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水没した街で友達になった人魚の女の子は、俺の隣にいることをやめなくなった
written by 松平蒼太郎
  • からかい
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  • ファンタジー
  • 友情
  • 片思い
  • 人外 / モンスター
  • 人魚
  • ヤンデレ
  • 友達
公開日2022年06月13日 06:16 更新日2022年06月13日 06:16
文字数
2469文字(約 8分14秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
人魚
視聴者役柄
人間
場所
水没都市
あらすじ
水没都市ーー天界で神々が引き起こした最終戦争(ラグナロク)により、地上の殆どが水没してしまった世界に存在する都市。

人類の大半は滅び、一部の生き残っている人類は異種族の世話になっている者がほとんど。

しかし、そんな世界にもたった一人、自給自足で暮らしている男がいた。彼がいつもの休憩場所に行くと、そこで可愛らしい人魚の女の子が眠っていて…?
本編
ん〜!久しぶりにいい天気!お散歩日和だ!

さーて…どこまで泳ぎに行こうかな〜♪

(鼻歌)





疲れた〜。ちょっと休憩…よいしょっと。

(陸地に上がる)

はー…ホントにいい天気。ここでお昼寝しようかな〜…

(寝息)





ん……あれ?あたし、すっかり寝てたんだ…

もー、ちょっと寝るだけのつもりだったのに…時間もったいない…

へっ…?ひゃっ!ビックリした!なんで人間がここに⁉︎

あ、そうなんだ…ここ、君の休憩スポットでもあったのね…

あれ?でもわざわざそこのボートに乗って来たの?こんなところまで?

へぇ…たしかに。ここ、日当たりすごくいいからね。

あ……てことはあたしの寝顔、見た…?

見たんだ…忘れて!今すぐ忘れて!

じゃないと…この尾鰭(おひれ)で引っ叩くよ?

もー、なにその適当な返事…絶対忘れてないでしょ。

ん?あたし?見ての通り人魚だけど?なんで?

いやいや…今どき人間の方が珍しくない?

だって……つい最近、天界で最終戦争(ラグナロク)が起こって、地上がほぼ水没したじゃん。

こういう…なんていうの?ビル?の残骸みたいなものが水上に浮かんでるだけでさー、わびしい世界だよね。

うん…いい迷惑だと思う。ホントに。

神様同士の喧嘩のおかげで、あたしたちの住む世界がこんなに変わっちゃった。

まぁ人魚の活動範囲が増えたのは嬉しい限りだけど…人間と接する機会が減って、ちょっと寂しいな…

君の周りでも、人間なんてほとんどいないでしょ?

そっか……それでもこうして生きてるんだ。偉いね。

え?……ふふっ、いいよ。こうして出会えたのも何かの縁だし。友達になってあげる。よろしくね。

うん、また会お。連絡取る手段は無いけど、この辺に住んでるなら会えるだろうし。

それじゃああたし、もう行くから。バイバイ。





あ、やっほー。久しぶりー。元気してた?

ふーん…その様子だと大丈夫そうだね。よかった。

あ、そういえば前に聞きそびれたんだけど君、どこにどうやって住んでるの?

え……今どき自給自足の生活してるんだ…たくましいね。

だって…生き残ってる人間って大抵、他の種族のお世話になってるって聞いてるよ?

あたしの知り合いにも、人間養ってる子いるし。

ふーん…そっか。家族がいなくなってから、ひとりぼっちなんだ。

あ、ごめん。ひとりぼっちじゃなかった。あたしがいるもんね。

は?何言ってるの?前に友達になろって言ったじゃん。もう忘れた?

ほら、向こうばっか向いてないで、こっち見なさい。

(顔を手で自分の方に向けさせる)

どう?ちゃんとあたしの顔、覚えた?

は?…〜〜ッッ!ちょ、それは忘れろって言ったでしょー!

寝顔だけ覚えてるとか……もー!バカ!

ふん…何?口先だけの謝罪なんて認めませんけど?

え?……わぁ、綺麗なネックレス。これ、どうしたの?

自分で作ったんだ。器用だね。

貝殻とかその辺で拾ったやつを適当に、ね……なるほど。

うん…ありがと。大事にする。

バーカ、何言ってんの?

友達からもらった物だよ?大事にするに決まってんじゃん。

ちょっと首にかけてみよ……どう?似合う?

馬子にも衣装……バカにしてるよね?もしかしなくても…

(ため息)

なんでそーいうデリカシーのないこと言うかなー…控えめに言ってモテないよ?

あ……ごめん。モテるモテないどころじゃなかったね、君の場合…

うん…分かった。気にしないようにはする。するけど…あたしも発言には気をつける。

だって…街が水没してからはずっと一人なんでしょ?

それなのに、周りに人がいる前提で話しちゃって…だからごめん。

…ありがと。優しいね、君は。そんなふうに言ってくれるなんて。

大丈夫だよ…これからはあたしがそばにいる。友達として。

もう…そこは素直にありがとう、でしょ?

一人で大丈夫なんて強がらないでさ……

ホントに一人で大丈夫だったら…こっちが寂しいじゃん。友達なのに。

ん、分かればよろしい。ちゃんと友達は大事にするよーに。あたしのことだけど。

あはは…たしかに。まだ会って二回目なのにね。なんか不思議。

そろそろ行く?わかった。気をつけてね。





あーあ…このあいだは軽はずみなこと言っちゃったなぁ…

今も一人なんだよね、あの人…

今度、新鮮な海の幸でも持っていってあげようかな…

…って噂をすれば。あんなところ…に…?

えっ…は?な、なんで……意味わかんないんだけど…

…っ、あたし、あんなの聞いてない…!

嘘つき…嘘つき嘘つき!

友達はあたしだけだって、言ってたくせに…!






やっほ。またまた久しぶり。元気してた?

ふふっ、そっか。たしかに心なしか、前より顔色いいね。

うん、なんとなくだけどね。何かいいことあった?

ふーん…本当に?本当に何もなかった?

……可愛い彼女ができたとか、さ?

ふふっ、なあに?その反応…やっぱりできた?可愛い彼女…それもあたしと同族の。

ねぇ…前に言ってなかったっけ?いつも孤独で、友達はあたしくらいしかいないって…

なのに、いつのまにその辺の女を手篭めにしてたのかなぁ?あたしにも分かるように教えて?

そっか……嘘つき。たまたま知り合ってちょっと話しただけなんて嘘。ちゃんと裏は取れてるんだから。

そうだよ…直接あの子から聞いた。

そしたらあの子、嬉しそうに人間の彼氏ができたー!って無邪気に喜んでた。

どんな人か聞いたら、まんま君の特徴が出てきたからこれは当たりだなって…

あたしさ、君と会ってない時でもずーっと君のこと考えてたんだよ?

一人で寂しい思いをしてるだろうなって…だから早く会ってあげなくちゃって…

それなのに君ときたら…あたし以外の女で寂しさを埋めようとした。

何も違わない。あたしは間違ってない。間違ってるのは君。

こんなに君のことを思ってる女の子を差し置いて、別の女と逢引?ありえないでしょ、そんなこと。

だから…分からせるんだ。君にとってのパートナーはあたししかいないって。

(キス)

友達で足りないなら、恋人でもいいよ?

むしろあたしはそっちの方が嬉しいな。

あ、今分かったけど、あの女ともキスしてるね。

うん、匂いで。抱き合ってたみたいだし、当然か。

それ、あたしで上書きしてあげるね…

(キス)

どう?足りないならもっとシたげるよ?

大丈夫…あの子はもう君のところには来ないから。

うん、だってあたしが別の男紹介したから。

今ごろよそでイチャイチャしてるんじゃないかな?

また一人になっちゃったね。寂しいね。

あたしが隣にいてあげるよ…ずっと隣に、ね?ふふふっ♪
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
水没した街で友達になった人魚の女の子は、俺の隣にいることをやめなくなった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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