あなたの幼馴染は、容姿端麗で仕事もできるイケメン女子。高校、大学、職場まであなたと同じ会社を選んだ幼馴染の本当の姿とは…

※SEは必須ではありません。


やぁ、仕事は終わったかい？
今日は鶏肉が食べたい気分だから、焼き鳥でも……って、まだ終わってない？


まさか君、また仕事を押し付けられたの？

はぁ…(ため息)
本当に君は…人が良すぎるよ。

どうして毎回引き受けちゃうかなぁ。


それで？
今回は何を押し付けられたの？

へぇ…この書類の整理か。

うん、これだったら私も把握してる内容だし、手伝うよ。


手伝わなくていい？
…君、先輩に押し付けられた仕事は断れないのに、善意で手伝うと言っている幼馴染の提案は、断れるんだねぇ。


なに、遠慮することはないよ。
成績、信頼、共にNo.1の私が手伝う、って言ってるんだ。
ここは私に任せて、君は君の仕事を終わらせるといい。


え？
声が大きい？

当たり前だろう？
聞こえるように言ってるんだから。

君に仕事を押し付けて、自分は帰ろうとしている人たちに、ね。


(同僚と話す、顔の向きが変わるイメージ)
…なんですか？先輩。
この仕事を引き受ける？

ふむ、引き受けるも何も、元々先輩の仕事では？
はい、それではお願いしますね。


(聴き手に向き直る)
さて、これで君の残業予定はなくなったわけだ。
そっちの仕事も急ぎじゃなさそうだし、今日はもう帰ることにしよう。


ほーら、早く帰る支度して。
君のその責任感は、ときに君自身を追い詰めてるんだよ？
今日は、素直に私の言うことを聞くこと。


ん、えらいね。
よし、それじゃあ帰ろうか。



その疲れた様子じゃ、外食は無理そうだね。
コンビニで適当に買って帰ろうか。

うん、君の部屋でゆっくり食べよう。

どうせ同じマンションの、隣の部屋に住んでいるんだから。



[玄関扉の開閉音]
…ふぅ、ただいま。


ね、あのさ…怒って、ない？
そう、今日のこと。

怒ってない？
よかったぁ…


ボクがでしゃばったせいで、君が仕事しづらくなったりしたら嫌だし。
余計なことしちゃったかも、って帰り道ずっと不安だったんだ。


へ？
そりゃあこわかったよ、一応先輩だもん。

でも大切な君をこき使うなんて、許せなかったから。

君が優しいからって、その優しさにつけ込んでさぁ。
ああいう人たち、ボクは好きじゃないな。

だから思わずあんなことしちゃったけど、君が怒ってたらどうしよう、って。

君にだけは嫌われたくないもん…



わっ、なに？
急に頭撫でてきて。


かっこよかった？
んん…君にそう言われるの、嬉しいけどちょっと恥ずかしいかも。

君の隣にいたくて、外ではあんな風にしてるけど、中身はボクなわけだし…


あ、でも外で違う自分になること、後悔はしてないよ？
外でのボク、自分でも結構気に入ってるんだ。


人と話すのをこわがってたボクが、堂々と話せるようになったのは、君のおかげでしょ？

外では理想の自分になりきればいいって言ってくれたから、ボクはなりたい自分になることにしたんだ。

君はボクのヒーローなんだよ。


子どもの頃、いじめられてたボクと一緒にいるせいで嫌がらせされてたこと、知ってるよ？

それなのに君は、ボクの前ではいつも笑顔で優しかった。
優しすぎて、いつだって君は自分を犠牲にしちゃうから。


だからね。
君を守れるかっこいい女性になるのが、ボクの目標なの。


…ね、今日のボクは、君を守れてた？
君にふさわしい女性だった？


何点、くらい…？
あ、えっと、100点満点中で…うん、お願い。


っ、ほんと？
100点？

うー、嬉しい…


喜びのハグがしたいです！
[衣擦れの音]
(以降耳元で)

へへっ、ぎゅー…


こうやって君に抱きついてると、君にしか見せない本当のボクも好きになれる。

君がこうしてそばにいてくれるだけで、ボクはしあわせだよ。



ずっと、そばにいさせてね。
絶対だよ？

これからもずっと、ボクだけの、君でいてね。
ん、約束。

・台本（ゆるボイ！）
イケメン幼馴染が家に帰るとボクっ娘ネガティブになる件について
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ミフジ