夜中、貴方は隣で寝ていた彼女の声とお腹の音で目を覚ました。どうやら彼女は、空腹で目が覚めたようで…？

(お腹が鳴る)


うぅ〜…お腹減って寝れない…どうしよ…


けど、これ以上は迷惑かけちゃうしなぁ…適当に何か食べて誤魔化すか…


(隣で寝ていた彼氏が目を覚ます)


あっ…ごめん、起こしちゃった？


う、うん…その、お腹減っちゃってさ…


で、でも大丈夫！冷蔵庫にあるもので、何か適当につまんでくるから！


う…それは、まぁ、たしかにそうだけど…


でもさっきもいっぱい吸っちゃったし…これ以上は君の身体が…


もぅ…またすぐそうやって、あたしのこと甘やかす…


(馬乗りになる)


そんなに優しくされたらさ…襲っちゃうよ？君のこと…


ほら、そういうとこ。彼女のわがままを安請け合いしすぎ。ちょっとは怒ってもいいんだよ？


〜〜ッッ！バカ、聖人君子！あたしの脳が蕩けちゃったらどうするの⁉︎


ホ、ホントに吸っちゃうからね…？


あとでやっぱ無しとか聞かないよ？


こ、後悔しないでね。いくよ…？


(吸血)


美味しいなぁ…ホントに美味しい…


君の血液って、本物のご馳走だよね…


夜中にこんなもの摂取したら、幸せ太りしちゃう…！ヤバいなぁ…！


やだ…太りたくない。スタイルはちゃんと維持してたいの。


だって…君の前では可愛い彼女でいたいし…


ぶー！そんな甘い言葉に流されるあたしじゃありませーん！そういうこと、軽々しく言わないでくださーい！


はい、今から「太っても可愛い」って言うの禁止。わかった？


あ！また言った！禁止したそばから！もー！


罰として、もう一回だけ吸っちゃうもんねー…ンッ…


(吸血)


ダメェ…！このままだと、本気で止まらなくなりそう…！


これ以上はダメ、これ以上はダメ…彼氏くんが死んじゃう…


だからダメだって！蘇生魔法はバンバン使えばいいってもんじゃないの！


あたし、君の彼女だから…君の身体は大切にしたいの…わかる？


あんまり変に誘惑して、吸血鬼の本能刺激しないでよ…


ん…いいよ、ちゃんと反省したんなら。


優しすぎるのと、血が美味しすぎるのは君の欠点だね。今後は改善していくように。


そ、そこは頑張ってどうにかするの！つべこべ言わない！


(頭から抱きしめられる)


んっ…やっぱり優しすぎ。さっき吸われたばっかで貧血気味なのに、痩せ我慢して…


…ううん、そんなことない。


嬉しいし、幸せだよ？君に優しくされるのは…


けど、君自身を犠牲にして欲しくないから…優しくするのは程々にね？


ありがと…お礼にチューしてもいいよ？


(強く抱き込まれる)


わぷっ！もぅ…そこでチューしないのは意地悪。ズルい。


う、うん…チューしたら、また興奮して血吸いたくなる、かも…


うぅ…人のこと子ども扱いしてぇ…


これでもあたしの方が年上なんだからね？ちゃんと分かってる？


ホントかなぁ…まぁいいけどさ…


ねぇ…今さらだけど聞いていい？


その…なんで君はあたしと付き合ってくれたの？


そ、そりゃあ吸血鬼だって聞いたら普通は引くじゃん？


なのに君は、逆に喜んで彼女にしてくれたから…なんでなのかなって…


ふふっ…何それ、変なの。


血を吸われたかったからって…君、実はマゾ？


はいはい…あたし専用のマゾね。そーいうことにしといてあげる。


(あくび)


うん…お腹いっぱいになったから、眠くなってきちゃった…君は？


そっか…じゃあこのまま一緒に寝よ。


あたし、朝弱いからさ…いつも通り、優しく起こしてね？


ありがと…それじゃ、おやすみなさい…


(寝息)

・台本（ゆるボイ！）
空腹で眠れない吸血鬼彼女に血を差し出したい
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎