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- 人外 / モンスター
公開日2023年07月14日 22:45
更新日2023年07月14日 22:45
文字数
1897文字(約 6分20秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
死鬼
視聴者役柄
医者
場所
某所
あらすじ
安楽死専門の医者である貴方は、これまで何人もの患者をその手にかけてきた。そしてついに、その責任の重さに耐えきれず、入水自殺をしようとしていたところ、背後に貴方にかつて殺されたはずの、良家のお嬢様が立っていて…?
本編
ご機嫌よう、ドクター。今夜は月が綺麗ですわね。
ふふっ…どうされました?わたくしがここにいるのがそんなに不思議?
えぇ、たしかにわたくしは死にましたわよ。他ならぬ、貴方の手によって。
いえいえ、そんな…貴方を恨むなど、とんでもございません。
むしろわたくし、貴方に感謝しておりますのよ?
貴方はあの息苦しい家からわたくしを解放してくれた…つまり、貴方はわたくしにとって救世主も同然。胸を張ってよろしいんですのよ?
ふふふ…相変わらず謙虚な方ですこと。そういうところも好感が持てますわ。
それで?ドクターはこんなところで何をしておりますの?
…ずいぶん思い詰めた顔をされておりますのね。よろしければ、わたくしに話してくれません?
まぁ…ドクターったら、そんなことで悩んでおいででしたの?
あ、いえいえ。ドクターの悩みを軽んずるわけではありません。
ただ、ドクターは勘違いをなさっているなと思いまして…
はい。たしかにドクターは、その手で多くの患者を殺めてきました。
しかし、それはドクターが安楽死専門の医者であるがゆえ。それをどうして、恥ずかしく思うことがあるんですか?
先ほども言いましたけれど…わたくし、ドクターに安楽死させられたことによって、あの息苦しさから解放されたんですよ?
えぇ。つまらないメンツばかりにこだわるあの家の連中には、ほとほと嫌気がさしておりましたから。
お父様もお母様もお姉様もお兄様も使用人も、もれなく全員、わたくしにとっては枷でしかありませんでしたわ。
やれ、持っている宝石の数だの、やれ、社交界での肩書きだの、つまらないことばかり。毎日が退屈で仕方ありませんでした。
おまけに、わたくしが何か少しでも粗相をすると、鞭でしばき上げて…あんなもの、教育ではありません。ただの拷問です。
お兄様もお姉様も、同じ血を分けたきょうだいでありながら、わたくしを一度も助けてくれたことはありませんでしたし。
いえ…それどころか、わたくしを劣等生だと断じ、みんなの見えないところで、わたくしをいじめる始末。思い出すだけで、反吐が出ますわ。
えぇ…だから貴方に頼んだんですの。わたくしを安楽死させてくれって。こんな意味のない人生に終止符を打ってくれって。
お父様からもらったお小遣いをすべて注つぎ込んで…ようやく、生という呪縛から解放されたんですの。
いいえ。今のわたくしは幽霊などではありません。死鬼と呼ばれる人外の種族ですわ。
えぇ。聞いたことぐらいはあるでしょう?死んだ人間が蘇って、アンデッドモンスターと化した存在…それが死鬼です。
今ここにいるわたくしは、ドクターへの熱い想いで蘇ったんですの。もっとも、身体は氷のように冷たいのですけれど。
はい。わたくし、ドクターのことは大好きですわ。異性としてお慕い申し上げております。
だって…実際に安楽死という治療を施す前に、ドクターはわたくしをあんなにも優しく愛撫してくださったじゃありませんか。
えぇ、もちろん分かっておりますわ。心穏やかに死ねるように、優しく語りかけてくれたのでしょう?
「自死も人生の選択の一つ。君がそれを選ぶというなら、僕もそれを尊重する」って…
ドクター…貴方はわたくしの選択を否定せず、むしろ積極的に受け入れてくれました。
それがわたくしにとって、どれだけ救いになったか…いくら言葉を尽くしても足りません。
この身体が復活した時、改めてドクターへの想いを自覚したんですの。
わたくしは、わたくしを唯一肯定してくれたドクターが好きなんだって。
だから今度は、わたくしがドクターを救う番ですわ。
ドクター…先ほどから水面(みなも)の月を物憂げに眺めておいでですけど、水中の月を掬うおつもりで?
みなまで言わなくて結構ですわ。ドクターが死を選ぼうとしているのは、先刻承知ですから。
安楽死とはいえ、自らの手で人を殺めることが、苦しくなったのではありませんか?
やっぱり…ですが、心配いりませんわ。皆さん、ドクターにご挨拶を。
(多くの死鬼が男の周りを取り囲む)
ドクター…ここにいる全員、貴方に救われて蘇った者たちです。
生きていても救われないし、報われない…
そんな彼女たちの思いに応えたのがドクター、貴方なんです。
ふふふ…ほら、全員口を揃えて言っておりますわよ?「わたしたちを救ってくれたドクターが大好きです」って。
さぁ、ドクター…?今度は貴方が、わたくしたちの想いを受け入れて…?
(押し倒す)
一番手はわたくしから、ですわね…
貴方の温もりを…血をいただきますわね。
その代わり…とびっきりの快楽を提供することをお約束しますわ。
貴方を死なせなどしません…死鬼となったわたくしのために生きてくださいまし。
わたくしも貴方のおそばで一生尽くしてあげますから…ね?
(吸血)
ふふっ…どうされました?わたくしがここにいるのがそんなに不思議?
えぇ、たしかにわたくしは死にましたわよ。他ならぬ、貴方の手によって。
いえいえ、そんな…貴方を恨むなど、とんでもございません。
むしろわたくし、貴方に感謝しておりますのよ?
貴方はあの息苦しい家からわたくしを解放してくれた…つまり、貴方はわたくしにとって救世主も同然。胸を張ってよろしいんですのよ?
ふふふ…相変わらず謙虚な方ですこと。そういうところも好感が持てますわ。
それで?ドクターはこんなところで何をしておりますの?
…ずいぶん思い詰めた顔をされておりますのね。よろしければ、わたくしに話してくれません?
まぁ…ドクターったら、そんなことで悩んでおいででしたの?
あ、いえいえ。ドクターの悩みを軽んずるわけではありません。
ただ、ドクターは勘違いをなさっているなと思いまして…
はい。たしかにドクターは、その手で多くの患者を殺めてきました。
しかし、それはドクターが安楽死専門の医者であるがゆえ。それをどうして、恥ずかしく思うことがあるんですか?
先ほども言いましたけれど…わたくし、ドクターに安楽死させられたことによって、あの息苦しさから解放されたんですよ?
えぇ。つまらないメンツばかりにこだわるあの家の連中には、ほとほと嫌気がさしておりましたから。
お父様もお母様もお姉様もお兄様も使用人も、もれなく全員、わたくしにとっては枷でしかありませんでしたわ。
やれ、持っている宝石の数だの、やれ、社交界での肩書きだの、つまらないことばかり。毎日が退屈で仕方ありませんでした。
おまけに、わたくしが何か少しでも粗相をすると、鞭でしばき上げて…あんなもの、教育ではありません。ただの拷問です。
お兄様もお姉様も、同じ血を分けたきょうだいでありながら、わたくしを一度も助けてくれたことはありませんでしたし。
いえ…それどころか、わたくしを劣等生だと断じ、みんなの見えないところで、わたくしをいじめる始末。思い出すだけで、反吐が出ますわ。
えぇ…だから貴方に頼んだんですの。わたくしを安楽死させてくれって。こんな意味のない人生に終止符を打ってくれって。
お父様からもらったお小遣いをすべて注つぎ込んで…ようやく、生という呪縛から解放されたんですの。
いいえ。今のわたくしは幽霊などではありません。死鬼と呼ばれる人外の種族ですわ。
えぇ。聞いたことぐらいはあるでしょう?死んだ人間が蘇って、アンデッドモンスターと化した存在…それが死鬼です。
今ここにいるわたくしは、ドクターへの熱い想いで蘇ったんですの。もっとも、身体は氷のように冷たいのですけれど。
はい。わたくし、ドクターのことは大好きですわ。異性としてお慕い申し上げております。
だって…実際に安楽死という治療を施す前に、ドクターはわたくしをあんなにも優しく愛撫してくださったじゃありませんか。
えぇ、もちろん分かっておりますわ。心穏やかに死ねるように、優しく語りかけてくれたのでしょう?
「自死も人生の選択の一つ。君がそれを選ぶというなら、僕もそれを尊重する」って…
ドクター…貴方はわたくしの選択を否定せず、むしろ積極的に受け入れてくれました。
それがわたくしにとって、どれだけ救いになったか…いくら言葉を尽くしても足りません。
この身体が復活した時、改めてドクターへの想いを自覚したんですの。
わたくしは、わたくしを唯一肯定してくれたドクターが好きなんだって。
だから今度は、わたくしがドクターを救う番ですわ。
ドクター…先ほどから水面(みなも)の月を物憂げに眺めておいでですけど、水中の月を掬うおつもりで?
みなまで言わなくて結構ですわ。ドクターが死を選ぼうとしているのは、先刻承知ですから。
安楽死とはいえ、自らの手で人を殺めることが、苦しくなったのではありませんか?
やっぱり…ですが、心配いりませんわ。皆さん、ドクターにご挨拶を。
(多くの死鬼が男の周りを取り囲む)
ドクター…ここにいる全員、貴方に救われて蘇った者たちです。
生きていても救われないし、報われない…
そんな彼女たちの思いに応えたのがドクター、貴方なんです。
ふふふ…ほら、全員口を揃えて言っておりますわよ?「わたしたちを救ってくれたドクターが大好きです」って。
さぁ、ドクター…?今度は貴方が、わたくしたちの想いを受け入れて…?
(押し倒す)
一番手はわたくしから、ですわね…
貴方の温もりを…血をいただきますわね。
その代わり…とびっきりの快楽を提供することをお約束しますわ。
貴方を死なせなどしません…死鬼となったわたくしのために生きてくださいまし。
わたくしも貴方のおそばで一生尽くしてあげますから…ね?
(吸血)
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