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本当に大切な人は、昔から隣にいた幼馴染でした。
written by メア
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公開日2021年06月05日 18:00 更新日2021年07月01日 22:38
文字数
4803文字(約 16分1秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
大学生か高校生の男女設定(曖昧に書いている)。 二人は幼馴染。 互いに片想いしている相手に勇気を出して告白することに。 結局失恋してしまうけど、「幼馴染が好き」という気持ちに気づいて・・・。
本編
女: ねえ、今大丈夫?
   あなたに相談したいことがあるのだけど・・・。
  
男: 俺に相談?
   ああ、俺でよければ聞くけど。 奇遇だな。

女: え? 何かあった?

男: 実は、俺もお前に相談したいことがあって・・・。

女: おおーー!
   同じタイミングで相談だなんて、ほんとに奇遇だね!

男: そうだな。 先にお前から聞こうか。

女: うん、ありがとう。 じゃあ、私から・・・。

男: (わくわくした様子で)それで、どんな話?

女: 実は、好きな人が出来たの・・・。

男: あー、知ってたよ。

女: えっ、知ってたの・・・?
   なんで!まだ誰にも話していなかったのに・・・。
   もしかして・・・私をストーカーしてたの・・・?

男: んなわけあるか!
   お前、分かりやすいからな。 全部顔見ればわかるんだよ。

女: うわぁ、そこまで顔に出てたなんて・・・。

男: 俺が何年幼馴染やってると思ってるんだよ?
   それで? 好きな男ってどんなやつ? 教えろよ。

女: その人の好きなところ?

男: そうそう。

女: 声が好き、聞いていて安心する。

男: うん。(相槌)

女: 笑顔が好き、こっちも幸せな気持ちになる。

男: うん。(相槌)

女: 性格が好き、真面目で一生懸命なところがかっこいい。

男: ・・・はいはい。 「かっこいい」ねぇ。
   他には?

女: 他は・・・メガネをつけたときの仕草かな。
   ずれたメガネをクイって直すときとか、レンズが曇って拭いてるときとか・・・。

男: (笑いながら) お前、にやけすぎ。 全開でノロケやがって。
   話聞いてる俺の身にもなれよ。

女: からかわないでよ。真剣に相談してるのに。

男: ごめん。 からかって悪かった。
   お前がそいつのこと大切に想っていることは理解した。
   それで、なにか進展あったか?

女: 進展はないの。遠くから見てるだけ。

男: はぁ? お前って幸せなやつだな。
   ・・・そいつを見て、そいつのこと考えているだけで、楽しいって・・・。
   話したほうがもっと楽しいんじゃねえの?
   (小声でボソっと言う)その気持ちわかるけどさ。

女: ふぅ~ん・・・。
   そんなこと言うんだ・・・。

男: ・・・なんだよ。

女: なんでもない。
   それより・・・私にも相談があるんでしょ?

男: ・・・俺? 俺の話はいいんだよ。
   今はお前の話を聞いてるんだって!

女: もしかして、好きな人ができたの!?

男: (慌てる)いや、・・・えっと・・・その・・・。
   違う・・・ってわけじゃないけど、せめてお前の話が終わってから・・・。

女: やっとあなたにもそんな人ができたのね!
   今まで全く色恋沙汰ないし。
   幼馴染として心配だったのですよ。
   で、誰を好きになったの!?
   早く聞かせてよ!

男: あぁ! うるさい! わかったよ! 話すから。
   わかかってる。 約束だったからな。
   お互い好きな人ができたら話そうって。
   しょーがねぇな。
   じゃあ、・・・今度は俺の話聞いてくれる?

女: うん。あなたの話、聞かせて?
   それで、誰を好きになったの?

男: ちょっと耳貸せ・・・。
   (小声で)・・・委員長・・・。

女: えー!委員長!?

男: (慌てる)ばか!! 声でかいって!

女: ごめんごめん。 でもあの子、かなりモテるよ?

男: そんなの、わかってるよ。

女: 成績優秀、スポーツ万能、男女隔たりなく接し、顔も可愛い。

男: 男ウケ良いのにイヤミがまったくないし、
   面倒見いいところが女子に信頼されて、
   男子にも女子にもモテモテなスーパー委員長・・・。
   (ノロケる)今日も可愛かったなぁ・・・。

女: この前もサッカー部のキャプテンが告白して振られたって話だよ。
   あなたが成功するとは思えないけど・・・。

男: あ”あ”! 自分のこと棚に上げて俺を責めるのはやめろ! このお節介め!

女: ごめんごめん、言い過ぎたよ。
   でも、あなたも大変だね。
   よりによって好きになったのがあの子だし。
   で、あの子のどこを好きになったの?

男: どこが好きかって・・・説明するの難しいけど、全部だ!
   見た目とか、性格とか・・・ 特に笑顔が可愛いなって。

女: そっか、本気なんだ。

男: わかるか? 俺が本気だって。

女: うん、伝わってくるよ。
   でも、このままでいいの?

男: いや、このままで良くない!
   けど・・・、どうしたらいいんだよ?
   あの子モテるし、俺なんか相手にするわけないだろ?
   もし、声かけて・・・うまくいかなかったら、絶対気まずくなる。
   それだったら、今のままで・・・いいんじゃないか・・・って。

女: 私も今まで何もできなかったから、気持ちはわかるよ。

男: はぁ(ため息)。 俺も人のこと言えねえな。

女: ほんとだよ。 話しかけた方が楽しいって言ったのはどこの誰かしらね。

男: ああ、さっきお前にあんなこと言ったけど・・・、
   俺もお前も、自分のことになると、臆病になる。
   (間のあとに本音を語り、自問自答する)
   俺達、本当にこれでいいのか?
   遠くから眺めているだけで・・・。

女: 私はこのままじゃ嫌、先に進みたい。

男: だよな。 その先に進みたいよな。

女: 他の女の子と話すところを見るともやもやする。
   これ以上我慢できないの。

男: 俺だって、今の状況を変えたい。 もっとあの子のこと、知りたい。

女: 私は彼の特別になりたい。
   お願い。あなたに協力するから、私にも協力して!

男: もちろん! 俺はお前の味方。 絶対応援する。

女: ほんと?よかったぁ・・・。
   それじゃあ、すぐに作戦を考えよう!

男: そうだな。 どうやって告白するか方法を考えるか!

女: お互い、成功するように頑張ろうね!


(場面転換。 屋外にて待ち合わせの場面。 雨が降っている。 先に幼馴染(女)が雨に濡れた状態で待っている)


女: 雨、強いな・・・。

男: (遠くから駆け寄る感じで)おーい!
   ・・・ごめん、待たせて。

女: ううん、待ってないよ。
   それより傘は?

男: 傘?
   忘れてきた。

女: えっ、そうなの?
   びしょ濡れだよ?

男: お前のほうこそびしょ濡れ。 傘持ってるのにささないのか?

女: いいの、今は濡れたい気分だから。

男: ・・・そうか。 俺も久々に雨に打たれたくなった。

女: それで、結果はどうだったの・・・?

男: 結果。 ・・・ああ、そうだな。
   ・・・ダメだったよ。

女: そっか・・・。

男: 普通に声かけることもできなくなった。 ただの同級生。
   (涙声で)・・・もう忘れるよ。

女: 悲しい時は泣いていいんだよ?

男: 泣いていない。
   全部、雨のせいだから。

女: ハンカチ、使って?

男: ハンカチなんていいよ。 どうせ濡れるし。

女: 強がらなくてもいいのに。

男: うるさい。 強がってなんかない。
   ・・・お前の方はどうだったんだよ?

女: 私・・・?

男: ・・・結果聞かなくても、なんとなくわかるけど。

女: 振られちゃった・・・。
   もう恋人がいるから付き合うことはできないって。

男: ・・・そうか。 言わせて悪いな。

女: ううん、大丈夫だよ。

男: あーあ、俺達がんばったのになぁ。
   ハッピーエンドじゃないし、報われないし。
   これだったらずっと遠くから眺めてストーカーしてた方がマシだったかな。

女: もう・・・こんな時に何言ってるの・・・。

男: あははは・・・.。 なーんてね。
   お前が居たから勇気が出た。
   ダメだったけど、言えなくて一生後悔するより良かった。
   今もこうやって慰め合えるし。
   な?

女: 私、悔しいよ・・・。
   2人で作戦も立てたのに。
   彼の気を向かせようとお洒落も勉強したのに。
   ダメだった・・・、振り向いてもらう以前の問題だったの・・・。
   うぅっ・・・うあぁぁぁあぁぁぁあああっ・・・。

男: ・・・泣くなって。
   もっと良い男なんて他にもいっぱい居るから。 きっと良い人が見つかるって!

女: 彼より素敵な人なんて、そう簡単に見つかるかな・・・。

男: お前なら大丈夫だ。俺が保証する。

女: じぃー・・・。(相手を見つめる)

男: (見つめられて戸惑う)
   ・・・どうした? 俺の顔、何かついてる?

女: ううん、何もついてないよ。

男: じゃあなんだよ?

女: 何でもない。
   でも、今はあなたの事を見ていたい気分なの。

男: なんだよ、それ・・・。変なやつ。
   (幼馴染に対する感情が芽生えて)・・・あっ・・・。

女: どうしたの?

男: ・・・いや、まさかな。 違う。 俺の勘違い。
   お前は俺の幼馴染で親友だろ・・・?

女: うん。私たちは親友だよ。
   今更だね。

男: (自分の感情に戸惑う)
   ずっと一緒にいるのが当たり前だったのに。
   なんで、こんな気持ちになるんだ?
   ・・・今まで感じたこともなかったのに。

女: 大丈夫?
   ちょっと変だよ?

男: 俺が変?
   ああ、見事にフラれて今は余裕ないんだよ。 ・・・許せ。
   それより傘ささないと風邪ひくぞ。
   お前の傘、貸して?

女: 傘?
   はい、これ使って。

男: いいから、こっちこい。 (肩を寄せる)
   もっとくっつかないと肩濡れるぞ。

女: きゃっ。
   随分積極的だね・・・。

男: あのさ、お前昔から泣き虫で、泣き顔散々見てきたけど・・・、
   ・・・こんなに綺麗なんだな。 (最後は小声でぼそっと)

女: えっ。 今、なんて・・・。

男: ・・・ったく。 ちゃんと聞いとけ。
   お前のこと、初めて綺麗だなって思ったんだよ。

女: えっ、えっ、どういうこと・・・?

男: 鈍いやつ。
   (気持ちを吐露する)
   不謹慎かもしれないけど、失恋して泣いてるお前を見て、守ってあげたいって。
   そう思った。
   一生懸命で真っ直ぐで、でも少しだけ弱くて。
   守ってあげたくなるような大切な・・・存在。

女: そっか・・・。
   私ね、あなたの気持ちを聞いて嬉しいって思ったの。
   守りたいって言われた時、胸が暖かくなって・・・。
   (少し間を開けて)
   それと同時に気が付いたの。
   本当に大切な人はこんなにも近くにいたんだって。
   気づくのが遅れてごめんなさい。

男: いや、気づくのが遅かったのは俺の方だよ。
   それと、やっとわかったことがあるんだ。

女: わかったこと?

男: あの子を想う気持ちも、お前に対する気持ちも、
   何がどう違うのかわからなかったけど、
   俺の大切な人は・・・いつも隣に居てくれたお前だったんだな。

女: 本当!? 同じ気持ちだなんて・・・嬉しい。

男: 返事は要らない。 俺の独り言だと思って聞いてくれ。
   (間の後、告白する)
   ・・・好きだ。 お前の事、大切にしたい。

女: 私も好きです。
   彼女にしてください。

男: (苦笑しながら、でも嬉しそうに)・・・返事は要らないって言ったのに。

女: 自分の気持ちに気づいたんだもん。
   伝えずにはいられなかったの。

男: そっか、ありがとな。
   あーあ、こんなに涙でぐしゃぐしゃにしてひどい顔。

女: あなたも涙でぐしゃぐしゃになってひどい顔。
   人の事言えないよ?

男: あははは・・・俺も?
   これは全部雨のせいだ。

女: ふふっ、そういうことにしておくね。

(互いに笑い合う)

女: あっ・・・雨止んだね。
   そろそろ行こっか。

男: そうだな。雨上がったし帰るか。
   これから、俺たちのハッピーエンド作っていこうぜ、2人で。

女: うん!二人でたくさんのハッピーエンドを作ろうね!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
本当に大切な人は、昔から隣にいた幼馴染でした。
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
メア
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 主に男性向けがメインで全年齢、R18共に書きます。
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