疲れて帰ってきた夜に、
寂しがり屋の彼女がただただ好きっていうだけ

【】：状況
（）：声色 or SE

【読み手が上になって、聴き手を抱きしめている】

好き
んん……。大好き。

急にどうしたのー、って？
言いたくなったんだよ。

たまにあるんだよ、突然胸の奥底が、キュー！　って縮むような感覚。
落ちるような感覚かなー。まぁいいや、そんなことは。
で、その時になにか足りないのかなー、って思うんだ。
その『なにか』っていうのはー……。

好き

って愛情。
いつも思ってるし、口にもしてるんだけど、無性に愛情を伝えたくなる時があるの。
だーかーら。今日はずっと聞いてくれない？　わたしの、好き。

すぅー……。はぁ……。
あなたの匂いが好き。選んでるシャンプーも、ボディソープの香りも。
香水の匂いだって、体臭だって。
あなたから出る、いろんな匂いが好き。

んん……。
あなたの身体が好き。男の人のガッシリとした骨格も、乾燥した肌も。
ちょっと油が出てても、わたしは許しちゃう。
あなたの身体を、ぎゅーって抱きしめて、あなたをいっぱい感じちゃう。

ふあぁ……。
あなたの優しさが好き。わたしがこうやって抱きしめても、スリスリしても。
あなたは全部ぜーんぶ許しちゃうんだもん。
わたしが甘えても、ぜんぶ受け止めてくれる。そんな優しさが、好き。

好き。好き。好き。
大好き。愛してる。
いっぱい好き。ずっと抱きしめてたい。

あなたがよそのところに行っちゃうのはイヤ。
だけど仕方ないもん、人には付き合いがあるから。
わたしにもあるから。

でもこうやって交わってる時だけは、あなたはわたしのもの。
わたしが独り占めできるんだー。好きって。大好きってめいっぱい言える。
好き。あぁ、好きぃ……。

このまま時間が止まっちゃえばいいのに。
そうしたらあなたと、ずっと一緒に居られる。
嫉妬深いのかなー。でも、だとしたらそれだけ、好きってことなんだよね。

顔をうずめて、匂いを嗅いで、ちょっと舐めたりしちゃったり。
好き。大好き。好きぃ……。

ねぇねぇ。一回だけ息が切れるまで好きって言っていい？
ん、ありがと。

好き。好き好き好き好き好き好き好き好き好き好き……

すぅーーーーー……はぁ……。
言えたかなー？　空気を吸ったら、あなたの好き好き成分も混ざってきて、とっても幸せだったよ！

寝ちゃいそう？　うん、仕方ないよね。
だって疲れて帰ってきたもん。
わたしも、ふあぁ……。えへへ、あくび移っちゃった。

じゃあ、最後に……。
好き。だぁいすき、だよ！

おやすみなさい。明日も好きだよー

・台本（ゆるボイ！）
彼女がひたすら『好き』って言い続けるだけ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス