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喫茶店の女マスターとコーヒー淹れるのが上手いバイト
written by ろべ
  • 職場/オフィス
  • 癒し
  • お姉さん
  • 年上
公開日2023年02月25日 20:33 更新日2023年02月25日 20:33
文字数
1380文字(約 4分36秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
街にひっそりと佇む小さな喫茶店。従業員はマスターとバイトの二人だけ。そんなどこにでもありそうな場所でのある日の会話

台本の使用と改変についてはご自由にどうぞ。
使用の際はお手数おかけしますがご一報(DMやメンションなど)いただけるととても嬉しいです。
本編
(入店ベルの音)
あ、やっと来たー!

ちょいちょい、遅刻の理由は良いから早く着替えてきて。
あのジジ…お客さん、あたしのじゃなくて君が淹れたコーヒーが良いってさっきからうるさいの。
ほらほら早く行って。

………

ん、ごくろうさん。
ったく、だーれがホットサンドが美味いだけのマスターだ。あのジジイ年取りすぎて舌狂ってんじゃねぇのか?

うわ、また始まったよ。わざとらしく美味そうに飲みやがって。なにが「あ゛〜」だ、ビールじゃねぇんだぞボケジジイが。

あ、あたしのも淹れてくれたの?ありがと。

…なぁ、君のコーヒー何も変なのは入れてないんだよな…?

いや、あそこまであたしのと違う反応されるとマスターとして流石に凹むというか…
常連さんもみんな口には出さないけど、君のを飲んでるときはなんつーか、表情が和らいでる感じがする。

同じ豆、同じ温度、同じ時間で淹れてるのに。というか君に教えたのあたしなのに。
あーあ、いっそのこと君がマスターになっちゃえばいいのになー。

いやいやほんとに。あたしより美味しいコーヒー淹れるし、お客さんとも気さくに話すし、おまけにすっごいお人好しで。
ちなみに今日遅刻した理由は?

"道で困ってるお婆ちゃんを助けてきた"…ね。
またいかにも嘘っぽい理由だけど、ま〜君に限ってはマジなんだろうな。

いいよ謝んなくて。これで怒ってたらあたし人の心ないだろ。

はぁ…君向いてるよこの仕事。
あたしなんかよりずーっとね。

ん?あたしがなんで喫茶店やってるかって?
そういや言ったことなかったっけ。

この店あたしのお祖父ちゃんのなんだよ。
もう亡くなってるけどね。

子供の頃から親が忙しいときはここに預けられてて、可愛がられてたんだ。
トースト焼いてもらって、常連さんと話したりして、コーヒーの美味しさなんてなんにもわからないのに、ここにいるとすごく楽しかった。

今思うとあれはお祖父ちゃんが作ってた店の雰囲気だったんだろうな。
落ち着いてて、和やかで、どこか世間とは離れたような不思議な時間が流れてた。

中学の時は部活帰りにしょっちゅう来たし、高校のときはここで勉強してた。
大学生になってもここでレポート書いてたし、とにかくあたしにとって思い出の場所なんだ。

だからお祖父ちゃんが死んだとき、潰したくないって思ってここ継いだの。素人だったけどね。
今思えばなんで一回くらい本気で習っておかなかったんだって後悔ばっかり。

それでも自分なりに色々調べて、試して、なんとかここまで来たって感じ。
まぁそれもバイトの君に抜かれちゃうくらいのお粗末な腕前だけどね。

君の接客見てるとさ、お祖父ちゃんのこと思い出すんだ。
何も特別なことはないのにみんな笑顔になって、静かだけど賑やかで、とにかく心地良い雰囲気。

あたしには…ちょっと真似できないなって。

あ〜ごめん。こんな暗い感じにしたかったわけじゃなくてね。

君には感謝してるんだ。
この店がこんなふうに沢山の人に愛されてるのは君のおかげだよ。

学生の君に言うことじゃないかもしれないけど、君にはずっとここで働いてほしいと思ってる。
君から就職の自由を奪うつもりはないけどね。

でも一度考えてみてくれると嬉しい。
駄目なら駄目でいいから。

ちょうどよかったよ。いつか言わなきゃなーって思ってたんだ。

はい、もうこの話終わり。
そろそろまた忙しくなる時間だ。
ほら、準備して。

(入店ベルの音)

はーい!いらっしゃいませー!
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
喫茶店の女マスターとコーヒー淹れるのが上手いバイト
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ
ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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