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善意が隠しきれない世話焼き吸血鬼との同居生活
written by ろべ
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  • 看病
  • 癒し
  • 吸血鬼
  • 年上
公開日2023年03月29日 12:09 更新日2023年03月29日 12:09
文字数
1758文字(約 5分52秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
数ヶ月前から僕は美しい吸血鬼の眷属となってしまった。日々仕事に追われ、彼女に血を吸われ、さすがに限界が近づいていた。そのことに彼女は責任を感じて…

台本の使用と改変についてはご自由にどうぞ
ご使用の際はお手数おかけしますがご一報(DMやメンションなど)よろしくお願いします。
本編
(ドアが開く音)
あっおかえり!お疲れさ…
ぁ…こほんっ…

おいこら。いくらなんでも遅すぎだろ。
いい加減腹が減ったぞ。

あ?仕事だかなんだか知らないけど、おまえはワタシの眷属だろ。
ご主人様の空腹を放置していいと思ってるのか?

ほらとっとと首を差し出せ。
ああもう、上着が邪魔だ。脱がすぞ。

(衣擦れ音)

ぐっ、このスーツとかいう服、脱がしづらすぎだろ。

あ?このネクタイとかいうのはどうすれば解けるんだ?えーっと…この部分を引っ張って…
あ、ごめん、逆に締まっちゃった。大丈夫?

あ、じゃなくって…こら、ご主人様の手を煩わせるな。そのくらい自分で脱げ。

ったく、ほんと無能だなこの眷属は。

…終わったか?
ふぅ、やっと食事にありつける。

それじゃ、いただきま…ぁ

すんすん…すんすん…
…なんか酸っぱいニオイが…

はぁ…これじゃ気持ちよく吸えたもんじゃないな。

おい眷属。その肌着も脱いで裸になれ。

いいから。早くしろ。

おい、おまえがいつも使ってるボディシートとやら、これでいいのか?
よしわかった。じゃあワタシがこれから直々におまえの身体を綺麗に拭いてやろう。

なに、遠慮することはない。
眷属とはいえ、ワタシのために血を提供してもらうのだからな。
多少の見返りは必要というものだろう。
まぁ、遅れたことについては、その分血液で払ってもらうがな。

では拭いていくぞ。まずは顔からだ。
ん?顔は種類が違うのか?面倒なやつだな。

〜どれどれ?おっ、これでいいか?
(シートを取り出す)
ならこれを優しく頬に当てて…

あっ、すまん、冷たかったか?
ふふっ、そうか。少し気をつけよう。

もっと顔をよく見せろ。丁寧にできん。
(ふきふき)
次は目もとを拭くぞ。染みるかもしれないからいいと言うまで目を閉じていろ?
(ふきふき)
よし、終わったぞ。
だいぶすっきりしただろう?

次は身体だ。
首周り拭くぞ。

はい肩。からの腕ー。
もう片方も出してー?すーっ。

ん、じゃあ前拭くよ。
(ふきふき)
…なあ、おまえ前より肉が減ってないか?
ほらここ、あばら骨が浮き出てる…腹ももっと出ていただろう?

…もしかしてワタシのせい…か?
ワタシがおまえの血をいっぱい吸ってしまうから…

嘘をつくな。仕事のストレスだけな訳ないだろう。
なぜすぐに言わなかった。
言ってくれれば…ワタシだって…

いや、なんでもない。ほら、拭き終わったぞ。
次は背中だな。よいしょ…

?何をそんなに焦っているんだ?
背中を拭くために両腕を後ろにまわしただけだが。

あー、確かに。単に後ろから拭けばこの体勢になる必要はなかったな。
だが気にしなくていい。ワタシが好きでやっていることだ。おまえはただ身を任せていればいいんだ。

…噛み跡…近くで見るとまだこんなに残って…(小声)
いや、なんでもない。続けるぞ。

(耳元で吐息が聞こえる)

ん。これで終わり。スッキリしたか?
匂いも…すんすん…うん、これなら良さそうだ。

…その、吸っても…いいか?

…いや、確かに眷属のおまえに拒否権はない…が…
…すまない。せめて少なめにする。

(深呼吸)

…いくぞ。
(噛み付く)

おい、力が入ってしまっているぞ。もっと力を抜け。すぐ終わるから…我慢しろ。(噛みつきながら)

(ゆっくりとした自分の心臓の拍動が聞こえる)

…ふぅ…ごちそうさま。
すぐに手当をする。消毒液と絆創膏はどこだ?

わかった。取ってくる。

(戻ってきて)
あっ馬鹿!立ち上がるな!
(倒れそうになるのを抱き止められる)
はぁ…言わんこっちゃない…
貧血になっているのに急に立ち上がろうとするからだ。
眷属ならばちゃんと言うことを聞いて大人しくしてろ。

…でないと、心配してしまうだろう…

最初は確かにただの餌として思っていたこともあった。
だがもうおまえはワタシにとって大事な人だ。

この何十年かはおまえと共に生きると決めたんだ。
ワタシの予定を眷属の分際で勝手に変えてもらっては困る。


それ、手当も終わったぞ。
今日のところは無理せず休め。
家事はいつもどおりワタシにまかせておけ。

明日も仕事があるのだろう?
本当はそんなもの行ってほしくはないのだがな…
おまえがそこまでするのには理由があるのだろう?

ならば何も言うまい。
ワタシはご主人様として眷属の面倒を見てやるだけだ。

ふふ、いい主人が持てて良かったな。

おや、もう眠くなってしまったか?
ならちょっと待て。ベッドまで運んでやる。

気にするな。ワタシは吸血鬼だぞ?このくらいなんとでもない。

ほら、もう眠っていいぞ。
今日もよく頑張ったな。えらいぞ。

ではまた明日な。おやすみ。
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
善意が隠しきれない世話焼き吸血鬼との同居生活
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ
ライター情報
pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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