片思い相手の会社の先輩が、クリスマスに一緒に過ごす相手がいると言っているのを聞いて諦めようとしていたあなた。ある日の帰り、先輩が話しかけてきて…

※SEは必須ではありません。

あれ、後輩くん、今帰り？
それなら駅まで一緒に行かない？

うん、君が嫌じゃなければ。
ほんと？
よかった。

よし、それじゃ、帰ろっか。


(会社から外に出る)
[街の喧騒の音、風の音、など]

わっ…風つめたっ…
なんか急に寒くなったよねー。

年末に向けて、一気に時間が過ぎてく感じ？
最近時の流れが早くてびっくりしちゃう。

…いま、歳のせいじゃ…とか思った？
思ってない？

それならいいんだけどっ。
ま、後輩くんは優しいから、そんな失礼なこと思わないか。


ん、そうだ。
今年の忘年会、私も幹事になったから、よろしくね？

実は私、うちの会社の忘年会に参加するの初めてなんだよねー…
え？そうそう、お酒の場ってそんなに得意じゃなくて。

仲の良い友達とちょっと飲む、くらいなら好きなんだけど。
会社の飲み会っていうとほら、いろいろ挨拶したり気をつけなきゃいけないことも多いし…

部長とかさ、お酒入ると距離が近くなるのわかる？
入社したての頃にめちゃくちゃ絡まれて、ちょっと苦手意識もっちゃって。

…へ？
じゃあなんで、って？

だって君、今年はお前が幹事やれよーって、言われてたでしょ？
同期の子たちに。

それ聞いて、だったら私も、って。


そう、せいかーい。
君が幹事をやるから、私も立候補した、みたいな。

そうだよ？
理由はそれだけ。

ふふっ、不思議そうな顔してる。


あっ、ねぇ、ちょっと寄り道してもいい？
君と行きたいところがあるんだよねー。

いい？
ありがとっ。

えーと、あ、こっちこっち。
この角(かど)を曲がって…

ぅわ…
やっぱり綺麗…

ちょっと早いけど、もうイルミネーションが始まってるって聞いてさ。
ここ、結構人気スポットだから、クリスマスが近くなるとすっごく混むでしょ？
ずっと見たかったんだけど、人混みが苦手だから来たことなくって。

人が多くなる前に、君と来れてよかったぁ。


…知ってた？
このイルミネーション、好きな人と見ると両思いになれるんだって。

あっはは、そんなびっくりした顔しないでよ。
顔、赤いよ？


んー？
さぁ、どういう意味だろうね？


(少し間をあける)
後輩くんさ…最近私のこと避けてた、よね？
仕事中はまぁ、普通だったけど。

前はもっと、朝挨拶してくれたり、お昼に話しかけてくれたりしてた気がするなー…
って思うのは、私の気のせい？

ん、違うよね。
だって、結構あからさまだったもん。

どうしてか考えてたんだけど、もしかしてクリスマスの話、聞いちゃった？

…あー、やっぱり。
図星みたいだね。
目が泳いでる。

私がクリスマスに一緒に過ごす相手がいる、っていう話、聞いたんだ？
それを聞いて、私を避けるっていうのはー…

うん、そういうこと、なのかな？

っあ、いや、ごめん、今のナシ。
ちょっと誘導尋問(ゆうどうじんもん)…みたいだったね。


(小声)
私が言わせた、みたいなのは理想的じゃないしね…


よしっ、後輩くんに一つ、課題を出しましょう。
期限は…そうだなぁ、クリスマスイブの前日まで。

きちんと君自身で考えて、答えを出してくれたら嬉しいな。

ふふ、課題、言うね？


あのね、後輩くん。

(耳元で)
私はいつまで、君を「後輩くん」って、呼んだらいいのかな？

・台本（ゆるボイ！）
あざと可愛い先輩は、君に気持ちを悟らせたい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ミフジ