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両親からネグレクトを受けた少女には仮初の兄が必要
written by 松平蒼太郎
  • シリアス
  • 少女
  • 年下
  • 仮初の関係
  • 超依存
  • 自殺未遂
  • デート
  • ハグ
公開日2023年02月15日 00:31 更新日2023年02月15日 00:31
文字数
1654文字(約 5分31秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
妹(仮)
視聴者役柄
兄(仮)
場所
某所
あらすじ
貴方には自分を兄と慕ってくる少女がいた。貴方は彼女からお金をもらい、兄としての役割を演じていた。その背景には、少女が両親からネグレクトを受けているという事情があり、貴方がそんな彼女の拠り所となっていた。しかし、少女の精神はすでに限界に達しており、貴方は人気の無いところで自殺しようとしている彼女を見つけてしまい…?
本編
あ、お兄ちゃん…来て、くれたんだ…


うん…パパもママもまだ帰ってきてない…


う、ううん…大丈夫。お兄ちゃんが来てくれたから…


平気、だよ…?これくらい、へっちゃら…


(兄に抱きしめられる)


んっ…お兄ちゃん、どうしたの?泣いてるの?


ふふ…そっか。そうなんだ。あたしのために…


ありがとう…お兄ちゃんにたくさん思われてて嬉しい…


お兄ちゃんがあたしのこと思ってくれるなら…パパとママにどれだけ無視されても平気。


あたし、お兄ちゃんに愛情を注いでもらえるなら、それでいい。それ以外は何も要らない…


分かってる…お兄ちゃんは本当のお兄ちゃんじゃないし、血の繋がりもない。


だけど…そんなのは些細なこと。


お兄ちゃんがあたしを愛してくれてる…それだけで十分だから…


それより…はい、今日の分のお兄ちゃん代。


これでお兄ちゃんは、今日一日はあたしだけのお兄ちゃん。


いいの。タダでお兄ちゃんにお兄ちゃんをやってもらおうなんて虫のいいこと言わないから。


お兄ちゃんは本当は赤の他人で、レンタルだけど…それでもいいの。


仮初の関係でも…お兄ちゃんは本物の愛をあたしに与えてくれるから。


だから好き…お兄ちゃんのこと、大好きだよ。


ふふ…お兄ちゃん、さっきから謝ってばっかり…


いいんだよ…今の関係で十分満足だから…


お金を払ったらお兄ちゃんは来てくれる…でしょ?


パパとママ、あたしを空気みたいに扱う割にはお小遣いはたくさんくれるから…


勝手に生きてろってことなんだろうね…だから、あたしは勝手にする。


二人のいない間にお兄ちゃんを呼んで…こうしてイチャイチャするの。


そうだ、お兄ちゃん。そろそろお昼だし、一緒にご飯食べよ?


うん、どこかに適当に食べに行こ?お金ならあるから…


えへへ♪ お兄ちゃんと外食デートだ♪


うん…軽く化粧してから行く。


ちょっとだけ待ってて。すぐ済ませてくるから。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


はぁ…お腹いっぱい。ご馳走様。


ごめんね、全部お兄ちゃんに払わせて…本当に良かったの?


そっか…じゃあお言葉に甘えるね。ありがとう、お兄ちゃん。


この後はどうする?時間はあるけど…


そうだね。その辺ブラブラしよ。


うん…手、繋ぐ。


…ん、それじゃあ行こっか。


お散歩中は手、ずっと握っててね?


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ…もう夕方かぁ…空真っ赤…


うん…名残惜しいけど、そろそろだね…


今日はありがと。急な呼び出しに応じてくれて。


ふふっ…やっぱりお兄ちゃんは優しいね。


お兄ちゃんをお兄ちゃんに選んで良かった。


あたし、一人っ子で、ずっとお姉ちゃんかお兄ちゃんが欲しかったから…


だから…お金はちゃんと払うから、これからもあたしのお兄ちゃんでいてくれる?


ありがとう…お兄ちゃん、大好き!


うん…またね。バイバイ、お兄ちゃん…


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あ……れ、お兄、ちゃん…?


あたし、何してたんだっけ…?


あ…そう、なんだ…死のうとしてたんだ…


あは、は…自分のことなのに、自分でわからなくなるなんて…ダメだなぁ、あたし…


ううん、何があったかはいまいち思い出せない…


思い出せないんだけど…辛くて苦しかったことだけは覚えてる…


あたしは要らない子なんだって…パパとママにとって…


誰にも気づかれずにひっそりと死にたかったのかな…こんなところに来たってことは、さ…


でもお兄ちゃんは見つけてくれたんだ…こんなあたしを…


ありがとね…でももういいよ…


これ以上生きてても、お兄ちゃんにも迷惑かけるだけだから…


あ……ほん、と?迷惑、かけてもいいの…?


でも…お兄ちゃんもいつかあたしのこと捨てたくなるかもしれないよ?いっぱい後悔するかもしれないよ?


…ん、ごめ…あたし、もうダメ、かも…


お兄ちゃんがいなきゃ…生きていけないや…


(しばらく咽び泣く)


もうお金は要らない…?


本当のお兄ちゃんになってくれる…?


分かった…じゃああたし、今日からお兄ちゃんの妹になる。


家出しても多分大丈夫…あの人たち、あたしがいなくなっても何とも思わないだろうから…


こんなあたしだけど、これからよろしくね…?


いっぱい、いーっぱい迷惑かけるかもしれないけど…お兄ちゃんの妹でいられるよう、精一杯頑張るから…!


(抱きしめる)


大好きだよ、お兄ちゃん…


ずっとあたしと一緒にいてね…?約束、だよ?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
両親からネグレクトを受けた少女には仮初の兄が必要
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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