最近、近所のメスガキがしょっちゅう遊びに来ている。
料理が上手いからか、俺の母さんのお気に入りでいつも俺の家に入り浸っている。
帰れって言っても帰らねぇし、作ってくれるクッキーも美味いし、いいかという気持ち。
だが本人には美味しいと言ってないからか、妙なゲームを持ちかけられてしまった。

【】：状況
（）：声色 or SE

【家に帰ってきたら読み手がくつろいでいる】

あ、おかえりー。今日はいつも通りかなぁ、お兄さん？

【なんでいるか分からない聴き手】

えぇ～、そんなのも分からないのぉ～？
お兄さんの親御さんにクッキー作ってほしい、って頼まれたんだよぉ～？
お義父さんもお義母さんも、話が分かる両親で嬉しいねぇ、お兄さん！

【いつも通りか、と思って自分の部屋に戻ろうとする聴き手】

くつろいでいかないのぉ？
私がクッキー、焼いてあげるんだけどなぁ～
知ってるでしょ～？　私のクッキー、とぉっても美味しいの。
お兄さんの両親は2人ともべた褒めだし、
お兄さんだってもう私なしじゃ生きていけないぐらいハマっちゃったんじゃないのぉ？

【負けてない】

ふーん、負けてないって言っちゃうんだぁ～。
ふふ、ふふふっ！　強がって負けてないっ！　って声荒げちゃうの、かーわいっ！
じゃあ試さない？　お兄さんが本当に私の作るクッキーに負けちゃわない、か！
勝負。しょうぶだよぉ！

私が負けたらぁ～、私に何しても、いいよぉ？
最近成長してきたお胸とかぁ、お尻とか。それ以上のことだって。

お兄さんの、やりたい放題（囁き）

ふふっ！　顔赤らめちゃってる～！
でも分かってるよぉ、最近お兄さんの目が、そういう（囁き）目になっていること！

私が勝ったらお兄さんに何してもいいってことで。
いいよね？

【荷物置いてくるから首を洗って待ってろ、的な聴き手】

ふふっ！　じゃ～私はクッキー、作り始めてるねぇ～！

◇【場面転換】◇

はい、かーんせい！
私が愛と丹精を込めて作った、お兄さんだけを負かすクッキーだよぉ～！
お兄さんの家のキッチン、いっぱい型があったから遊んじゃった！
星形にー、丸形。四角いアイスボックスクッキー。そーしーてっ！

愛のハート形（囁き）

お兄さんのことを考えながら、作ったんだよぉ？
お兄さんはきっとこういう味に弱いんだろうな～とか、調整に調整を重ねた最新作！
じゃあ早速。出来立てのうちに、私のを、召し上がれ……！

【もぐもぐ聴き手】
（クッキーを食べる音）

どお？　美味しい？

【すごく苦い顔の聴き手（美味しすぎて負けそう）】

あ、あれ？　もしかして口に合わなかった？
え、でもそんなはずは……。お兄さんの好みに完全に調整したクッキーだよ？
可能な範囲で材料も調節したし、食感、口当たり、味だって申し分ないはず……。なのに……。

（以下泣き混じり）

ぐすっ……。また、負けちゃうの？
お兄さんにまた負けちゃう。やだぁ、負けたくないのぉ！
お兄さんを好き勝手したいのぉ！

（以上泣き混じり）

【負けた聴き手】

えっ？　ホント？　本当に美味しい？

ずずっ！　やったぁ！　お兄さんに美味しいって言わせた！
お兄さんに勝った！　やったー！

んー？　なにほほえましい顔で見てるのぉ？
お兄さんはぁ、私に負けたんだよぉ？
だからぁ……。お兄さんは私の言うことを何でも1つ叶えなくちゃいけないの。
ふふっ。だぁいすきな、お兄さんに。私がお願いすることは、ね……？

……夜までお楽しみ（囁き）

じゃあ私は準備しに家に帰るね！
……。待ってるから、来てね？

・台本（ゆるボイ！）
料理上手のメスガキが作ったクッキーに完全敗北した件
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
二葉ベス