……ぷはぁ。
ううん、平気ぃ……まだ酔ってないからぁ……

んん……やだぁ。
今日はとことん呑むって決めてたの。　この時間のために、仕事も頑張ったんだもん。
ホントに平気だから、お酒取らないで〜っ。

えへ……お酒が私のもとへ帰ってきた……えへへ……

だって、やっと平日が終わってさ？
キミんちでお泊まりするのも楽しみにしてさ？

〔聴き手「会うのは楽しみじゃなかったの？」〕

もぉ〜、意地悪言わないでよ。
キミに会うのだって、楽しみにしてたってば。

ほら、こっち向いてっ。

むぎゅぅ〜っ……

会いたかったに決まってるでしょ〜？
社会人になってから、デートとかこういうお泊まりでしか直接会ってないんだから。

……あ。　ねぇねぇ、ベランダ行かない？
この前持ってきたミニテーブル置いてさ、場所変えて飲んでみようよ。

〔ベランダへ移動〕

お酒これに置いて……ほら。　こういうの、ちょっとお洒落で良いと思わない？
ここからの眺めも良いし、立ち飲みしてみたいなぁって思ってたの。

えへへ……でしょ？

……

あぁ〜……大学生の頃が懐かしいなぁ……

研究室も2人で一緒のとこにしてさ。
夜はほぼ毎日どっちかの家に遊びに行ってたでしょ？

それが今は社会人になって、「勤務時間が合わないから」ってお泊りする日も減っちゃったし。
慣れの問題かもしれないけど、やっぱり寂しいよぉ……

キミは平気なの？　こうやって会う時間減ってて。
だったら、もうちょっと寂しそうにしなさいよぉっ。　このこの〜……

……

はぁ……大学生に戻りたい。
あのひたすら自由で縛られなかった頃に……

……あ、でも。　戻るならキミと付き合ってる時に戻りたい。
一生2人で……だらだらしてたいよ……

私浪人して入ったから、一年生のとき浮いちゃってぼっちだったでしょ？
授業でキミとペアにならなかったら、そのままぼっちで卒業だったろうなぁって思う。

冗談じゃないよ、本気だって。
はっきり言って分岐点だったんだよ？　キミと仲良くなれたのは。

〔聴き手に歩み寄り、腕を組む〕
……んしょ。　腕貸して？
ぎゅーっ。

キミは私にとって……大切な人なんだよ？
すっごく、大事に思ってる。

だから、その……

……

ううん、何でもない。
あっ、おつまみなくなっちゃったね。

えっ、今から？　作って来てくれるの？
優しいなぁ、もう。　じゃあお願いします。　ふふっ。

〔独り言　〜〜ここから〜〜〕

はぁ……言い出す勇気、出ないなぁ。
皆、どうやって同棲の話してるんだろ……

なんとなーくの流れで半同棲まで来ちゃったけど……
年上だし……私から切り出す方がいいんだよね、きっと。

んくっ……んくっ……ぷはぁ。
……「まだ」、って言われたり……しないよね……？

〔独り言　〜〜ここまで〜〜〕

あっ、えっ？　も、もうできたの？

すんすん……ん〜っ。　いい香りじゃん。

じゃあ、いただきまーす。
あむっ……

ん、美味しい。　やっぱり料理上手だよね。
こんな美味しいのを「パパっと」で作れちゃうんだから。　あむっ……

……

「さっき」？　あぁ、ちょっと考え事してただけだよ。

【少し間を空ける】

キミってさ。
私と同棲するの、どう思ってる？

いや、その……お互いもう社会人だしさ。
今でも半同棲だから、同棲っちゃ同棲ではあるんだけど。

そろそろ……？　みたいなさ……？

……

えっ？　そんなあっさり、いいの？

まぁ……自信はなかったから、最悪「まだ」とか言われちゃうかなぁって……思って……
なぁんだ、キミもタイミング見計らってたんだ？

ふふっ……もう。　ちょっとこっち。　寄って？

ぎゅーっ……

じゃあ、今度部屋一緒に探そう？
2人の勤務地だったら、この辺いいかな〜とか、色々考えてたから。

・台本（ゆるボイ！）
キミと同棲を始めたいお泊まり彼女
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
のみやま