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公開日2022年09月16日 22:42
更新日2022年09月16日 22:42
文字数
2111文字(約 7分3秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
あなたは戦争帰りの血まみれの兵隊です。そんなあなたを村娘が見つけ、治療や看護をしてくれるお話です。耳かきのパートがあります。最後のセリフはなくてもいいかもしれませんし、なにかしら変えたほうがしっくりくるかもしれません。おまかせします。
本編
あの、そこの人!
夜遅くにこんな何もない村になにか御用…
って、血まみれじゃないですか!
大丈夫ですか!?
え?”ほとんどが返り血”?
そ、それでも大変じゃないですか!
どうか私の家で休んでいってください。
お風呂と寝床を用意いたしますので!
”怖くないのか”ですか?
いいえ、あなたは兵隊さんでしょう?
戦うことのできない私たちのために戦ってお国を守ってくださったんですから、
このくらい当然です。
さあ、中で少々お待ちください。
お風呂が沸きましたらお呼びしますので。
(風呂場にて外から話しかけられる)
兵隊さん?湯加減はいかがですか?
…そうですか。良かったです。
あの…一人で身体、洗えますか?
どこか傷が痛んだりするようでしたら、私がお手伝いしましょうか?
…そうですか。わかりました。
手拭いとお着替えはここに置いておくので、
何かお困りごとがありましたらいつでもお呼びくださいね。
それでは失礼いたします。
(少し経ち、襖が開く音)
あっ、お上がりになりましたか。
それでは傷の手当をさせてください。
つけ薬と包帯を用意しておきましたので、
その…よろしければ服を脱いでいただけますか?
見られたくない部分は隠していただいて構いませんので…
ありがとうございます。
それでは手当を始めますね。
うわぁ…改めてみるとすごい傷ですね。
ここも…ここも…こんなところまで…
あの、薬を塗りますが、かなり染みるかもしれません。
我慢ができないようでしたらおっしゃってください。
その場合は本当はあまりよくはないんですけど、包帯だけ巻きますので…
これでよしっと。大きい傷は大体終わりましたね。
きれいに傷口を洗ってくださっていたおかげで、思ったより早く治りそうです。
…その、かなり痛かったでしょう?
言ってくだされば私がお手伝いしましたのに…
それと、先ほど気づいたのですが、お耳の中で固まっている返り血が取れていないようです。
その、よろしければ、私に耳掃除をさせていただけませんか?
…よろしいのですか?わかりました。
それでは耳かき棒を持って参りますので、少々お待ちくださいね。
お待たせいたしました。
それでは頭を私の膝の上においていただけますか?
どうかお気になさらず。その方が私もお耳掃除がしやすいですから。
はい。それでは始めますね。
どうですか?痛くないですか?
もしよろしければ、もう少し強く掻いてもよろしいですか?
血がこびりついて、なかなか取れそうにないので。
ありがとうございます。強すぎたらおっしゃってくださいね?
あの、兵隊さんはどちらの出身なのですか?
…あぁ、それはまた遠いところですね。
その傷では旅は難しいでしょうし、傷が癒えるまでここに泊って行ってもいいですからね?
”どうしてそこまでしてくれるのか”ですか?
…私には兄が居まして、ちょうど兵隊さんと同じくらいの年なんです。
…そうです。兄も徴兵されて戦争に行っているんです。
兄もきっとお国のために、私のために戦ってくれているんです。
ですから私も、兵隊さんのためにできることがあればなんでもするんです。
きっと兵隊さんにも帰りを待っている大切な人がいらっしゃるはずですから。
ところで、戦地で兄を見かけたりなどはされませんでしたか?
…そうですよね。名前も特徴もわからないのに。
変なことを聞いてしまってすみません、お気になさらないでください。
あの、もう血はとれたんですけど、もう少しだけ続けてもよろしいですか?
ついでに奥の耳垢もとっておきたいので。
あっ、取れました。もうきれいになりましたね。
仕上げに梵天で軽く掃除いたしますね。
うふふ、梵天、気持ちがいいですか?
兄も、私が耳掃除をしてあげると、今の兵隊さんのようなお顔になっていました。
はい。これでこちら側のお耳は終わりです。
反対側のお耳も掃除いたしますので、こちらに向けていただけますか?
はい、それではお耳にいれますね?
こちらは、そんなに血がついていませんね。
これならすぐに終わりそうです。
兵隊さんもお疲れでしょうから、なるべく早めにしてしまいますね?
え?”気持ちがいいからゆっくりでいい”?
わ、わかりました。兵隊さんがそうおっしゃるなら…
私の髪飾りですか?
これは、戦争に行く前に兄がくれたんです。
同じ形の飾りを兄も首に下げていて、
いつも一緒にいるぞって言ってくれたんです。
これがどうかしたんですか?
”…気になっただけ”ですか…。
兵隊さん。もう嘘はつかなくてもいいですよ。
見かけたんですね。兄を。いえ、正しくはこの飾りを。
先ほど洗濯をしているときに兵隊さんの服の中に見つけました。
壊れていましたが、間違いなく兄がつけていたものでした。
兄に何かあったんでしょう?
いえ、恐らく兵隊さんは兄の死に際を看取ったのでしょう?
そして、兄はあなたにこの飾りと、妹の私のことを話した。
だから、あなたはこの村に立ち寄った。
違いますか?
やはり、そう、でしたか…
兄は…最期に何か言っていましたか?
”妹に無事に帰れなくてすまなかったと伝えてくれ”…ですか。
兵隊さん。お耳の掃除は、もう終わりにしてもよろしいですか?
少々、寒くなってきましたので、兵隊さんも、早くお休みになられた方がよろしいかと思います。
はい。それではおやすみなさいませ。
私は失礼させていただきます。
ばか。
夜遅くにこんな何もない村になにか御用…
って、血まみれじゃないですか!
大丈夫ですか!?
え?”ほとんどが返り血”?
そ、それでも大変じゃないですか!
どうか私の家で休んでいってください。
お風呂と寝床を用意いたしますので!
”怖くないのか”ですか?
いいえ、あなたは兵隊さんでしょう?
戦うことのできない私たちのために戦ってお国を守ってくださったんですから、
このくらい当然です。
さあ、中で少々お待ちください。
お風呂が沸きましたらお呼びしますので。
(風呂場にて外から話しかけられる)
兵隊さん?湯加減はいかがですか?
…そうですか。良かったです。
あの…一人で身体、洗えますか?
どこか傷が痛んだりするようでしたら、私がお手伝いしましょうか?
…そうですか。わかりました。
手拭いとお着替えはここに置いておくので、
何かお困りごとがありましたらいつでもお呼びくださいね。
それでは失礼いたします。
(少し経ち、襖が開く音)
あっ、お上がりになりましたか。
それでは傷の手当をさせてください。
つけ薬と包帯を用意しておきましたので、
その…よろしければ服を脱いでいただけますか?
見られたくない部分は隠していただいて構いませんので…
ありがとうございます。
それでは手当を始めますね。
うわぁ…改めてみるとすごい傷ですね。
ここも…ここも…こんなところまで…
あの、薬を塗りますが、かなり染みるかもしれません。
我慢ができないようでしたらおっしゃってください。
その場合は本当はあまりよくはないんですけど、包帯だけ巻きますので…
これでよしっと。大きい傷は大体終わりましたね。
きれいに傷口を洗ってくださっていたおかげで、思ったより早く治りそうです。
…その、かなり痛かったでしょう?
言ってくだされば私がお手伝いしましたのに…
それと、先ほど気づいたのですが、お耳の中で固まっている返り血が取れていないようです。
その、よろしければ、私に耳掃除をさせていただけませんか?
…よろしいのですか?わかりました。
それでは耳かき棒を持って参りますので、少々お待ちくださいね。
お待たせいたしました。
それでは頭を私の膝の上においていただけますか?
どうかお気になさらず。その方が私もお耳掃除がしやすいですから。
はい。それでは始めますね。
どうですか?痛くないですか?
もしよろしければ、もう少し強く掻いてもよろしいですか?
血がこびりついて、なかなか取れそうにないので。
ありがとうございます。強すぎたらおっしゃってくださいね?
あの、兵隊さんはどちらの出身なのですか?
…あぁ、それはまた遠いところですね。
その傷では旅は難しいでしょうし、傷が癒えるまでここに泊って行ってもいいですからね?
”どうしてそこまでしてくれるのか”ですか?
…私には兄が居まして、ちょうど兵隊さんと同じくらいの年なんです。
…そうです。兄も徴兵されて戦争に行っているんです。
兄もきっとお国のために、私のために戦ってくれているんです。
ですから私も、兵隊さんのためにできることがあればなんでもするんです。
きっと兵隊さんにも帰りを待っている大切な人がいらっしゃるはずですから。
ところで、戦地で兄を見かけたりなどはされませんでしたか?
…そうですよね。名前も特徴もわからないのに。
変なことを聞いてしまってすみません、お気になさらないでください。
あの、もう血はとれたんですけど、もう少しだけ続けてもよろしいですか?
ついでに奥の耳垢もとっておきたいので。
あっ、取れました。もうきれいになりましたね。
仕上げに梵天で軽く掃除いたしますね。
うふふ、梵天、気持ちがいいですか?
兄も、私が耳掃除をしてあげると、今の兵隊さんのようなお顔になっていました。
はい。これでこちら側のお耳は終わりです。
反対側のお耳も掃除いたしますので、こちらに向けていただけますか?
はい、それではお耳にいれますね?
こちらは、そんなに血がついていませんね。
これならすぐに終わりそうです。
兵隊さんもお疲れでしょうから、なるべく早めにしてしまいますね?
え?”気持ちがいいからゆっくりでいい”?
わ、わかりました。兵隊さんがそうおっしゃるなら…
私の髪飾りですか?
これは、戦争に行く前に兄がくれたんです。
同じ形の飾りを兄も首に下げていて、
いつも一緒にいるぞって言ってくれたんです。
これがどうかしたんですか?
”…気になっただけ”ですか…。
兵隊さん。もう嘘はつかなくてもいいですよ。
見かけたんですね。兄を。いえ、正しくはこの飾りを。
先ほど洗濯をしているときに兵隊さんの服の中に見つけました。
壊れていましたが、間違いなく兄がつけていたものでした。
兄に何かあったんでしょう?
いえ、恐らく兵隊さんは兄の死に際を看取ったのでしょう?
そして、兄はあなたにこの飾りと、妹の私のことを話した。
だから、あなたはこの村に立ち寄った。
違いますか?
やはり、そう、でしたか…
兄は…最期に何か言っていましたか?
”妹に無事に帰れなくてすまなかったと伝えてくれ”…ですか。
兵隊さん。お耳の掃除は、もう終わりにしてもよろしいですか?
少々、寒くなってきましたので、兵隊さんも、早くお休みになられた方がよろしいかと思います。
はい。それではおやすみなさいませ。
私は失礼させていただきます。
ばか。
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pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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