ファッションが地雷系の女とデートをしていた男(金髪刈り上げ)は、女が「友達」と電話をしている内容を聞いて、絶句してしまう…

んまーっ！このクレープ、超うま！

あ、ねぇねぇ！君のも味見させてよ！

(咀嚼)

ん〜！こっちもおいし〜！あそこのクレープ屋、大当たりじゃん！SSR的な⁉︎

あ、そうだ。あたしのもあげる。ほら、アーン。

あはは！遠慮しなくていいじゃん！あたしら、恋人なんだからさ！

…どう？こっちも美味いでしょ？

あはは。喜んでもらえてよかった♪

ん？あ、ありがと。ゴミ捨ててくれんの？じゃあよろしく。





えーっと、この辺に有名な老舗の和菓子屋が…

へ？なに？どうかした？

うん、まだ食べるけど？それが何？

えー、そう？まだ腹四分目くらいじゃん。余裕でしょ。

ふーん…キツいならちょっとそこで休憩しよっか。





あー…君とこんなにまったりデートしたの久しぶり〜。

…ストーカーにもあたしら、カップルっぽく見られてるかな？

あはは…しっかりしろって、男の子。

殺意なんてテキトーに受け流しときゃいいんだって。

今の君は金髪刈り上げの、ちょっとイカつい系男子だから。そんなびくついてたら、威厳台無しだよ？

あはは、まーね。あたしの地雷系ファッションに合わせてもらって、ありがとね。

あ、友達から電話……ごめん、ちょっと席外すね。





〜以下、ストーカーとの会話〜

もしもーし…そこで見てるんでしょ？ストーカーちゃん？

あはは…こっわ。地獄から這い出てきたみたいな声してんじゃん。ヤバw

へぇ〜…できんの？アンタにあたしを殺すことがさ…

ねぇ、やれるもんならやってみてよ。

そしたらアンタがもっと酷い目に遭うかもね〜…ふふふ♪

そう…下手なことしたらアンタ、親から実家に連れ戻されるからね。

あたしがちょろっと親御さんに口聞いたら、アンタなんて実家に強制送還だから。

そ。良好な関係築いてるから。あの人たちとは。

向こうはあたしをアンタの良き理解者として見てくれてるし。

そ。アンタの監視役も兼ねてるってこと。分かってんじゃん。

そういやアンタ、実家には死んでも戻りたくないんだっけ？

あそこ、見るからにガッチガチのお家だもんねー。

やっとの思いで出てこれたのに、あたしが一言口聞いただけで、お先真っ暗。かわいそ〜w

あはっ♪ 残念だけど、彼はもうあたしのモノ。

遠目から見ててどうだった？お似合いのラブラブカップルでしょ？

彼も満更じゃなさそうだしさー…アンタと付き合ってた頃と違って。

(ため息)

アンタさー…自分がフラれた理由、ホントにわかってる？

アンタ、正直重すぎ。あんなに彼縛り付けてどーすんの？

そりゃ束縛監禁されそうになったら、逃げるに決まってるでしょ。そんなん常識じゃん。

つーことで…不甲斐ない元親友に代わって、あたしが彼を幸せにしてあげようっつってんの。むしろ感謝してもらわないと。

あれ？そうだっけ？あたし、アンタにそんなアドバイスしたっけなぁ？

ね…いい加減、ストーカーやめないとあたしの方が実力行使に出るよ？

ま、あたしはアンタがどうなろうが知ったこっちゃないけど。

さてと…あたしこの後まだデートあるんで。そんじゃねー。





〜以下、再び主人公との会話〜

お待たせー。ごめんごめん。ちょっと話し込んじゃった。

んー？どした？そんな気まずそうな顔して？

……聞いちゃった？さっきの電話…

ちょっと顔借りるねー……ンッ…

(キス)

今のキスの意味、分かる？

そう。口封じって意味。

余計な詮索はしない方が身のためだよ…

分かってると思うけど、あのストーカーちゃんはあたしの元親友で、君の元カノ。

あたし、あの子に沢山アドバイスしたんだよねー。

重い愛をぶつけまくって、ドMな彼を束縛しちゃおうって。

でも実際の君はドMなんかじゃない。それをあの子は真に受けて実行した。

滑稽だったなー…あの子があたしのアドバイスに素直に従って、君を束縛する様は。

なんでって…あたしが君を手に入れるためだよ。

好きになったのは同時期なのにさー…ちゃっかりあの子が先に告白してそれを君が受け入れちゃって…

たしかに恋愛は早い者勝ちだけど…納得いかないよねー、そんなの。

あたしからしたら、いきなり出し抜かれたって感じだし。

寝取ってあげてもよかったけど…あの子を追い落としてから、改めて君と付き合う方が健全かなって。

ストーカーになるのは予想外だったけどね…あはは。

なに？あたしとも別れたくなった？

ダメだよ…そんなの許さない。君はあたしの告白を受け入れたんだから。

あたしのこと好きって言ってくれた。ちゃんと録音もしてあるし。

それにさぁ…誰のおかげで、ストーカーからの直接的な被害に遭わずに済んでると思ってるの？

そう。あたしがあの子を抑え込んでるから、君は普通の生活が送れてるってわけ。

ここまで説明したらわかるよね？

君に別れるなんて選択肢はあり得ないの。

君はあたしとずっとお似合いのカップルでいなきゃいけないんだから…

ストーカーちゃんが可哀想とか、この状況から逃げ出したいとか、余計なことは一切考えないでね？

「お前のこと愛してる」って言ったんだから…それを実行してもらわないと。

さっ、休憩はここまで！デートの続き行こ！

ずっと一緒にいようね…彼氏くん♪ ふふふっ♪

・台本（ゆるボイ！）
ファッションが地雷系の女は、俺のストーカーを生み出した元凶だった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎