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好みの女の血を飲んだら、眷属になるように懇願された〜奴隷娘編〜
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • シリアス
  • クーデレ
  • 奴隷娘
  • 戦闘
  • 殺意
  • 眷属化
  • 吸血
公開日2022年09月26日 06:07 更新日2022年09月26日 06:08
文字数
1861文字(約 6分13秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
奴隷娘
視聴者役柄
吸血鬼
場所
某所
あらすじ
吸血鬼の男はある日突然、奴隷の女に襲われる。戦いの最中、彼女から主人の命で自分が命を狙われていることを知る。しつこく追ってきた彼女は、男の目の前で突然倒れる。男はその原因を、彼女が服用した薬の副作用であると見抜くが…?

※若干タイトル詐欺かもです。ご了承ください。
本編
見つけた…吸血鬼。すぐ倒さなきゃ。



待って。そこのお兄さん。貴方、吸血鬼?

嘘つかないで。貴方からは吸血鬼の匂いがする。

もちろん倒す。それがご主人様の命(めい)だから。

知らない。でもそんなのどうだっていい。

ご主人様の意図がどうであれ、わたしのやることに変わりはないから。覚悟して。



…意外とやるんだ。ヒョロい身体にしては結構頑丈。

わたし?わたしはただの奴隷。ご主人様にこき使われるために生まれた存在。強いのはお薬のおかげ。

そう。戦闘力を増強するお薬。これを飲めば、わたしみたいな非力な小娘でも、貴方のような化け物と互角にやりあうことができる。

貴方には関係ない。副作用なんてどうだっていい。

わたしの身がどうなろうと、そんなのは些末なこと。ご主人様には駒がたくさんあるから。

そう。わたし以外の駒。ここでわたしを退けても、他の駒があなたを倒しに来る。何度でも何度でも…

構わない。ご主人様のために命を捨てられるのならそれで。

早く構えて。それとももう諦めた?

…?言ってる意味が分からない。わたしはご主人様の駒で奴隷。満足も不満足もない。

……そうやってよく分からないことを言って、この場を切り抜けるつもり?そうはさせない。

(蹴飛ばす)

ほら…口ばっかり回してるからこうなる。

戦いに集中しないと…貴方、死ぬよ?

ダメ。逃がさない。貴方はここで倒すから。



…逃がした。ちょっと油断した。

でも…匂いは消えてない。このまま後を追えば…




見つけた。こんなところで焚き火なんて呑気だね。最後の晩餐?

嫌。貴方を倒すまでわたしはご主人様の元には戻らなi……

(腹の鳴る音)

こんなときに…でも関係ない。わたしは貴方を、吸血鬼を…




…?わたし、一体…

ッ、貴方…!どうしてわたしの近くに…⁉︎

倒れた…?わたしが…?

そう…空腹で。どうりで力が出ないわけだ。

でも変なの。自分を殺しに来た相手を助けるなんて…頭、おかしい?

えっ?何これ…肉?

そう…でもいらない。これから殺す相手からの施しは受けn…

(腹の鳴る音)

〜っ、これはその…!

……分かった。ならありがたくいただく。

(肉を咀嚼)

…美味しい。ちょうどいい焼き加減。

そっちの、もらっていい?

ありがと。なら遠慮なく全部いただく。

(しばらく肉を無言で咀嚼)

どうしてわたしを助けたの?わたし、貴方の敵だけど。

そう。よく分からないから、これ以上の説明は不要。

わたしの、気持ち?……多分、悪いようには思ってない。それが何?

気持ちを、大事に?どういうこと?

そう…でもわたしは奴隷。そんなの必要無いと思う。

一人の人間として…違う、わたしはご主人様、の、ど、れ、い…

(倒れる)

身体が、うまく動かない…なんで?

薬の、副作用…?まさか、さっき、言ってた…

そう…なら、わたしもここまでというわけだ。

でも…覚えておいて。わたしが死んでも、ご主人様は貴方を必ず…

え……助かりたいか、助かりたく無いか…?

知らない。考えたこともなかった。

分からない…貴方の言ってること、全然分からない…!

助かったところで…わたしは貴方を殺すのに失敗してる。ご主人様の元には戻れない…

ましてや、敵に情けをかけられるような使えない駒はご主人様には不要。だったら、助からない方が…

泣いてる…?わたしが…?

ホントだ…なんで…これも薬の副作用?

生きたいと、願ってるから…奴隷に過ぎないわたしが…

でも…ここで生き永らえても、わたしにできることなんて…

探す…自分の生きる意味を…ご主人様に頼らずに…

貴方、口が上手いんだ。わたし、貴方に乗せられそうになってる。

貴方はわたしの人生とやらに責任を取らないくせに。

ッッ、そこまで言うなら…わたしを助けて!まだ死にたくない!死にたくないよ…!

わかった…貴方を信じるから…お願い。

(吸血)

ンッ…アッ、ンンッ…

はぁはぁ…血を、吸って薬を体外に、出せるの…?

そうだった…ごめん。貴方を信じるって言ったばかりだった…

(しばらく喘ぎ声)

はぁはぁ…もう、いい…?

うん…分かった。あとはゆっくりしてる。

明日、目を覚ましたら…わたしは貴方のモノになる。

多分…そうしなくちゃいけないから…

うん…おやすみ。また明日…



んっ…朝…もう夜が明けたんだ…

身体…何ともない。昨日、あんなにしんどかったのに…

でも…頭がちょっとフラフラする。血、吸われ過ぎたかな…

ねぇ……寝てる。疲れてたのかな…

……この感覚、やっぱり変わったんだ。

ねぇ…今日からわたしのご主人様は貴方だよ。

わたしの身体が、心がそう言ってる…気がする。

貴方の言ったこと、考えてみる。この先、人としてどうやって生きていくのか…

まだ何をどうすればいいか分からないけど…頑張ってみる。

だから…貴方もわたしをこんなにした責任を取って、わたしを手伝って。

そのための誓いの証…貴方にするね。

(キス)

こんなわたしですが…今日から貴方の眷属として、よろしくお願いします。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
好みの女の血を飲んだら、眷属になるように懇願された〜奴隷娘編〜
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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