とある秘密組織に所属している聞き手。その相棒である語り手。とある犯罪組織を破壊し、運良く無事に隠れ家についた2人。脳筋気質な語り手が活躍するあまり自信が持てなくなっている聞き手を励ますために語り手は耳かきを思いつく。

(本人によるpixivからの転載)
pixiv版 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17907881

(聞き手も語り手も疲労困憊の様子で)

ふぅ〜、今回もここに帰ってこれた……

(少し誇らしげに)

やっぱあんたとあたし、そこら辺の運は謎に恵まれてるんだよな〜

(何故元気なのか尋ねられて)

え？なんでこんなに元気かって？
そりゃ2人とも無事に任務を完了させて、あの巨大犯罪組織の破壊に成功したからだよ！これを喜ばずにどうしろって言うんだよ！

(すごく怖かったと、本音を堰を切ったようにぶちまけられ)

すごく怖かった……？
男の子がなにそんな弱気なこと言ってんだよ！なよなよしてないでもっと自分に自信持てよ！

(自分に自信を持てないと、弱々しく言われ)

ほとんど君の手柄であって僕の手柄じゃない……？
この任務はあんたとあたしの2人の手柄だろ？このコンビじゃなきゃ何も出来なかったし、今頃ここで喋ってねぇっての。

(やはり自信が持てずに気を落としてる聞き手に呆れた様子で)

はぁ……ほんっとにバカだな！
あたし考えるの苦手だからすぐ突っ込んじゃって、それで状況やばくなって、そういう時はいつも助けてくれるじゃないか！
だから今回のような危険な任務でも無事に帰ってこれるんじゃないか。

(逆に語り手が誇らしげに語るように)

あんたはこの秘密組織の中でもすごいやつなんだぞ？でも驕らず、気取らず、自惚れず、ただ淡々と任務を遂行して、ついでにあたしを助けてくれるぐらい、すごい優しいし。
これ以上完璧な人間がいるわけないっての。だからさ、少しは誇ってもいいんじゃないか？

(それでもしゅんとした様子の聞き手に困って)

なんだよ、まだ萎れたまんまなのかよ……
あたしの気力まで吸い取られちまいそうだよ……
ったく、どうしたもんかなぁ……

(思いついた語り手、何かを取り出そうとそこら辺をごそごそし始める)

そうだ、いいこと思いついちゃったぞ！ちょっと待ってろ。この前のブリーフィングの時に分析官の女から面白いもんを貰ってな……どれどれ……

(見つけた)

お、あったあった。これだよこれ！

(誇らしげに掲げる)

じゃじゃーん！なんかこのほっそい棒を耳んなかに突っ込んで、ほじくり回して耳垢を取るっていう道具らしい。耳かき棒って言うそうだ。
ほら、ここがスプーンみたいに曲がってるだろ？ここでこびり付いた耳垢を掻きとって、最後にここのふわふわしたやつを耳に突っ込んで細かいのを絡めとっていくそうだ。
このふわふわがめっちゃ気持ちよくってなぁ……

(また何かを思いついて)

また思いついたぞ！ったく、今のあたしは冴えてるな〜。
あんたの耳、あたしが膝枕して掃除してやるよ！
分析官に膝枕すると、男の人はみんなイチコロだって言われたからな！これであんたを……って、何言ってんだあたしは！
ただ疲れてるあんたを耳かき棒を使って癒してあげようとしてるだけだからな！勘違いするなよ！

(床に正座して、膝に頭を乗せるように促す)

こほん、それじゃここに膝を乗せてくれ。

(右耳に囁くように)

それじゃ、最初は右耳からだな。あたし、人にするのは初めてだから、やらかしたらごめんな？それじゃ入れていくぞ……

(ここから耳かき本番)

うーわ、きったねぇ……耳ん中ってこんな感じなのかよ。そう考えると……いや、やめておこう。あたしの耳の中を想像して欲しくない……

(右耳耳かき中に囁いて欲しい台詞)

ど、どうだ……？痛くないか？
そうかそうか、気持ちいいか、それなら何よりだ。
今、ちょっと強めにガリってやっちまったような感触がしてな……な、何よりだよ……


あんたって、案外かっこいい顔してるよな……？実はモテたりしてるんじゃないのか？
え？モテてない？なんでだよ？
話しかける人も話しかけてくれる人もいないから……？
なんて言うか……仕事人間って言うのかな？ははは……


あんたは、あたしが組織に入る前からいたそうけど、その時は誰と組んでいたんだ？
……1人？普通誰かと組むもんだろ？
……別に1人でも任務遂行できたって、完璧人間にも限度があるだろ……？


(右耳の耳かきは終了、次は梵天)

よし、次はこのふわふわを入れていくぞ。

(梵天中に囁くように)

ふわふわ〜……ふわふわ〜……
へへっ、囁かれるとこそばゆいか？
なんでって、腰がひくひく言ってんぞ？
隠しても無駄だぞ？ほれ、ふわふわ〜


(右耳梵天終了、右耳に耳ふー)

こんなもんかな、よし、パッと見キレイだから大丈夫そうだな。それじゃ……

ふーー。

びっくりさせちゃったか？ごめんごめん。これで細かいやつを吹き飛ばそうと思ってな。頭良いだろ？
もう1回やってほしいって？もう、あんたは欲しがりさんだな。

ふーー。

こんなもんでいいだろ。次に左耳をやるから、左耳向けてくれ。

(頭がこっちに向くように左耳に囁く)

なんか、こっち向かれると恥ずかしいな……
き、気にしてなんかねぇし！別に見とれてなんかねぇし！
そ、そんじゃ、左耳やるからな！

(左耳耳かき開始)

こっちもこっちで汚いな。あたしが全部取ってやるから、あんたはそのまんま癒されてくれ。


(左耳耳かき中に囁いて欲しい台詞)

そういえば……か、彼女とかって……いたりするのか？
いない……？そ、そうなのか……
なんでそんなこと聞くのかって？そ、そりゃ……
やっぱりなんでもない！聞かなかったことにしてくれ！


あたしに彼氏……？いないいない。あたし彼氏作ったことすらないよ。驚いた？
好きな人？あ、あぁ……なんというか……いる分にはいるっていうか……尊敬の対象というか……でもかっこよくて……
って、なんてこと喋ってるんだあたし！今のはその……あれだから！そう！昔の話だから！


ね、寝てる……？おーい……
起きてるって、そんな声で言われても、起きてるうちに入らないぞ？
あんたのふにゃふにゃした声、あたし初めて聞いた気がする。かわいい〜
かわいいって言うなって言われても、その蕩けてる声で言われてもなんの説得力もないぞ？


(左耳耳かき終了、次は梵天)

よし、次はお待ちかねのふわふわでふわふわにしてやるからな〜、覚悟してろよ〜。

(梵天中に囁くように)

ふわふわふわふわ〜。へへっ、こっちもいい反応すんじゃん、腰がひくひく笑ってんぞ〜。
ふわふわ〜ふわふわ〜。

(梵天終了、左耳耳ふー)

よし、もう取れる耳垢もなさそうだし、パッと見た感じキレイに見えるしいいだろう。
それじゃ……

ふーー。

あんた、実は左耳の方が弱かったりしないか？腰のひくつき方がこっちの方が激しいぞ？
それなら……

ふっふっふーー。

効いてる効いてる。耳もぴくぴくしてんぞ？どんだけ弱いんだよあんたは。

(耳かきパート終了、両耳に聞こえるように)

さて、両耳全部終わったぞ。
あたしの耳かき、どうだった？
すごい癒された……？と、当然だろ！あんたを癒すための耳かきだったんだからな！

(今度は君にもしてあげたい、と言われ、嬉しい感情が爆発したかのように)

今度は君にもしてあげたい……って、あ、あたしに？う、嘘でしょ！？えぇ！？うん！約束だからな！絶対に、絶対にだからな！あたし記憶力いい方だからな！忘れないからな！

(恥ずかしそうに、小声でどちらかの耳に囁きながら)

……そんな優しい君が大好きだぞっ！ちゅっ

(耳に触れるだけのキスをしてフィニッシュ)

・台本（ゆるボイ！）
【フリー台本/男性向け/全年齢】組織を破壊した後のツンデレ女相棒からの癒しの耳かき
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
Artaud