（ドアを叩く音があるといいです。）
ねぇー！いるんでしょ！
早くドアを開けなさい！
自分からドアを開けといた方が身のためよ！
いまからドアを壊すから！
いくわよー？！
あら？
もう……やっぱりいた。
あんたねぇ〜最初から自分で開けなさいよ。
それで？今日が返済日だけどお金はあるの？
あんたねぇ……
これっぽっちじゃ利子も返せないじゃない！
自分で借りたお金がいくらか分かってる？
五百万よ！五百万！
分かる？
あんたもしかして、返せる目処もないのに借りたの？
はぁ……バカねぇ。
あんたこのままじゃ体をバラバラにされて臓器を売られるか、マグロ漁船に乗せられるしかないわよ？
はぁ？あんたじゃ漁船に乗ってもすぐに死ぬわよ！
舐めてんじゃないわよ、漁は大変なのよ。
あんたみたいに華奢なもやしみたいなやつじゃマグロの餌にだってなりゃしないわよ！
もうあんた、体売るしかないわね。
嫌ぁ？
それならどうやってお金返すのよ！
そうだ、あんた私のものになりなさい。
……何よその顔。
私のものになってくれたら借金も返済したげるし、なんなら養ってあげるわよ。
どう？悪くないと思うんだけど。
というかもはやあなたに選択肢はないけどね。
それでも聞いてあげる、あなたはどうしたい？
ふふっいい子ね。
それじゃ、首を出して？
なんのためってそりゃあ首輪をつけるためよ。
あんたにつけるためにわざわざ持ってきてたのよ？
大変だったわ〜。
あんたをここまで追い込むの。
あんたん家の事業を失敗させたり、あんたの仕事を無くしたり。
それも全てあんたを私のものにするため。
でももう遅いわ。
あんたはもう私のものになるって言ったものねぇ？
それに無視して逃げたとしても、私はあんたを追い続ける。
あら？あなたの携帯鳴ってるわよ？
まあそれも私のものになったら捨てるんだけど。
……電話の相手、女の人じゃない。
あなたの彼女？
あなたが借金してるのは知ってたの？
そう、黙ってたなんて彼女さんも可哀想ね。
こんな男と付き合ってたなんて。
だって考えても見なさいよ。
あんたみたいに、特別顔もいいわけじゃないし学もなければお金もない、むしろ借金だってしてる男と付き合ってたんだものね。
あら？私は違うわよ？
あんたのことは飼ってあげるの。
誰が好き好んであんたなんかと付き合うのよ。
あんたみたいなろくでなしは私が管理してあげなきゃね。
でも安心して、あなたの彼女は借金してると知ったらきっといなくなるけど私は大丈夫よ。
私は絶対にあんたを裏切らないわ。
私だけはあんたのそばにいてあげる。
あんたを捨てて逃げた親よりも、あんたのことをよく知らない女よりも。
私はあなたを愛せる自信があるわ。
さぁ、首輪をつけなさい？

・台本（ゆるボイ！）
借金取りのお姉さんに飼われる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
リトルブリッジ