俺の彼女は、なんというか控えめで暗い。
けど精一杯彼女なりに愛してくれているのはわかる。
わかるんだけど、下駄箱から出た瞬間にくっつき始めるのは、ちょっと恥ずかしい。

【】：状況
（）：声色 or SE

【学校出たところ感じる寒さに身を震わせる】

うぅ……さむ……。
ちょっと、手貸して。

【おててニギニギ】

……はぁ。あったかい。安心する。
やっぱりキミ、他の人に比べて体温高いよね。言われない？
こういうのは普通、女性の方が体温高いものだと思ってたけど、そうでもないんだね。
はぁ……。あったか……。

【人の目を気にする聴き手】

今更人の目とか気にする？
もう付き合って何ヶ月だと思ってるのさ。
元々別のクラスなんだし、お昼休みと登下校しか一緒にいられる時間ないじゃん。
時間は有限なんだよ。特に学校生活なんかあっという間。
だからキミは大人しく、私に従ってればいいの。

【今日は一段と強く手を握ってくる読み手】
【今日は特別甘えてくるね、と疑問の聴き手】

別に。ただ本当に寒いだけだから。
それにしても、いま気温何度だろう。6℃ぐらい？
だったら仕方ないよね。
こうやって手を絡め合ったり。なんだったら腕に抱きついても許される。

【腕に抱きつく読み手】

人の目？　だからもう付き合って長いし。
この間のデートのときだって、こうやって腕に抱きついたじゃん。
ぎゅーって。私、あんまり胸はないけど、ちゃんと伝わるでしょ？
ドキドキとか柔らかさとか、そういうの。

だから、さ。だからなんだけどさ……。
最近クラスで仲良さそうにしてる女の子と比べて、どうよ。

【頭に仲良くしてる女の子の顔が浮かび上がる聴き手】

それがどうした、みたいな顔しないでよ。私には重大な問題、っていうか。
私には愛想とか、そんなにないかもだけど。一応彼女なわけでして。
確かにあの子カワイイし、顔も美人さんだし。肉付きもすごくいい。
っていうか、私が羨ましいって思っちゃうぐらい胸もおっきいし……。

……ねぇ。私じゃダメ？
あの子ほどスタイル良くないし、笑顔とか、そんな上手く作れる自信はないけど……。
私がキミの彼女、っていう事実でしかキミのことを繋ぎ止められないから。それが、不安で。

どうしたってクラスは別々だから、ずっと一緒にいられない。
でも私はキミの彼女で！　キミのやりたいことなら、なんでも叶えてあげたい！
ずっと、好きだった。から……。

頑張って、キミのしたいこと勉強するし。
あの子ほど胸は大きくないけど、なんか、こう……。頑張るし！

【頭なでなで聴き手】

んっ……。別に寂しくなんかなかったし。
ただ。その、なんと言いますか……。

キミの彼女は私なんだから。……もっと私のこと構ってよ。

…………なんか、ごめん。自分が急にみじめになってきた。
ホントはこんなこと言うつもりなんて、全然なかったのにな。
クラスのあの子に盗られるかも、って思ったら居ても立ってもいられなかったの。

好きだから。大好きだから、他の女のところになんて、行かないで。

・台本（ゆるボイ！）
寒がりなダウナー系メンヘラ彼女はあなたにくっつきがち
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス