やたら好き好きアピールしてくる姉と、それを華麗にスルーする弟。
子どもの日のコミカルな、そしてちょっとほっこりする義姉弟シチュとなっております。

(　)ト書き　《　》姉のセリフ

効果音・BGMによる演出はご自由にしてください。


(弟、家の庭のウッドデッキに寝転ぶ)

あ〜日差しあったけ〜。
気持ちいい。

(弟、眠ってしまう)

《ちょっと、こんな所で何してんの?!》

うわっ!
びっくりした。
なんだ姉さんか。
何してんの?って…。
デッキで日光浴してたらつい眠気が。

ふわあぁぁ。(あくび)

あ〜あ、
せっかく気持ちよく寝てたのに。

《せっかくの連休だっていうのにどこにも出かけないの?》

なんだよ。
連休中ダラダラしようが俺の勝手だろ?

《彼女とデートは?》

彼女とデート?
ゔっ…。
なんでそうやって、
痛いところをついてくるかな。

とっくに別れたよ。

《えっ、なんで?あんなに仲良かったじゃん。》

なんで?って、
そんなのこっちが聞きたいよ。

何の前触れもなく、
いきなり「別れよう」とか言われるし…。

《まぁ、彼女もいろいろ我慢してたんじゃない?あんた女心とか鈍そうだし》

悪かったな、
女心がわからなくて。

…これでもいろいろ考えて、
大事にしてたつもりなんだよ。

はぁ、
ほんとマジでわかんない。

《私はあんたのそういうウブなところも好きだよ》

あ〜はいはい。
慰めの言葉どうも。
「私は好きだよ」とか…。
それ普通弟に言うセリフじゃないから。

《なによ。姉弟って言っても血は繋がってないからいいじゃん。》

血が繋がってなくても姉弟なの。
ダメなものはダメ。

ったく、
傷心中の人間をからかって楽しいのかよ。
もういい、
部屋で昼寝してくる。

《あ〜ごめん、怒んないで。あっ、見て見て!》

…っ、なんだよ。
しつこいな。

《鯉のぼり!ほら、泳いでる!》

鯉のぼり?
あぁ、風が出てきたから泳いでる。

そっか、
今日子どもの日か。

てか、
父さんもマメだな。
俺もう子どもじゃないのに、
毎年きっちり鯉のぼり飾ってさ…。

《そりゃお父さん思い入れ強いからね。》

えっ?鯉
のぼりに思い入れ?

《私達が家族になって初めて子どもの日を迎える時…お父さん話してたよ「子どもの日のお祝いができて嬉しい」って…。》

そっか…。
父さん、
俺と子どもの日を祝うの、
そんな喜んでくれてたんだ。

い、今だから言うけど、
子どもの頃、親が再婚して、
「新しいお父さんとお姉ちゃんだよ」って
いきなり言われた時、
俺、正直めちゃくちゃ戸惑ってさ…。
父さんがでっかい鯉のぼり買ってきた時も、
子どもながらに
「気遣ってるんだろうな」って、
かわいくないこと思って…。
なんか、悪いことしたな。

《そりゃまだ小さかったもん。戸惑うのも無理ないよ。気にしなくて大丈夫大丈夫!》

(姉、弟の頭をポンポンする)

だ〜か〜ら、
それもやめろって。
「大丈夫大丈夫」って頭ポンポンしてくるの…。
ほんと昔から変わらないな。

《まぁ、いろいろあったけどさ。お父さん、息子ができて幸せなんだと思うよ。》

息子ができて幸せ…か。
父さん、そう思ってくれていたら嬉しいな。

《私も、あんたが弟で幸せだよ。》

えっ…弟ができて幸せ…?
姉さん、俺のこと、そんな風に…?

《まぁ、堂々と告白できないのが残念だけど。》

「堂々と告白できないのは残念だけど」?
はぁ…。
なんで話をそっちにもっていこうとするかな。

感動して損した。

罰として、
今日の夕飯、
俺の好きな唐揚げ作ってもらうからな。

もうすぐ父さんと母さんも帰ってくるの?

じゃあお姉様、
子どもの日のご馳走よろしくお願いします。

(以下、徐々にフェードアウトするような感じで)

手伝い?
え〜、俺、一応主役なんですけど?
唐揚げと、あとちらし寿司も追加で!
わかった!わかった!
買い物の荷物持ちはするから。

〜おわり〜

・台本（ゆるボイ！）
[子どもの日・弟]子どもの日、傷心中の俺になぜか義理の姉さんが迫ってくる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
初実とうか