ヴァンパイアハンターとして吸血鬼を狩り続けていた貴方の前に、吸血鬼の女幹部が立ち塞がるのだった…

よー。アンタが最近、仲間をボコしてイキリ散らかしてる人間？

そうだけど？だったらなんか文句ある？

お前を狩る、ねぇ……ふふふ…！

あー、ごめんごめん。たかが三流吸血鬼を狩ってるだけでイキってて、なんか滑稽だなぁって。

アタシを今までのと一緒にしないでもらえる？

一応これでも幹部ってやつなんだからさぁ。

ボスの居場所？さあ？アタシに勝ったら教えてやってもいいけど？

ふん…カッコつけちゃって。

そーいうの、負けフラグっていうんだけど知ってた？

あー、はいはい。そんじゃ、肉体言語で語り合うとしますか…ねっ！



〜〜戦闘中〜〜



へぇ…たしかに三流どもを狩るだけの実力はあるね。

まぁそれでも、アタシには遠く及ばないけど…

(軽く耳に息を吹きかける)

んー？どーした？急に動きが鈍くなったね？

そんなんじゃ…目の前の敵にタコ殴りにされるだけだよ？



〜〜しばらくボコす〜〜



どう？もう降参する気になった？

え？あぁ、さっきアンタの耳に吹きかけたやつ？

相手の疲労感を劇的に倍増させる吐息を送っただけ。

そ。アタシの固有能力ってやつ。

言ったでしょ？こう見えても吸血鬼の幹部だって。

人間にも能力的に優れた奴と劣った奴がいるでしょ？それと一緒。

人間は相手のこと、結構見た目で判断するみたいだけど…

そんなんじゃ、足元掬われるよ？今の君みたいに。

しょうがないか。今まで君が狩ってきたのは、ガタイがいいだけの、三流ばっかだもんね。

アタシみたいな小柄で華奢な女を相手にしたのは初めてでしょ？

ふふ…そのスカした態度、いつまで続けられるかな？

ボスに引き渡す前に…アンタの血をいただこうか。

匂いはまぁ普通だけど…空腹満たすにはちょうどいいでしょ。

あ、そうそう。吸血鬼に吸血された人間は、同じく吸血鬼になるっていう噂だけど…半分嘘で、半分本当。

要するに、吸血鬼になる適性があるかどうかって話。

なかったら？血、吸い尽くされて死ぬだけ。

さー、アンタはどっちかなぁ？

ミイラのように干からびて死ぬか、アタシらの仲間になるか…

アタシとしては後者が望ましいかな。

アンタ、そこそこ戦闘力あるし、駒としてはちょうどいい。

んじゃ、実験開始といこっか。

運命の女神様は果たして君に微笑んでくれるかな…？ふふふ♪

(吸血)





よっ。お疲れさん。今日も精が出るね。

どう？楽しい？元同族を狩るの…

あはっ♪ そっかぁ…スカした態度は相変わらずだね。

でもその調子。ボスの覚えもめでたいからさ、このままアタシの部下として頑張りなよ。

ん？あぁ、こいつらの血？要らない。匂いからして臭いし。

あー、まあね。お腹は空いてる。

つーことで、君の血、もらっていい？

えー、なんでー？いいじゃん、別にー。

同族から吸っちゃいけないって決まりは無いんだからなー。

それに仮にもアタシ、君の上司なんだからさぁ…

上司命令には従えよ…なっ？

いや、なんでって…そういや、なんでだろ？

君、吸血鬼になってからの方が一段と血が美味しくなったような気がすんだよね。

アタシに吸われてから、体質が変わったのかも。

まー、そんなことはいいからさ…早く吸わせろよ。早く。

はっ…最初から素直に言うこと聞いてりゃいいの。ほら、服脱いで。

君を一番美味しくいただけるのは、アタシだけなんだからさ…

餌としての役割もしっかり果たせよ。

君が望むなら…眷属にしてやってもいいけど？

はははっ！つれないなぁ。もっとドキドキしてくれてもいいのに。

そーだなぁ…お気に入りの味の人間が見つからなかったら、君を眷属にするか。

それが嫌ならさっさと、アタシ好みの血を持った人間を連れてくることだね。

ま、連れてこられたとしても、そいつが死んじゃったら結局君が眷属になるしかないんだけど。あははっ！

そのスカしたツラ、初めてシたあの夜みたいにトロトロに溶かしてやるよ…元人間君♪ ふふふ♪

・台本（ゆるボイ！）
吸血鬼の女幹部に負けて、彼女のお気に入りの部下となった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎