A.年上彼女　B.年下彼女


【Aパート】

(玄関ドアが開く)

A.ただいまー。帰ったよー。

A.…ねぇ、今何してたの？出迎えもせずにさ…

A.慌てて携帯置いてるように見えたのは気のせいかな？

A.…ん、充電減ってるね。

A.一応聞くけど、どこの誰と連絡取ろうとしてたのかな？

A.ネットサーフィンしてただけ？ホントに？

A.でもそれならなんで、帰ってきた時に慌てて携帯置いたの？

A…誰に連絡取ってたの？言って。

A.黙ってちゃ分からないでしょ。誰？

A.どうしても言う気ないんだ。

A.じゃあ仕方ないね。

A.残念だけど、君の妹ちゃんのあられもない画像をSNSに拡散してっと…

A.ふーん？じゃあ履歴、確認するね。

A.うん、たしかに。後輩ちゃんへの連絡だけは特別だし、許してあげる。

A.あたしと同じ、君の彼女だからね。

A.君も疑われるようなそぶりするのはやめてね。

A.あたしだって勘違いしちゃうし。

A.それより、お腹すいたでしょ？

A.すぐご飯作るから待ってて。



A.できたよ。食べよっか。

A.はい、お口開けて…アーン。

A.なに？あたしのご飯が食べられないっていうの？

(ため息)

A.あのさ、何のために手錠してると思ってんの？

A.君が一人でやれることをやれないようにするためだよ。

A.一人でできるようになったら、君のことお世話できなくなっちゃうじゃん。

A.だからほら、早く口開けて…は・や・く。

A.うん、よく食べれたね。えらいよ。

A.うん、もちろん。全部あたしが食べさせてあげる。

A.黙ってお口開けて。アーン。



A.ふん、やっぱり。ホント、懲りない人…

A.あ、もしもし？

A.はい。この携帯の持ち主の彼女ですけど。

A.彼から連絡、受け取りましたよね？

A.…受け取りましたよね？隠し立てするのはよくありませんよ？

A.もう分かってますよね？わたしが電話をかけた理由。

A.はい。彼を助けようなんて少しでも思ってるなら、わたし、何をするか分かりませんよ？

A.少しでも妙な動きを見せたら、手加減しませんから。

A.はい。分かっていただけたなら結構です。それじゃ。




A.……あ、お風呂上がった？

A.そうだ。君に大事な話があるんだけど。

A.これ、なーんだ？

A.うん、仕事用の携帯だね。

A.まさかここから仲の良い元同僚に連絡を取ってたなんて思わなかった。

A.さっき、慌ててプライベート用の携帯置いたのは、ブラフでしょ？

A.仕事用の携帯でこっそり連絡を取ってるって思わせないために。

A.分かるよ。君の彼女だもん。

A.君のことなら、ぜーんぶ知ってる。

A.あーあ…これ、もっと早くに解約しておけばよかった。

A.明日にでも、ささっと手続き済ませちゃお。

A.ダメだよ。誰かに連絡取ろうなんて許さないから。

A.二人も彼女いるくせに、贅沢言わないで。

A.あたしと後輩ちゃんがいればそれで十分でしょ？

A.さ、後輩ちゃんが帰ってくる前に片付けとか、色々済ませておかなくちゃ。

A.いい。要らない。君は働かなくていい。

A.大人しく寝室で待ってて。何もしなくていいから。



【Bパート】

B.ただいま帰りました。

B.どうかしました？布団の上でそんな伸びて…

B.あはは…先輩にコッテリ絞られたんですね。

B.でもそれは貴方がいけないと思います。

B.彼女がいるのに、他の人に連絡とろうとするから…

B.家族？わたしたちのことですか？

B.あぁ、実家の方ですか。必要ありませんよね、別に。

B.養ってくれる彼女が二人もいるんですから、もう実家に連絡取る必要もありませんよね？

B.っていうか、貴方は妹さんと話したいだけでしょう？シスコンだから。

B.貴方は、ご両親との仲はそんなに良くなかったはずですし。

B.でもダメですよ。

B.妹さんのあられもない姿、ネット上に拡散されてもいいんですか？

B.あれ、妹さんと戯れた時に撮影したんですよね〜。

B.ほら、こーんなにお股、開いちゃって…

B.女同士だからって無防備すぎますよね。

B.まぁそのおかげで、こうして弱みを握れたんですけど。

B.貴方がわたしたちの意に沿わない行動をとったら、これ、即座に流しますからね？

B.はい。きちんと忘れないようにしてくださいね？

B.先輩がお風呂から上がるまで、二人でイチャイチャしてましょうか。ギュー♪

(抱きつく)

B.仕事後に感じる貴方の温もりはとっても気持ちいいですね…このまま寝ちゃいそうです。

B.ね…もうどこにも行かないって、改めて約束してくれますか？

B.はい。貴方はずっとここで、わたしと先輩に養われて暮らすんです。

B.衣食住、何一つ不自由させません。

B.貴方のこと、愛していますから。

B.わたしたちの愛、しっかり受け取ってくださいね♪

(キス)



【ABパート】

A.お待たせ。さっ、あかりを消して…

B.あ、先輩、待ってください。片方ずつ手錠しないと。

A.あ、そうだった。えっと、じゃあ今日はあたしが右で。

B.なら、わたしが左ですね。

(手錠装着)

A.これでよし。それじゃ、あかり消すね。

B.はい、お願いします。

(消灯)

B.なんかいいですね。こうやって三人で川の字になって寝るの。

A.うん。あたしも我ながらいい考えだと思ってる。

B.はい、先輩は天才です。二人でこの人を平等に分け合うのも案外悪くないですね。

A.たしかに。取り合ってた頃はそんなこと考えもしなかったけど。

B.ふふふっ…貴方のおかげです。貴方が二人とも好きだって言ってくれたから。

A.それ、最初聞いた時はいつもの優柔不断かと思ったけど、違ったね。積極的に二人とも選ぶって意味合いだったなんて…

B.あはは、何言ってるんですか？これは貴方のシスコンを治すための自宅療養でもあるんですよ？

A.シスコンじゃなかったら完璧な彼氏なんだけど。すぐ、妹に会いに実家に帰ろうとするんだから…

B.だから先手を打って、あの画像を確保したんです。貴方も嫌ですよね？大好きな妹がネット民のオカズにされるのは…

A.次、今日みたいなことしたら、本当に流すから。いい？

B.妹さんのことなんて忘れて、わたしたちだけを見てください。ほら、可愛い彼女たちがこんなに近くにいるんですから…ギュー♪

A.そうそう。君は彼女を愛することだけしてればいいの。他のことなんて全部ゴミと大差ないから。

B.あはは、あんまり舐めた口きいてるとほっぺつねりますよ？

(両側から本気でほっぺをつねられる)

A.発言には気をつけて。今ここで妹ラブのセリフを誰が言えって？

B.命知らずのシスコンさんですね。先輩、もっとくっついちゃいましょう。

(さらに強く抱きつかれる)

A.腕が痛い？それだけあたしたちが君のこと好きだってこと。痛みで覚えられるでしょ？

B.あ、なんかキスもしたくなってきました。先輩、タイミング合わせていきましょう。

A.オッケ。それじゃあ、せーの…

(両側から頬にキス)

B.タイミングバッチリですね。さすが先輩。

A.元々あたしたち、仕事でもプライベートでも息ぴったりだし、当然っちゃあ当然よね。

B.ついでにお耳もいじめちゃいます？じゃあ次はわたしが言いますね。せーの…

(両耳に同時に息を吹きかける)

A.あはは…すっごい良い反応すんじゃん…！ウケる！

B.やっぱり一人より二人ですね。このまま骨抜きにして、名実と共にわたしたちのモノにしちゃいましょう。

A.うん、賛成。二人で独占した方がコスパいいし。

AB.君(貴方)のこと、一生愛してあげる(あげます)からね♡

・台本（ゆるボイ！）
二人の彼女との甘々な監禁生活
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎