ホラー映画を見て怖がる妹と添い寝するお話です。

あっ、お兄ちゃん！
ちょうどいい時に来てくれたね。
この映画一緒に見よ？

うん、ホラー映画。
1人でだと最後まで見られる自信なくて。
でも、お兄ちゃんと一緒なら大丈夫かなって。
えへへ…。

夜眠れなくても知らないぞ…？
だ、大丈夫だよ！
それより、早く見よ見よ！

（観賞終了）

や、やっと終わった…。
想像以上に怖かったよぉ…。
お兄ちゃんがいてくれて良かった…。
私1人じゃ絶対見れない内容だよぉ…。

（風で窓が揺れる音）

ひいっ…。
なに、何の音!?
どどどうしようお兄ちゃん、とうとう我が家にもオバケが出たのかも…。
早くお祓いしないと襲われちゃう…。

えっ、風で窓が揺れただけ？
良かった…。

あっ、もうこんな時間。
そろそろ寝なきゃだね…。
うん…。おやすみなさい…。

（ノックの音）

お兄ちゃん…まだ起きてる…？
入っていい…？

（ドアを開ける音）

お兄ちゃん、一緒に寝てもいい…かな？
1人だと映画のシーンが頭から離れなくて寝れなくて…。
お願い！今日だけでいいから！

だ、だってー。
学校で話題になってるから見たかったんだもん。
それに、この歳で怖い話苦手なのも恥ずかしいなって思って…。

そ、そんな呆れた顔しないでよ。
とにかく、今日はここで寝るの。

（布団に入る音）

んんー、暖かい…。
お布団もふかふかで気持ちいい…。
それに、隣にはお兄ちゃんがいる…。

お願い、お兄ちゃん…。
私のこと、安心させて…？
映画の途中から怖くて逃げ出したかったけど、最後まで頑張って見たよ…？
今までの私だったら無理だったでしょ？
だから、ご褒美も兼ねて…ね？

ん…なでなで気持ちいい…。
お兄ちゃんのなで方、優しいね…。
落ち着くー…。

一緒に寝るの、小学生の時以来だよね。
まるであの時に戻った気分。
昔から私は怖がりで、お兄ちゃんの所に来てたよね。
呆れながらも、最後は布団に入れてくれて私を安心させてくれる…。
変わらないなぁ。

あっ、一つ変わった所あった。
えっとね、お兄ちゃんってこんなに大きかったんだなって。
近くで見て、改めてそう思った。
昔は私とあまり差がなかったのに…。

（風で窓が揺れる音）

ひっ…。
うぅぅ…怖い…。

あ…お兄ちゃんからぎゅってしてくれてる…。
じゃあ…私も…。
ぎゅっ…。

（この段は背中ぽんぽんする音を入れながら）
背中ぽんぽんしてくれるの好き…。
うん、もっとして？
ありがとう、落ち着いてきたよ。

でもお兄ちゃんの背中、ほんと大きい。
それに、結構がっしりしてる。
この背中で今まで私のことたくさん守ってくれて。
お兄ちゃんは、私のヒーローだね。

ねぇ、もしお兄ちゃんさえよければたまにでいいから一緒に寝てもいい…かな。
大きくなってから、お兄ちゃんと過ごす時間が少なくなってきたでしょ？
それは仕方ないことなのは分かってるけど…。
寂しいなって思うんだ。
だめ…かな。

ほんと？
ほんとにいいの？
ありがとう！
えへへ、お兄ちゃんと添い寝〜♪

うん、すごく嬉しいよ。
お兄ちゃんと過ごす時間が増えるもん。
嬉しくないはずがないよ。
色々なお話したり…
またなでなでやぎゅってして欲しいな。
うん、約束ね。

そろそろ寝れそうかも…。
お兄ちゃんと最高の約束ができたから、怖いのは無くなったよ。
でも、今日はこのままぎゅってしたまま寝たい…。

やったぁ。
それじゃ、おやすみなさい。
お兄ちゃん。

・台本（ゆるボイ！）
妹と添い寝
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メア