0
ツンツンしたお嬢様の内面に思い切って斬り込んでみた
written by 松平蒼太郎
  • 看病
  • お嬢様
  • 学生
  • ツンデレ
  • 少女
  • 年下
  • 高飛車
  • わからせ
  • 励まし
公開日2022年05月16日 21:26 更新日2022年05月16日 21:26
文字数
1895文字(約 6分19秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
お嬢様
視聴者役柄
使用人(新米執事)
場所
お嬢様宅
あらすじ
貴方は新米の使用人として、とある名家のお嬢様に仕えていた。
そんなある日、お嬢様が風邪をひいて寝込んでしまった。
弱ったお嬢様に対し、貴方がとった行動とは…?
本編
新人くん。どう?うちの仕事にも慣れてきた?

そう。せっかくだし、何か頼もうかしら。

そうね…今、ちょうど紅茶が飲みたい気分だから、紅茶を淹れてきてちょうだい。

えぇ。とびっきり美味しいものを…と言いたいところだけど、流石に新人くんにそれを言うのは酷ね。

とりあえず飲める物を持ってきなさい。茶菓子も忘れずにね。





ありがとう。早速いただくわね…

(紅茶を飲む)

ふん…まあまあね。少しは腕を上げたんじゃない?

あら、謙虚なのね。そういうところは嫌いじゃないわ。

ん?なあに?聞きたいことって?

あぁ…貴方を雇った理由ね。

わたしが使えると思ったからよ。それ以外に理由が必要?

そんなの直感よ。わたしの勘は当たるもの。

それに貴方もちょうど求職中だったでしょう?だったらいいじゃない。

そうだ…この際だし、わたしに不満があるなら何でも言ってみなさい。聞き入れるかどうかは、内容によるけど。

へぇ、あるの?言ってみなさい。

…それは貴方に指図されることじゃないわ。

わたしがどれだけ忙しくしてようが、わたしの勝手でしょう?

それに休むべき時にはちゃんと休んでるわよ。

自分の体調管理くらい、自分でできるわ。

ま、でも主人の心配をするのは、使用人としてはいい心がけよ。

これからもその調子で精進しなさい。

カップとお皿、もう下げていいわよ。

えぇ、午後は予定が詰まってるからもう行くわね。

なに?………まったく、新人風情が大口叩いちゃって。

(デコピン)

貴方、新人のくせに生意気よ。

わたしの助けになりたかったら、一つでも仕事を多く覚えなさい。

貴方の代わりくらい、探せばいくらでもいるんだってことを忘れないようにね。

今度こそ行くから。それじゃあね。





(咳)

あぁ、もう…寝込んでる場合じゃないってのに…!

なんで風邪なんか引いちゃったのよ、わたし…

ホント、嫌になっちゃう…早く治さないと…

(ノック)

どうぞ……なんだ、新人くんか。他の人は?

あっそう…貴方以外、所用で出かけてるのね。なら仕方ないわ…

(咳)

平気よ、これくらい…大袈裟に騒がないで。

大したことないわよ、こんなの。すぐに治るわ。

え?あぁ、お水ね。ありがたくいただくわ。

(水を飲む)

ありがとう。もう下がっていいわよ。

…なに?下がっていいって言ったでしょ?

は?そんなこと貴方には関係ないでしょ?いいから下がりなさい。これは命令よ。

(退室させる)

…ったく、あのお人好しが…

分かったふうな口聞くんじゃないわよ…バカ…





んっ…あれ…もうこんな時間…

ずいぶん長く寝てたのね…時間、無駄にしちゃったな…

(ため息)

お父様もお母様も…まだ帰ってきてないんだ…

きっとわたしなんかより、お姉様の方が大事なんだ…どうせわたしなんか…

(ノック)

あ、い、いいわよ…入りなさい。

(ドアが開く)

やっぱり貴方だったのね…知ってたけど。

な、泣いてないわよ!いきなり何言ってんの⁉︎

な、何よ…かしこまっちゃって…

……ッッッ!何よ…何よ何よ!

分かったふうな口聞かないでって言ったでしょ⁉︎

なんでこのわたしが…使用人ごときに叱られなくちゃいけないのよ!

そんなこと…最初からわかってんのよっ!

風邪ひいて一人ベッドで寝込んで…寂しくないわけないじゃないっ!

お父様もお母様も…お姉様ばっかり構って!

わたしのことなんて、何一つ見てくれないんだ!

勉強だって習い事だって、毎日いっぱい頑張ってるのにっ!

頑張ってたらいつかは、わたしのこと褒めてくれるって信じてたのに…!

風邪ひいて寂しくても、そばに居てくれないなんて…!

わたし、要らない子なんだ…

この家に居ちゃいけないんだ…

(抱きしめられる)

ちょ…!何を…!

……寂しいわよ。寂しくて寂しくて、たまらない…!

そうよ…!わたしのことちゃんと見て、理解してくれる人が欲しかったわよ…!

せめて辛い時くらい、誰でもいいからそばにいて欲しかった…

…なに?貴方があたしの理解者になってくれるの…?

バカ…あんだけ大口叩いたくせに、今さら怖気付くんじゃないわよ。

たしかに貴方じゃ、お父様やお母様の代わりにはなれない。でもね…

(抱きしめ返す)

貴方には貴方にしかできないことがあるの。

えぇ。使用人としては半人前だけど…

一人の人間としては合格点、あげてもいいわ。

わたしの気持ちを見事に言い当てたんだから。

普段からちゃんとわたしのこと、見てくれてたってことよね。

ここに来て一番日が浅い貴方が、一番先にわたしのことを理解するなんて…完璧に予想外だったわ。

だから…そんな貴方にしかできない命令を下すわ。




ほ、他の誰かが帰ってくるまで、わたしの手を握ってなさい…!




わたしがいいって言ってんのよ。ていうかこれ、命令だから。早くしなさい。

(手を握られる)

ん……ありがとう。貴方みたいな人になら、わたし…

…な、何でもないわ。貴方は黙ってわたしの手を握ってればいいの。

えぇ…わたしがいいって言うまで絶対、わたしのそばを離れちゃダメだからね…?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
ツンツンしたお嬢様の内面に思い切って斬り込んでみた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
 pixivにてフリー台本を投稿しています。
 台本の創作は自由にやらせてもらっております。よろしくお願いします。
有償販売利用の条件
当サイトの利用規約に準ずる
利用実績(最大10件)
松平蒼太郎 の投稿台本(最大10件)