日 10:02
更新日2022年03月13日 10:04
文字数
1419文字(約 4分44秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
引退したVtuber 神在月きづき
視聴者役柄
引退したVtuberを推していた視聴者
場所
指定なし
あらすじ
初期の頃からずっと応援してきた推しが引退してしまった。
志半ばの引退で納得のいかないモヤモヤとした気持ちが抑えきれない。
それでもなんとかファンとして気持ちに区切りをつけようとしていたあなた。
そんな中、仲間内で推しの転生先がわかったことを知る。
あなたは推しとの思い出を大切にしたい、このままじゃ推しと云う存在に背いてしまうことを悩み
距離を置くことを決める。
しかし、あなたの選択は正しかったのか。
引退した推しはどこへ行くのか。
あなたが愛したのは誰だったのか。
志半ばの引退で納得のいかないモヤモヤとした気持ちが抑えきれない。
それでもなんとかファンとして気持ちに区切りをつけようとしていたあなた。
そんな中、仲間内で推しの転生先がわかったことを知る。
あなたは推しとの思い出を大切にしたい、このままじゃ推しと云う存在に背いてしまうことを悩み
距離を置くことを決める。
しかし、あなたの選択は正しかったのか。
引退した推しはどこへ行くのか。
あなたが愛したのは誰だったのか。
本編
「…ということで私、神在月きづきは…この時間をもって…はっ…配信活動を……終了します」
最後まで泣かない。そう決めたのに、締まった喉から出た震えた私の声は最後の最後で我慢できなかった。
Vtuberとして配信をして3年。たくさんのファンが私を応援してくれた。
色々な人がいて、色々な事があって、その思い出深い名前がチャット欄を流れていく。
みんなが私にメッセージを送ってくれている。私との別れを惜しんでくれている。
その言葉の一つ一つを読み上げようにも画面がにじんでよく見えない。
神在月きづきは私一人で作り上げてきたものじゃない。
もちろんファンのみんなの応援や支援あっての私だけれど、私をマネジメントしてくれる人がいる。運営してくれる人がいる。
私の後ろにたくさんの人がいて、その人たちが悩みに悩んで決めたのが私の引退。
3年。毎日のように新人が乱立し、辞めていくこの荒波の業界では持った方なのかもしれない。
私はもっときづきでいたかった。でも私一人のワガママじゃどうにもならないのもわかってる。
できることなら引退したくなかったし、もっと配信したかったけど、これも仕方がないとあきらめるしかない。
3年間のたくさんの思い出が頭の中で映し出され、涙が止まらなかった。
配信では聞きなれたいつものBGMと、私が静かに泣く声だけが流れている。
チャットはまだ止まらない。もう終了なのに投げ銭をしてくれる人がいる。
本当にたくさんの人が私を愛してくれていたんだと改めて実感した。
そんな見慣れたチャット欄で君を見つけた。
初配信から私を推してくれてるファンだった君も、今日は私の為に悲しんでくれている。
Vをやめる一番の気がかりは君だった。
配信後の最後のツイートに君も顔をだしてくれた。
私は君と絡むのが一番好きだったんだよ?
毎日リプをくれるのが待ち遠しかった。
もう二度と君に会えないと思うと辛くて仕方がないんだ。
だから私、転生するね。きづきはここで終わりだけど、転生して君に会いに行くから。
また、会えるね。
3か月後、私は新人Vtuberとして転生した。
きづきとの共通点を残しながら、なるべくファンのみんなに気づいてもらえるように無自覚を装った。
これでまた君に会えると思ったから。
それなのに、どうして君は気づいてくれないの?
配信前にはいつも待機してくれていた君の姿はいくら待っても現れない。
初配信が終わっても君の姿は見当たらない。
2回目も、3回目も、君は来てくれなかった。
他のファンの人たちは私の転生を喜んでくれているみたいだった。
中には受け入れてくれない人もいるけれど、私は君さえ受け入れてくれればそれでいいんだよ。
君はまだ気づいてくれていないの?
君のTwitter、見たよ。
「きづきとの思い出を大事にしたい」…?
君は気づいていたんだね。
どうして?私はここにいるのに!きづきはここに居るんだよ!?
振り向いてよ。
あの時みたいに一緒にふざけようよ!
私は君に会うために転生したんだよ。
君は…違ったの?
私の事、キライになった?どこがダメだったの?ダメなところがあったら言ってよ!
なんでもするから…
君が好きだったのは私じゃなかったんだね。
私は君が好きだった。でも君が好きだったのは私じゃない。神在月きづきなんだ。
引退した私はどこへ行ったの?
私は…誰?
違う…私は神在月きづき…
もう一度私がきづきになれば、君は振り向いてくれるのかな?
気付けば私はあの時のアカウントを開いていた。
これで…これでやっとまた…
君に会えるね!
最後まで泣かない。そう決めたのに、締まった喉から出た震えた私の声は最後の最後で我慢できなかった。
Vtuberとして配信をして3年。たくさんのファンが私を応援してくれた。
色々な人がいて、色々な事があって、その思い出深い名前がチャット欄を流れていく。
みんなが私にメッセージを送ってくれている。私との別れを惜しんでくれている。
その言葉の一つ一つを読み上げようにも画面がにじんでよく見えない。
神在月きづきは私一人で作り上げてきたものじゃない。
もちろんファンのみんなの応援や支援あっての私だけれど、私をマネジメントしてくれる人がいる。運営してくれる人がいる。
私の後ろにたくさんの人がいて、その人たちが悩みに悩んで決めたのが私の引退。
3年。毎日のように新人が乱立し、辞めていくこの荒波の業界では持った方なのかもしれない。
私はもっときづきでいたかった。でも私一人のワガママじゃどうにもならないのもわかってる。
できることなら引退したくなかったし、もっと配信したかったけど、これも仕方がないとあきらめるしかない。
3年間のたくさんの思い出が頭の中で映し出され、涙が止まらなかった。
配信では聞きなれたいつものBGMと、私が静かに泣く声だけが流れている。
チャットはまだ止まらない。もう終了なのに投げ銭をしてくれる人がいる。
本当にたくさんの人が私を愛してくれていたんだと改めて実感した。
そんな見慣れたチャット欄で君を見つけた。
初配信から私を推してくれてるファンだった君も、今日は私の為に悲しんでくれている。
Vをやめる一番の気がかりは君だった。
配信後の最後のツイートに君も顔をだしてくれた。
私は君と絡むのが一番好きだったんだよ?
毎日リプをくれるのが待ち遠しかった。
もう二度と君に会えないと思うと辛くて仕方がないんだ。
だから私、転生するね。きづきはここで終わりだけど、転生して君に会いに行くから。
また、会えるね。
3か月後、私は新人Vtuberとして転生した。
きづきとの共通点を残しながら、なるべくファンのみんなに気づいてもらえるように無自覚を装った。
これでまた君に会えると思ったから。
それなのに、どうして君は気づいてくれないの?
配信前にはいつも待機してくれていた君の姿はいくら待っても現れない。
初配信が終わっても君の姿は見当たらない。
2回目も、3回目も、君は来てくれなかった。
他のファンの人たちは私の転生を喜んでくれているみたいだった。
中には受け入れてくれない人もいるけれど、私は君さえ受け入れてくれればそれでいいんだよ。
君はまだ気づいてくれていないの?
君のTwitter、見たよ。
「きづきとの思い出を大事にしたい」…?
君は気づいていたんだね。
どうして?私はここにいるのに!きづきはここに居るんだよ!?
振り向いてよ。
あの時みたいに一緒にふざけようよ!
私は君に会うために転生したんだよ。
君は…違ったの?
私の事、キライになった?どこがダメだったの?ダメなところがあったら言ってよ!
なんでもするから…
君が好きだったのは私じゃなかったんだね。
私は君が好きだった。でも君が好きだったのは私じゃない。神在月きづきなんだ。
引退した私はどこへ行ったの?
私は…誰?
違う…私は神在月きづき…
もう一度私がきづきになれば、君は振り向いてくれるのかな?
気付けば私はあの時のアカウントを開いていた。
これで…これでやっとまた…
君に会えるね!
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