在宅ワークをしている貴方は自身の勤める会社を通じて、とある派遣会社に『派遣彼女』を寄越してもらう。やってきた派遣彼女は高校・大学ともに同じだった後輩で…？

(インターホンが鳴って扉が開く)


ども…こんにちは。予約済みの派遣彼女でーす…


あ〜、はい…今日もよろしくお願いしまっす。とりあえずお邪魔しますね〜。


(家に上がる)


なんかすんませんね〜…こんなやる気のない彼女で…


あ〜…まぁ、仕事なんで、仕方ねえっすよ。


そ。うちの派遣会社、給料いい代わりに、人使い荒いもんで…今日も急に呼び出されたし…


いや、いいっすよ…先輩相手なら、楽にゴロゴロしてられるし。ぶっちゃけ、チョー助かります。


は〜い。じゃ、好きに過ごさせてもらいますね〜。漫画でも読〜もうっと…


(しばらく無言の時間)


…そういや先輩って、なんで派遣彼女頼んでるんすか？


いや、何となく…先輩、普通にしてればモテますよね？


だから、わざわざ勤務先の会社通じて、うちの派遣会社に連絡して、彼女寄越せ〜って言ってくんのが不思議だなぁって…


へ〜…先輩って変わり者なんだぁ。


え、だってさ…そういう制度があるとはいえ、今どき男性なんて引く手数多なわけだし…社内で普通に女の子見繕った方が楽じゃね？


ふ〜ん…誰が来るか分からないドキドキ、かぁ…人生楽しそうで何よりです。


アタシ？アタシは別に楽しいことなんてねぇっすよ。


会社に言われるがまま働いてるだけの人生…なーんも楽しいことなんてありませんって。


ま、それは昔からなんすけどねー…


親に言われるがまま勉強して…高校も大学も会社も惰性でなんとなく入って…そんな空っぽの人生歩んでますよ、アタシは…


男は…別に作ろうと思ったことなかったっすね。いなくても、別に困りませんし。


あ、でも先輩と一緒にいるのは、そんなに嫌いじゃねーっすよ。なんやかんや楽ですし。


はい…先輩、人のこと全然口うるさく言いませんし。むしろ放置気味なまでありますし。


ふーん…先輩もですか。じゃあ、ちょうどいいっすね。　


お互いの利害が噛み合って、ウィンウィンの関係になってますし…意外とアタシら、ベストマッチなカップルかもしれませんね。


へ？なんすか、急に…


…まぁ、いいっすけど。一応彼女なんで。どぞ…


(優しくハグされる)


…そ？そんなに抱き心地良い？


へ〜…そんなこと初めて言われました。先輩、意外と口がお上手っすね。


ちなみにそれ、営業トークっすか？


…あ、そ。まぁ、そういうことにしといてあげます。


アタシも…先輩の優しくてゆるい雰囲気は、す、好きっすよ…？


や、まぁ、一緒にいて楽って意味っす。そんな深い意味は無いんで…


ハァ…この女たらしは…いっつもそーいうことをヘーキで言う…


別に…先輩は昔から女口説くのが何気に上手かったな〜ってだけっす。


あ、やっぱ自覚なかったんすね。天然ジゴロだから、仕方ないっちゃあ仕方ないっすけど…


え〜？だって高校時代から、女の子の荷物を積極的に持ったり、車道側歩いたりしてたじゃないすか。あんなんされたら、今どきの女の子即堕ちですよ？


そーですよ〜…先輩が思ってる以上に女の子ってチョロいんすから、注意してくださいね〜？


…そうっすね。アタシもチョロい内の一人に入るかもしれません。


近いうちに派遣彼女から本命彼女に転職するかも……


…なーんて。本気にしました？先輩もまだまだ甘ちゃんっすね〜。


ふふ…とりあえず彼女成分は摂取できました？


そ。じゃ、残りのお仕事頑張ってください。アタシはそこでゴロゴロしながら応援しとくんで。頑張れ〜って。


(パソコンに向かい合った先輩をあすなろ抱き)


せんぱ〜い…そういうことシたかったら、きっちりアプローチしてからにしてくださいね？

・台本（ゆるボイ！）
【貞操逆転】ダウナー後輩の派遣彼女とダラダライチャイチャタイム
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎