魔王の命を受けて、各地で人類と戦っていた烈火の魔人はある日、酔っ払いの男に酒を勧められて、なし崩し的に一緒に酒盛りをする羽目になる。結局、男の勧める酒を気に入った魔人は、酔っ払いながら男と談笑する仲になるが…？

(燃え盛る館を見ながら)


ふぅ…今日もいい仕事した。
魔王も喜んでくれっかな…


あ？誰だ、テメェ…
俺を魔人だと知って
声かけてきてんのか？


俺に興味？
はっ、バカが。
俺はお前に興味ねえよ。
死にたくなかったら
とっととどっか行け。


は、はぁ？
飲み仲間って、俺が？


何で今から見ず知らずのテメーと
酒飲まなくちゃいけないんだよ。
よそ当たれ。


って、おい！人の話聞けよ！


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ハァ〜！うんめぇ！
これ、めっちゃ美味えじゃん！
もっと寄越せ！


あぁ、そんくらいなら
お安い御用だ…そらよっ！


(火を起こす)


はっ、たりめーだろ。
焚き火なんて余裕余裕！
こちとら、烈火の魔人様だぜ？


あぁ！あたs…じゃなかった、
俺は魔王配下の魔人。
魔人って意味、分かるよな？


そうそう！魔王から直接
魔力を与えられた人間のこと！


ちょいと腕っ節を気に入られてな。
ムカつく人間どもをぶっ潰しに
各地を回ってるってわけだ。


ははは！まーな！
俺はスゲーんだ！
お前、話が分かるじゃねーか！


で？なんでお前は
この俺に近づいた？


へぇ〜…見る目あんじゃねえか、お前。
見直したぜ。お前とはいい酒が飲めそうだ。


残り全部飲んじまおうぜ。
俺とお前の出会いに乾杯！ってな！ははは！


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あ〜、もう朝か…最高の目覚めだぜ。
てか朝日眩しいな、おい。


ん？……お前、めっちゃ火傷してんじゃん。
どうかしたか？


あ〜、俺のせい？悪い悪い。
なんか身体火照ってたみたいでさぁ…


ま、あんま俺に近づきすぎると
火傷するっつーことで、今後は
気をつけろよ。なっ？


とりあえず俺、行くわ。
また機会があれば会おうぜ。
そんじゃな。


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あれ？お前、このあいだの
飲兵衛じゃねえか。


こんなとこで会うなんて
奇遇だな。


マジ？
またいい酒仕入れたんだな。
俺にも飲ませろよ。


んだよ、条件って…
また焚き火でもすりゃいいのか？


は？正気か？お前…


魔王だぞ？俺ら魔人なんかとは
比べ物にならねえくらい強えんだぞ？


お前まさか…飲兵衛のフリした
勇者だとか言わねえよな？


だよな…普通にただの酔っ払いに
しか見えねえし。


ふーん…ま、いいけど。
せいぜい死なねえように
言葉には気をつけろよ。


あぁ。会わせるぐれーなら
問題ねえよ。多分な。


最近、暇だっつってたし…
暇つぶし相手にでもなってやれよ。


んじゃ、行くか。
城まで案内してやる。
ついてこい。


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お前、バカか…！
魔王、酔い潰してどーすんだよ…！


あはは、じゃねえ！
笑い事じゃねえよ、アホが！


あ〜、頭痛え…
これ、あとで俺が怒られる
パターンじゃねえか…


てか、さっき魔王に飲ませた酒、
そんなに度数高えのか？


へぇ…面白え。
この俺を酔い潰せるか、試してみろよ。


俺は結構酒強いからな。
それはお前も知ってんだろ？
前に一緒に飲んだんだから。


よし、決まり！
じゃ、今から宴会と洒落込もうぜ！


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ちょっとアンタさ〜！
あたしのこと、最初は男だと
思ってたでしょ〜！
あたし、知ってるんだからねー！


うるさ〜い！どーせ
あたしのはちっぱいですよーだ！


魔王から魔力もらってもさ〜！
全然胸デカくならないんだけど！
これってどーいうこと⁉︎
アンタ、説明してよ！


な〜に〜？あたしの酒が飲めないってぇ⁉︎
人間のくせに生意気！
ほらっ、飲めったら飲め！


あはは！いい飲みっぷりじゃん！サイコー！


これ、マジで美味しいね！
入手ルート、あとで絶対教えてよ！


ちょっと〜？何トイレに立つフリして
コソコソ帰ろうとしてんのさ〜？


今夜は帰さないよ〜…そりゃっ！


(押し倒す)


バーカ…普通の人間が魔人様に
力で敵うと思ってんの？


なんか高まってきたからさぁ…
あたしの相手してよ。ねっ？


あはは！大丈夫大丈夫！
ちょっとくらい火傷しても
死なないから問題ないって！


それともぉ…あたしみたいな
ガサツな女は嫌？


ふふっ、そっか♪
悪くは思ってないんだ。
だったらいいじゃん。


ほーらぁ…顔逸らさないで、こっち向いて？


(キス)


ごめーん…熱かった？
唇、ちょっとだけ火傷しちゃったね。


まぁでも、こんなの
これからヤることに比べたら
全然大したことないし。


えっとこう、なんてーの？
燃え盛る炎みたいな
熱い夜、一緒に過ごそ？ねっ？


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(あくび)


めっちゃ寝たな…ちょっと小便…


…お前、黒焦げになってっけど
どうした？俺、またなんかしたか？


おい…黙ってねーでなんとか言えよ。
マジで俺、何したんだ？


…は？え、あ…じょ、冗談だよな…？
俺を驚かせるための…


ウッソだろ…⁉︎ この俺が
酒に飲まれてお前を…⁉︎


ヤッちまったかぁ…人間の男と…
知らねーうちに処女膜、ぶち破られたのか…


あ…う、うるせぇ！今のは忘れろ！


と、とにかくだ…！
ヤッちまったもんは仕方ねぇ！
お前、今日から俺の眷属な！


うっせぇ！つべこべ言うな！
グダグダ言ってっと、本気で燃やすぞ！


(抱き寄せる)


もう離さねえよ、バカ…
そろそろ手下の一人は
欲しいと思ってたとこだし…


顔、こっち向けろ。
直接魔力、分けてやっから。ンッ…


(ディープキス)


ハァ…あっつあつのキス、
かましてやったぜ。どうだ？感想は…


あ？なんだよ？モゴモゴして…
言いたいことあんなら、はっきり言えよ。


は？ちょ、やっぱ酔ってた時の俺の
一人称、「あたし」になってた？


クッソ〜…人間の時の
名残りが出ちまったなぁ…
恥ずかしいから
聞かれたくなかったのに…


う、仕方ねぇ…一回だけだからな？


(咳払い)


あ、あたしとキスした感想、教えて…？

・台本（ゆるボイ！）
不良っぽい烈火の魔人は酔っ払うと可愛い女の子に変貌する
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎