俺はなかなか本心を教えてくれない幼なじみが気になって、正直になる薬というのを買ってみた。
正直内容は眉唾ものだけど、遊び感覚で買ってみたものだから、効果がなくてもいい。
試しにお茶の中に入れてみたら、なんかメンヘラになったんだが……。

【】：状況
（）：声色 or SE

【聴き手の家でお茶を飲む読み手】
【聴き手が薬入りのお茶をごちそうする】

なんか、懐かしいね。
昔はいっつもキミの家に行ってたもん。
今は……。なんというか遠慮しがちだったから。

ほら、同じクラスで。隣の席の女の子と仲いいでしょ？
あの子かわいいよね。私もあぁいうアイドルみたいなかわいい女の子に憧れてたなぁ。
なんて。

今もかわいいだろ？　ってそんなことないよ。
今も昔も変わんないよー。

え、お茶飲め。って。今日のお茶、そんなに美味しいの？
変なの。いただきます。

【お茶を飲む読み手】

ん？　なんか、ちょっと変な味。
苦いっていうか。酸っぱいっていうか……。甘い？　んん～、よくわからない。
まぁでもクセになる味かも……。

【さらにお茶を飲む読み手】

んん～。なんか、頭がぽーっとしてきたような。
キミ、何か入れた～？　アルコールじゃなさそうだけど、なにこれ～。

【試しに質問。聴き手「俺のことどう思ってる？」】

キミのことぉ～？
もちろん好きだよ。だぁいすき……。

……ん？　別に嫌いとかじゃなくて大好きだよ～。
あれ？　なんか変なこと言ってるような……。
まるで私の考えていることとは全然違う……。

いやいや、好きだよ？
でもそれは幼なじみとしての好きであって、異性としてはとっても大好きだよ。

……キミ、やっぱり何か入れたでしょ～？
じゃなかったら……。キミのことを考える度に…………。
こんなに、胸が痛くならないもん……っ！

うぅ……。うぅうぅ……っ！
隣の席の子、かわいかったよね？
みなまで言わなくても分かってるもん。
あの子、胸おっきいし、その割にスタイルすごく細くて。手足とかすごくスラッとしてるし。
私なんかじゃ、これっぽっちもキミのことを魅了できないし。

【聴き手、誤魔化そうとして否定】

否定したってムダです。
消しゴム拾うフリして、ずーっと制服の下から覗こうとしてるし。
ダメなんだよ？　セーラー服なんだから、大きいとカーテンみたいにひらひら～って見えちゃうんだし。
私は、そんなことありませんけどー。

【聴き手「拗ねるな拗ねるな」】

拗ねてませんー！
全然。これっぽっちも！！
私の方がずっとそばにいるし、お母様とだって仲がいいし。
家に来てないとか嘘だし。実は休日はお母様に料理の勉強教わってますし。
でもキミには、なんか恥ずかしくなって、言えてなかったし。

……家にも来ない。隣の席の子にずっと嫉妬して、不満を溜め込む。
挙句の果てに、果てに……ぜーーーんぶキミに本音をこぼしてる。
こんな面倒くさい幼なじみになんか、絶対振り向いてくれないもん……。

【聴き手が褒める】

う、嬉しくなんて……ある。すごくある！！
さっきもかわいいって言われてすっごく嬉しかった！
でも露骨に喜ぶ女の子は嫌かなぁ。とか、愛想が悪い幼なじみは印象悪いかなぁ、とか。
ずっと。ずっっっと！！　そういう事考えて、て…………。

なんか、頭がスッキリしたっていうか……。
胸の奥もスーッと……。ハッ！
い、今の全部聞いてた？　全部？！

うぅ……。うぅうぅ……っ！！
逃げる！！

【読み手、逃走】

・台本（ゆるボイ！）
幼なじみの清楚っ子に正直になる薬を飲ませたらメンヘラになった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス