最初はほんの好奇心だった。その綺麗な髪に、それを櫛で梳く姿に見惚れて…触ってみたい…そう思ってそれを口にした。そしてやはり彼女の髪は素晴らしかった。何度もお願いして髪を梳かしているうちに彼女の方もそれを求めてきて…
今やその行為は毎夜交わす主従のお約束となった。

台本の使用と改変についてはご自由にどうぞ
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(ノックの音)

ご主人様。お休み前に申し訳ありません。私です。
入ってもよろしいでしょうか。

ありがとうございます。

(ドアが開く音)

このような軽装で失礼します。
あの、毎日のことながらお願いをしたいのですが、髪を梳くのを少し手伝っていただけないでしょうか。

ありがとうございます。
それではこちらの櫛を。よろしくお願いします。

はい。お言葉に甘えてベッドに腰掛けさせてもらいますね。

(ブラッシングを始める)

湯浴みのたびにご主人様のお手を煩わせてしまい申し訳ありません。
その、本当にご迷惑ではないのでしょうか…？

いえ、最近は下ろしていると地面に付きそうなほどに伸びてしまっていますので、櫛を通すのも大変ではないかと。

ご主人様が好きと仰るのでこうして甘えさせていただいていますが、もしも面倒だと思われるのであれば自分で…

…本当ですか？
そう言っていただけるのは大変嬉しいのですが、私個人のことにご主人様の苦労をかけさせるのはやはり心苦しく思います。

いえ、嫌という訳ではありません。
私もご主人様に髪を梳いてもらうのは好きです。
丁寧に櫛を通してもらうのは気持ちが良いですし、こうしてご主人様とお話できる時間にもなって、幸せに感じております。

手入れは大変ですが、その点に関しては伸ばしていて良かったと思います。

それにしても…そんなに気になりますか…？
いえ、見られるのは構わないのですが、そう毎日髪を見つめられると…少々恥ずかしい、と言いますか…

私としては邪魔になることも多いのでわからないのですが、ご主人様にはそんなに魅力的なものに見えているのでしょうか。

………。

…はい。黒い、ですね。

…長い、ですね。

…サラサラ、はい、そうなるように努力はしているつもりです。

…いい匂い、ですか…？シャンプーの香りでしょうか。私はあまり感じませんが…

…綺麗…ツヤや光沢があるということでしょうか。それはトリートメントのおかげだと思います。
大量に使うのでいつも値段の安いものを使っているのですが…

え？は、はい。高価なものを使えばもっと綺麗になる、と思いますが…

そ、そんな！ご主人様に買っていただく訳にはいきません！私は今までのもので十分です。

"もっと綺麗になってほしいから"…ですか…
…ご主人様がそう仰るなら、ありがたく受け取らせていただきます…

……

ただそのようなことを面と向かって言われると…なんだかぞわぞわしてしまいます。
へ、変な意味ではないですよ？

あくまでメイドの身である私がご主人様から受け取る言葉としては身に余る、ということです。
そのような素敵な言葉はもっと大切な方に言ってあげてください。

私は…髪を梳いていただけるだけで、十分すぎますから…

………。

………。

………。

終わり、ましたか？

……。

あの、できればもう少し…お願いできませんか？
…はい。お願いします。

………。

………。

………。

ぁ…

…はい。もう大丈夫です。

甘えてしまって申し訳ありません。
もう遅いですしご主人様も早めにご就寝なさってください。

(立ち上がって服の皺をぱたぱたとはたく)

それでは、私はこれで失礼します。
本日もありがとうございました。
ご主人様、おやすみなさいませ。どうかいい夢を。

・台本（ゆるボイ！）
寝る前に超ロング黒髪クーデレメイドの髪を梳いてあげる
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
ろべ