僕は人気アイドルの幼馴染のハグフレンド。今日もまた彼女は僕を家に呼び出しメンタルケアを要求する。

台本の使用と改変についてはご自由にどうぞ。
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(電話の呼び出し音)

…もしもし。
今日このあと、うちに来て。
いつものやつ、お願い。
じゃ。

(通話終了音)


(鍵を開けてドアを開く)

…いらっしゃい。
いきなり呼び出してごめん。
とりあえずこっち来て。

するよ。いい？

(ハグ)


(恍惚とした吐息)

…やっぱり君に抱きしめられるの、落ち着く。

何年同じことやってんだって、自分でも思うけど、もうこれがないとやっていけないんだ。


今日の理由は…アイドル活動とテレビの出演で肉体的にも精神的にも凄く疲れたから、ということで。

"この理由先週も同じだった"？
うるさい。理由考えるのも億劫なくらい疲れたの。　
使い回しくらい許してよ。

トップアイドルの私が、いくら幼なじみとはいえ、何の理由もなく一般人の君と抱き合うなんて許されないんだから。

君は黙って私を抱きしめてればいいの。
そのまま私のメンタルケアに集中して。

それが私をこの道に進むように背中を押した君の責任、でしょ。


(しばらく吐息のみ)


…ほんとは今日凄く嫌なこと言われた。

トイレで陰口叩かれてるの聴いちゃって、私のことって気づいてからはずっと耳を塞いでたんだけど、それが頭の中でずっと繰り返されて、収録中に全身が冷たくなって、何も考えられなくなって、カンペだけ読み上げて終わったの。


陰口なんか、いい加減慣れなきゃいけないのにね。


あっ…(強く抱きしめられる)


心配…してくれてるんだ。

……


でもダメ。同情したり、慰めたりしないで。

君はただ私を抱きしめて、愚痴を聞くためだけの道具なの。


私は君が好きだけど、君が私を好きになるのは許さない。

君が私のことを好きって言っちゃったら、この関係が終わっちゃう。

お互い好きなのは、それはもう恋愛だから。ダメ。



おかしいよね。君に好きになってもらおうとしてアイドル始めたのに、うまくいきすぎて全く逆になっちゃった。

もう一生分稼いだのに辞められないし、好きな人と好きって言い合うこともできない。

皆は女の子の憧れだって言うけど、全然そんなことない。私は普通の女の子で良かったのに。


(顔を服に押し当てて声をくぐもらせながら)

もうやだ…アイドルなんて辞めたい…

悪口言われたくない…

もてはやされるのもいらない…



ただ君と……ずっと一緒にいたい…



(しばらく鼻をすする音)



よし、弱音おわり。
声くぐもってたし、何言ってるかわかんなかったよね。

ダメ。(唇に指を当てる)
そういうことにしておいて。
ね？

うん。それでいい。
もう離していいよ。

いつもこんな遅くに呼び出してごめんね。
はいこれ、タクシー代。

ほんとは、もう遅いし泊まっていきなよ、とか言ったほうがいいと思うんだけど、それもちょっと危ないしね。
ほんとごめん。

"いつものことだから"…か。
確かに、今更だよね。

じゃあまた今度辛くなったときも頼むよ。メンタルケア。
一週間くらいはまた我慢するからさ。

うん。それじゃまた。
ばいばい。

※(ハグフレ幼馴染アイドルは耐えられなくなり…)に続きます。
単体でもお楽しみいただけますが、ぜひ続編も合わせてご覧ください。

・台本（ゆるボイ！）
超絶人気アイドルの幼馴染とのハグフレンド契約
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ