おー、わりーな。手伝いに来てもらって。

おう、荷物はその辺に置いといてもらっていいぞ。

じゃ、早速だけどこれ、上の書斎まで運んでくれ。



お疲れさん。手伝ってくれてサンキューな。

途中から全部お前に任せちまったけど、うまい飯作ったから、それで勘弁してくれな。

はいはい、そりゃどーも。

チャーハン程度でそんな喜んでもらえんなら安いもんだ。

ん？あぁ、あれ？

あの荷物全部、亡くなったうちの爺ちゃんのもんだよ。

外の倉庫ん中整理してたら、なんか本やら何やらが詰まった段ボールがいっぱい出てきてさ…

倉庫ん中とはいえ、野ざらしにしとくのもアレだし、中に入れとこうと思って。

けどあの量を女手一つで全部中に運び込むのは手間だろ？

そこで男友達のお前の出番ってわけ。

あはは。まー、いいじゃんか。

たしかにあたしよりナヨっちい身体してっけど、男だろ？

あの程度なら軽いもんだろ。

ん？あぁ、爺ちゃんは金持ちだったよ。

こんなそこそこでかい家建てるくらいだしな。

あー、まあな。

今はあたしひとりで暮らしてっけど、掃除とか面倒でさぁ。

たまに遊びに来て、ついでに掃除とか整理整頓とか手伝ってくれよ。

おっ、聞いたからな？言質とったぞ。

えー？彼氏？いるわけねえだろ。

いたらお前のこと、こんなとこまで呼ばねえよ。

まっ、あたしみたいに高身長で無駄にガタイ良い女もらってくれる男なんてそうそういねーだろうけどな！あはは！

てか、そういうお前はどうなんだよ？彼女いねえの？

あー、まぁ、そりゃそっか。

いたら友達とはいえ、他の女のとこには行かねぇわな。

そーだなー…欲しくないわけでもないかな、彼氏。

いたらそれはそれで楽しそうだなとは思ってる。

まぁいなくても別に困らねえけど。

…へ？それマジで言ってる？

あー、んー…お前が彼氏、かぁ…

なくはないけど、いまいちピンとこないっつーか…

友達期間がそれなりだからなぁ…うーん…

え？…あ、そうなのか。お前的にはそうなんだ。

じゃあその…付き合ってみるか？あたしら。

あー、まぁ今まで通りでいいんじゃね？知らんけど。

付き合えるかもしれない男の知り合いって、よく考えたらお前しかいねえしな。

女としても見てくれてんなら…その、まぁ嬉しいし…

バーカ…自分で言って照れんなよ。

あたしの方が恥ずかしいんだから…

ほ、ほら！これから買い物行くから付き合えよ！か、彼氏くん…？

・台本（ゆるボイ！）
女友達の家の手伝いに行ったら、お付き合いすることになった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎