とある休日、自室で推しのVライバーのASMR動画を聴いて寝ていたら、突然幼馴染が部屋に押しかけてきて…？

(ノック)

おーい？いるー？

返事ない…寝てんのかな？

勝手に入るよー。お邪魔しまーす…

…って、ホントに寝てるし。せっかく遊びに来てあげたってのに…

…ん？イヤホン挿しながら寝てる。何聞いてんだろ…

あ〜…なるほど、ASMRね。これで寝落ちしてたわけだ…おりゃっ！

(蹴飛ばす)

おはよ。目覚めの気分はどう？

あっそ。自業自得でしょ、そんなの。

可愛い幼馴染放っておいて、別の女見てたんだから。

ノーカン？画面越しだから？

へ〜…ま、何でもいいけど。それより暇だからさ、暇つぶしに付き合ってよ。

友達〜？みんな今日は予定あるってー。だからとりあえず君で……じゃなくて君と遊ぼうと思って。

もー、細かいことはいいからさ。ほら、なんかないの？暇つぶしの道具とか。

は？それ、本気で言ってる？

何が悲しくて、君の推し談義に付き合わなくちゃいけないの？もうちょっとマシな冗談言えないわけ？

いや、興味ないし。てか、リアル幼馴染放っておいて、画面内の女にうつつ抜かすとか、普通にあり得ないんだけど。どう考えても、優先順位逆でしょ。

(ため息)

とりあえず耳かき棒ある？耳掃除してあげるから。

え？してほしいから聴いてたんでしょ？ASMR。

…ムカつく。リアルの耳かきは痛そうとかだらしないこと吐かすな。

とりあえず綿棒借りるね……あと、はい。膝枕。これもセットなんでしょ？

うるさい、贅沢言うな。あたし以外に女友達いないくせに。

(膝に寝転がられる)

その態勢でオッケー？そんじゃ、始めるね…

(綿棒耳かき)

どう？悪くないでしょ？リアルで耳掃除されんのも…

は？君のくせに贅沢。女の子からの囁きが欲しいとか、何様？



〜以下、囁き声で(※適当なタイミングで普通の声量に切り替えてもらって構いません)〜

ま、今日くらいはそのアホなわがままにも付き合ってあげる。暇つぶしにね。

ん？別に何もないよ。今日は気分が乗ったから、こうしてるだけ。

何疑ってんの？裏なんてあるわけないでしょ。君に見返り要求しても大したもん返ってこないだろーし。

…ホント鈍感。マジで何も気付いてないんだ…

何でもない。君にそういうことは期待してないから。

…ねぇ。君の言う推しって、どれくらい大事？

ふーん…そうなんだ。食事や睡眠より大事って、相当じゃん。ガチ恋勢ってやつ？

あっそ…その辺は線引きしてるんだ。ていうか、配信者を神格化しすぎのような気もするけど…

あたし？いないけど。別にVライバーとかそんな興味ないし。

うん、ホントに。そりゃそういう良さがあるのは分かるけどさ、君とのリアルな時間の方が大事だし。

当たり前でしょ。それ以外で大事なことなんて無いし。

…あー、手ェ疲れた。こっちの耳、もう終わりでいい？

オッケー。じゃあ仕上げに…

(耳ふー)

え？耳に息吹きかけんのは鉄板じゃないの？

ふふっ…なんだ、可愛いとこあんじゃん。今の、ちょっと面白かった。

それじゃ、反対向いて。ほら、ゴロンして。

(寝転がられる)

え？なに、今さらあたしの良さに気付いたの？おっそ。

画面ばっか見てるから、そんな簡単なことも分かんなくなるんだって。

はいはい…とにかくじっとしてて。耳、掃除するから。

(綿棒耳かき)

ん？何が？あたしは別にいつも通りだけど？

いや、口説いてるっていうか…思ってること言ってるだけ。君にはほとんど伝わってないみたいだけど。

…そうだって言ったら？あたしの気持ち、受け取ってくれんの？

狼狽すぎ。てか、動くな。やりづらいでしょうが。

うん、好き。君と付き合いたいって思ってる。

いいの、別に。君がVオタクでもなんでも。

そりゃヤキモチくらいは焼くけどさ…でもあたし、君の幼馴染だし。

リアルで直接触れられるし、画面越しの女に負けるわけないじゃん。

耳かきくらい、いつでもしてあげるからさ…もっとあたしを見ろっての。あたしも君のこと、ちゃんと見るから。

ん、分かればよろしい。察しの悪い君にしては上出来。

はぁ？君の分際で、あたしからご褒美ねだるとか生意気。でも今は特別。

(耳ふー、耳キス)

顔真っ赤…トマトかよって。ふふふっ…

唇に直接されたかったら…今度は君の方から告白して？

・台本（ゆるボイ！）
幼馴染の女の子が推しのVライバーに嫉妬して、耳掃除してきた
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎