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花魁吸血鬼と己の血を賭けた決闘が始まった
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • 吸血鬼
  • 花魁
  • 決闘
  • 和風
公開日2023年05月03日 21:42 更新日2023年05月03日 21:42
文字数
1206文字(約 4分2秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
花魁
視聴者役柄
場所
某所
あらすじ
果し状を受け取ったとある島国の侍は、手紙に指定された場所に辿り着く。そこにいたのは、かつて遊郭で自身が指名した花魁で…?
本編
こんばんは、お侍さん。今宵は月が綺麗でござりんすね。


はい。その果し状を書いたのは、わっちでありんす。


こうして来ていただけて、とても嬉しゅうござりんす。


先ほどから胸の高鳴りが止まりませぬ…よもやこれが恋…?


ふふふっ…良き殺気でありんすね。


わっち、故郷にいた頃より、そのような本物の殺気を浴びせられたことは、ついぞございんせんでした。


はい。わっちの故郷はここより遥か西にありんす。


しかし、結局故郷には、わっちの求める味を持つ殿方はいのうござりんした。


そういうわけで、わっちははるばるこの東の島国にやって来たでありんす。


この島国特有の、侍という名の騎士…わっちはそう呼ばれる者たちの可能性に賭けたでありんす。


はい。わっちの同族が言ってやした。


「かの島国の騎士は剣の腕も血の味も、何もかもが優れている」と…


それだけを心の支えに、わっちはこの国の遊女に身をやつし、運命の相手が現れるのを待っておりんした。


その相手こそ、わっちを指名し、熱い抱擁を交わしてくれたお侍さんでござりんす。


根拠などござりんせん。ただわっちの中のメスが「かのオスと添い遂げたい」と言って憚らなかっただけでありんす。


それで?ここに来たということは、わっちからの決闘の儀を受けてくれる、ということでよいのでありんすね?


ふふふっ…お侍さんもすでにわっちの正体に気づいていた、と…なるほど。


その通りでござりんす。わっちは吸血鬼。


もっとも、わっちの国ではヴァンパイアという呼称が一般的なのでありんすが。


わっちの正体を見抜くとは、流石はわっちが見込んだ殿方。ぜひ、お手合わせ願いとうござりんす。


(一呼吸置いて)


それでは…いざ、参りんす。


(抜刀し、斬り合うが徐々に押され始める)


ふふっ…流石はお侍さん…!見事な腕前でありんすね…!


いいえ…!まだまだこんなものではござりんせん…!もっと、楽しみんしょう…⁉︎


(斬り合うが、バッサリ斬られてついに屈服)


かはっ!ハァッ、ハァッ…


ふ、ふふふ…想像以上でありんす…お侍さん…


えぇ…どうやらここまでみとうござりんすね………お侍さんが。


(男の方が膝をつく)


くふっ、あはは…!


ようやく効いてきたみたいでありんすね…!


えぇ、この刃に塗ってありんしたよ…我が一族秘伝の麻痺毒が。


この麻痺毒が切り傷からじわじわと浸透していき、動けば動くほど全身に回りんす。


そして最後には、自分の意志では指一本動かせなくなりんす。


勝負、ありんしたね…お覚悟、決めていただきんす。


えぇ。わっちの目的は言うまでもなく、お侍さんの血。


そのためだけに、わざわざ果し状まで出して、呼び出したんでありんすから。


ふふ…ご心配なく。わっちのこの傷はお侍さんの血を飲んで回復しんすから。


卑怯?何をおっしゃいんす、命を賭けた戦いに卑怯もへったくれもありんせん。


わっちはただ、己の持てる力をぶつけただけ…お侍さんとてそうでございんしょう?


さぁ、お侍さん…その逞しいお身体、わっちにちょうだい?


悪いようにはしんせんから…一緒に気持ちようなりんしょう?


(吸血)
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
花魁吸血鬼と己の血を賭けた決闘が始まった
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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