デートの日。約束の時間になっても来ない彼氏の家に行くと今にも倒れそうな顔色の彼が立っていた。怒る気も失せて急遽デートは中止して膝枕で癒やしてあげることに。

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(インターホン)
……
(合鍵で扉を開ける)

(少し荒い足音)

ちょっと！私とのデートに遅れるなんてあんたどういうつもり！？
仕方がないから迎えに来てあげ…

………(顔色を見て態度が変わる)

気が変わったわ。ちょっと、こっちに来なさい。
(手を引っ張られる)
ほらソファに座って。
そのまま横に、気をつけて、ゆっくりとこっちに頭を降ろして。

(膝枕される)
頭、浮かせなくていいわよ。首疲れるでしょ。
全部もたれかかっていいから。

いいから、黙って言うことを聞いて。

そんな顔色でデートとか言ってる場合じゃないでしょ。

…馬鹿ね。謝るくらいなら最初から無理しなければいいのに。
またどうでもいいことで色々溜め込んじゃったんだ。

疲れすぎてろくに眠れなくなった。違う？

やっぱり。そういうときの顔してる。

仕方がないからマッサージしてあげる。頭のね。
(頭皮マッサージ開始)

そうよ。そのための膝枕。
言っとくけど絶対に寝ないでね。
寝るならちゃんとベッドで寝なきゃ意味がないもの。

あくまで眠気が来るまでのマッサージ。
そこからは自分で立ち直りなさい。

ん。しばらく揉み込むけど、痛かったり眠くなったりしたらすぐに言って。いい？


…それにしても…まさかこんなに限界になっちゃってるなんて…
まったく…少しくらい頼りなさいよ…なんのための彼女よ

…馬鹿。

…いや、今のはあんたじゃなくて私に言ったやつ。
昨日の電話のときに気付くべきだった。

私、デートのことで舞い上がっちゃって、全然あんたのことなんて考えてなかった。

…そうよ。楽しみだったわよ…
デートが楽しみじゃない彼女なんていないでしょ。

また謝る。いいのよ、映画なんて一年もすれば配信サービスでまた一緒に見れるわ。

そんなことを気にする暇があったら少しでも眠れるように集中して。
頭空っぽにして…この指と、太ももの感触だけ感じてて。

うるさいな。好きで柔らかくなったんじゃない。
気にしてるんだから言わないで。

…ほんとにもう、コレが胸に行ってれば文句ないのに…

あーはいはい。あんたはコレが好きなのよね。わかったわかった。
ったく…無駄口叩く元気はあるのね。

やめていい？マッサージ。

…冗談。今にも死にそうな顔してるのにほっとくわけ無い。

……………………(しばらく無言で吐息のみ)

…頭はこのくらいでいいかな…
次、目開けないで。指で押さえるから。

強さ、このくらいでいい？
そう。じゃあ続けるね。

顔、冷たい。まだ血が巡りきってないみたい。
これは直接手で温めるしかないかな。

(親指で目を押さえつつ他の指で顔を撫でる)

…せっかく綺麗な肌なのに、ボロボロ…もったいないな…(小声)

…つぎ。耳も温めるよ。

(両手で耳を包み込む)

(以下微かにこもって聴こえる声)
これ…聴こえる…？

…反応なし…

…………だいすき。

…だから心配させないで。死んじゃったらどうするのよ。

……………………

………(何かを言っているが聴こえない)


(耳から手を離す)

ねえ、さっきの…

…？ねえってば。

…寝てる…もう、絶対寝るなって言ったのに。

…でも、そっか。やっと安心できたのかな。

(おでこを撫でる)

ほんとなら色々ごはんとか作ってあげたりしたかったんだけど…仕方ないか。

…おやすみ。もう無理しないでね。

・台本（ゆるボイ！）
普段は高反発なツンデレ彼女は僕が弱ったときだけ低反発ふんわり膝枕で癒やしてくれる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ