彼が余命一ヶ月と宣告され、苦しみ続けるくらいならと彼の首に手をかけ、自分も死のうとする彼女。そんな彼女を見つけた彼の親友であるあなたは彼との約束を守るために彼女を止めることに。

(ノックの音)
失礼します…

寝てる…。
やっぱり苦しそう…。
余命、あと一ヶ月…か。

もうどうやっても治らないのに死ぬまで苦しむなんて…
そんなのきっと、嫌…だよね。

誰も、いない…今なら…。

待ってて、今楽にしてあげるから。
ちょっとだけ我慢してね。
私も後で一緒に逝くから…。

(首を絞める)

ごめんね、ごめんね、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめ…きゃあ！？
(突き飛ばされる)

な、なに…？
き、君は…彼氏くんのお友達の…。

”自分が何をしようとしたのかわかっているのか”って…

き、君の方こそ何をしたかわかってるの！？
途中で止めちゃったから、彼氏くんの頑張りが無駄になっちゃったんだよ！？
せっかく、もうちょっとで楽にしてあげられたのに…

(ビンタされる)

な、なんで…君も彼のこと大事に思ってるんじゃないの！？
親友なんでしょ！？
彼がこれ以上苦しむのを黙って見ていられるの！？

(お互いしばらく沈黙)

私には無理だよ…
彼を殺して私も死ぬ。それが最善なの。

だから、少しの間だけ出ていてくれる？
君に迷惑はかけたくない。
君は何も見なかった、私が勝手にやったこと。
そういうことにしておいてよ。

ねえ、出て行ってよ…
お願いだから止めないで。
一刻も早く解放してあげたいの。

君だって彼に苦しんで欲しくないんでしょ！？
どうして出て行ってくれないの！？

遺言…？
彼が君にメッセージを…？



"もしも彼女が僕の後を追って命を絶とうとしたら絶対に止めてほしい"
”それが守れなかったら絶交してやる”…



…なんで…
ずっと一緒だって…言ってたじゃん…
絶対離れないって…約束したのに…

君は…どうしても私を止めるんだよね。
…そうだよね。
君は私よりもずっと前から彼の事を大事に想ってたんだもんね。

絶交、か…そんな言葉、絶対言わない人だと思ってた。
きっと初めて使ったんだろうな…



…ごめんなさい。私が間違ってた。
彼の気持ち、全然考えられてなかった…

それと、君にもひどいこと言っちゃった。
楽にしてあげたい気持ちと彼の望みとで、つらかったのは君の方なのに…

ごめんね。ちょっと今は考えがうまくまとまらなくて…
一回帰って、自分で考え直してみる。

大丈夫、もう一緒に死のうなんて思ってないから。
本当に彼がしてほしいことが何なのか、私は何をするべきなのか、
ただそれだけ。


…ありがと、ね。止めてくれて。
彼の…親友でいてくれて。

じゃあ、ばいばい。

・台本（ゆるボイ！）
[ヤンデレ×わからせ] 親友の彼女が親友の首を絞めようとしていたので…
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ