ある日、貴方が一人で居酒屋で飲んでると、近くに寄ってきた女性に相席を求められた。よく見ると彼女は貴方の元カノで、居酒屋を梯子して、たまたま入った居酒屋で貴方の姿を見つけ、一緒に飲もうと思ったのだと言う。彼女とサシで飲んだ後は、酔っ払った彼女をおんぶする羽目になり、釈然としないながらも、そのまま自宅にお持ち帰りすることになってしまった。酔っ払った彼女にベッドを占領されて、仕方なく床か別室で寝ようとした貴方を彼女が無理やり捕まえてきて…？

相席、失礼すんねー。よいしょ…


よっ、久しぶり。あたしのこと、覚えてる？


あはは、そっかー。ちゃんと覚えてたかぁ。偉いぞー。


うん…元カノの顔、覚えててくれて嬉しいよ。ありがとね。


あ〜、今日ね。友達と居酒屋はしごしてたんだけどさぁ、あたしだけちょっと飲み足りなくて。


まぁね。友達はグロッキーになってたから、途中で帰らせた。


で、一人でフラッと立ち寄った居酒屋に君が居たってわけ。


一人で飲むのもなんかつまんないって思ってたとこだし、ちょうどいいかなって。


いいの。別れた時のこと思い出すとしんどいけどさ、お互い嫌いになって別れたわけじゃないじゃん？


まっ、そんな辛気臭い話は置いといて、二人でパーっと飲んじゃお！付き合ってくれるでしょ？


ふふ、ありがと♪


今は友達ってことで、楽しく飲も飲も！


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


あは〜♪ 酔っ払っちゃった♪


ねー、歩くの疲れたからおぶって〜？


ね〜、いいでしょ〜？


あたしぃ、もう足が棒になって歩けな〜い♡


にへへ〜♪ じゃあおんぶ、おんぶ♪


(おんぶされる)


えへ〜♪ 君の背中、おっきいなぁ…くふふ♪


大丈夫〜…ちゃーんとギューしてますから〜。


絶対落ちないもんねー。にしし♪


え〜、そう？酒癖悪いかなぁ？あたし…


うーん、そっかぁ。そんなこともあったんだぁ。全く記憶にございませんけどね〜。


あはは！あたし、酔うとすぐ記憶無くなっちゃうタイプだから！


今こうしておんぶされてることも、明日になったら忘れてるんだろうな〜。あー、寂し。


ん〜？何〜？そんなデリケートな話題振っちゃう〜？


あはは、たしかに。明日になって忘れるならいっか。


うん、いるよ〜、彼氏。遠距離だけどね。


お互い忙しくてさ〜。直接会うのも月一って感じ？


あ〜、でもメールとか電話でしょっちゅう連絡は取ってるかな？


君よりなかなかいい男だぞ〜？


君と別れなかったら、こんないい男捕まえられなかったってね♪ あははっ♪


ふふ、どーしたの？ヤキモチ焼いちゃった？


んふふ♪ そーんな拗ねなくていいじゃーん。


君も早くいい人見つけよ？ね？


…ふーん。そっかぁ。まだそんなふうにあたしのこと思ってくれてんだ。


じゃあじゃあ、一晩だけ慰めてあげよっか？あたしが…


いいの。別にエッチなことしたりしないから。


友達が落ち込んでたら友達が慰める。これ世界の常識。


男女の友情は成立するって証明してあげる。


ね、いいでしょ？このまま君ん家、連れてってよー。


いひひ♪ それじゃあ、君のお家にレッツゴー！


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


(ベッドにダイブ)


はぁ〜！ベッドぬくぬく！最高なんだけど〜！


ん〜？何〜？俺の寝るとこが無いって〜？


じゃあ隣来なよ〜。お姉さんがぁ、可愛がってやるからさ〜♡


ンフフ〜♪ そーんな照れないの。ほら、おいでー？


……どーした？そんな冷めたような顔して〜…


やっぱダメって何が〜？


ダメなことなんてあったっけ〜？


…ダメなのは君の方だよ。あたしから逃げようとするから…ねっ！


(背後から押し倒す)


んっ、ふふふっ…捕まえちゃった♡


ホントは後ろから抱きつかれて嬉しいんでしょ〜？このこの〜！


…嫌。絶対離さない。


だって別れるべきじゃなかったもん。あたしたち…


そうだよ…あの日、あたしたち二人ともどうかしてた。


お互いの性格も生活スタイルも噛み合わなくなって…ただただ、主張だけが食い違ってたって、二人で勝手に納得して無理くり別れて…


けどそんなの同棲始めたら、当たり前に起こることじゃん？それをちょっとした食い違いで別れようとするなんて、どうかしてたんだよ。あの時のあたしたち…


違う…違う違う！あたし、納得なんてしてない！これっぽっちも！


彼氏作ったなんて嘘！ちょっと強がり言ってみただけ！


無理だよ…君を好きだって気持ちだけが取り残されて、あとは何も残らなかった…


友達と飲んでたってのも嘘。一人でヤケ酒してた。


君と別れてからだんだんお酒飲む量増えてきて…酔ったら自分の気持ち誤魔化せるから…


でも今日、また君に出会っちゃった。


君の姿見たら、理性のタガ吹っ飛んでた。


気づいたら相席して…おんぶしてもらって…


もう君と寄り戻すことしか考えてなかった…


ねぇ、いいでしょ？あたし、まだ君のこと好きだからさ…もう一度やり直そうよ。


やだ…せっかく出会えたんだもん！何があっても離さないもん！


君がいればそれでいい…君さえいればそれで…


ねぇ…君も誰とも付き合ってないんでしょ？


だったら、あたしと寄り戻すしかないじゃん。ね？


断らないでよ…断るなんてあり得ないから…


酒の勢いでも何でもいい。もう一度君の彼女になりたい…


君さえよければ全部あげるよ？あたしの身体…


別れてから気づいたから…君があたしの全てだって。


ねぇ…いい加減こっち向いて？君の顔が見たいよ…


あ、ごめん…ずっと後ろから乗っかったままだった。すぐ退くね…


(彼女が退いた瞬間に抱きしめられる)


あ……いい、の…？


あたしと寄り、戻してくれる…？


えへ、えへへ…じゃああたしたち、今日からまたカレカノだね。それっ♪


(押し倒す)


よかった…君に断られなくて…


あたしね、いつもカバンに包丁持ち歩いてるの。


うん、最高に切れ味のいいやつ。そこらの百均に売ってるようなやつとは全然違うからね？


もし君が最後まで断ったら、君を殺してあたしも死のうと思ってた。


だって意味ないもん。君がそばに居てくれなきゃ、生きてる意味ないし。


もしかしたら君に出会えるんじゃないかって、ちょっとだけ期待してた。居酒屋はしごしながらね…


そしたら本当に出会えたからさぁ…これってどう考えても運命だよね？


運命に逆らっちゃダメだよ…最初からこうなるって決まってたんだから…


大丈夫…好きって気持ちさえあれば何度でもやり直せるよ。何度でも…ね？


これからはずーっと一緒だよ…えへへっ♪

・台本（ゆるボイ！）
酔っ払った年上の元カノに涙目で懇願された
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎