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暗黒不死鳥(ダークフェニックス)の帰還
written by 松平蒼太郎
  • ファンタジー
  • ヤンデレ
  • お嬢様
  • フェニックス
  • 異世界
  • 戦闘
  • 魔法
公開日2023年07月16日 14:56 更新日2023年07月16日 14:56
文字数
2137文字(約 7分8秒)
推奨音声形式
指定なし
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
暗黒不死鳥(ダークフェニックス)
視聴者役柄
魔導騎士
場所
某所
あらすじ
昔、偉大な魔導騎士であった貴方の曽祖父が激闘の末に、太陽に封印した不死鳥(フェニックス)が再び地上に舞い降りてきた。運の悪いことに、若かりし頃の曽祖父に似ていた貴方は、彼女に付け狙われることになって…?
本編
はぁ…やっと帰ってこれました。長い道のりでした…


まったくもぅ…このわたくしを太陽まで転移するなんて、無茶苦茶なお方ですわ。


わたくしをここまで本気にさせたんですから、覚悟してもらわなくては…うふふ♪


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


さぁて…彼はどこにいるのかしら?


彼の魔力を辿っていけば、いつかは巡り会えるんでしょうけど…チマチマ探すのは面倒ですわ。


いっそのこと、この辺り一帯を焼け野原にした方が、彼の方から出向いてくれるのでは…?


それにしても…街の雰囲気が前とずいぶん異なりますわね。あれからどれくらいの時が経ったのかしら?


あっ…あれは…!


(男の元に駆け寄る)


お久しぶりですわね、魔導騎士さん?このわたくしを覚えておいででして?


…覚えてない?そんなはずありません。わたくしとあれほど激しくやり合ったではありませんか。


いえ…よく見れば貴方、あの方とは違いますわね。けど、顔はとってもよく似てる…


あぁ、申し遅れました。わたくし、不死の身体を持つ高貴なる種族…不死鳥(フェニックス)と申します。以後、お見知り置きを。


(男が後ずさる)


あら?どうしてそんなに逃げ腰なんですの?


ふーん…つまり、あれから何年も時が経っていて、わたくしが今目の前にしているのは、あのお方のひ孫というわけですわね。


どうりであのお方に似ているわけです…偉大なるご先祖さまを持ててよかったですわね?


えぇ。貴方の曾祖父は、最後の魔力を振り絞って、わたくしを太陽まで飛ばし、死と再生を永遠に繰り返させたのですから。


おかげでほら…わたくし、こんなに日焼けしてしまって…赤い炎が真っ黒に変わってしまいました。


(彼女の周りに魔力の炎が吹き出す)


ふふ…さぁて、貴方はどれだけわたくしを楽しませてくれるのかしら?


流石にあのお方ほどの力は期待しませんが…せいぜい頑張ってくださいね?


(戦闘開始)


ふぅん…剣の腕はまぁまぁ、魔力もそこそこ、といったところですわね。


悪くはありませんが…わたくしを相手にするにはちょっと、いいえ、かなり不足ですわっ!


(炎の塊を投げて男を吹き飛ばす)


ほらぁ…今の質量の魔力くらい、軽く受け流さないと。貴方の曾祖父はこれくらい簡単にやってのけましたわよ?


ま、仕方ありませんわね。いくら似ているといっても、ご本人ではないわけですし。


ふふ…やっとスイッチが入りました? 


煽られてその気になるのは、あのお方そっくり。


いいですわ。貴方なりのやり方で、わたくしのことを愛してくださいまし♡


ふぅん…?なら、その奥の手とやらを見せてもらいましょうか?わたくし、逃げも隠れもしませんので。


…ッ⁉︎ 貴方、まさか…!正気…⁉︎


ぐっ…!このぉっ、無駄、ですわっ!


(男の魔法を打ち破る)


ハァッ、ハァッ…やって、くれますわね…!


今の…わたくしを時空の狭間に無理やり閉じ込めようとしましたわね…?


あの方といい、貴方といい…どれだけ人を封印すれば気が済むんですの?


不死であるわたくしを倒す有効な方法がない以上、封印という手段を取るしかないのでしょうけど…


ですが…二度も同じ手はくいませんわ。


どれだけ封印されようと…わたくしの恋心が燃え尽きることは、永久にございませんのよ?


わたくしの愛の炎、その身で直接味わいなさい?


(男の身体を漆黒の炎で焼く)


熱い?当然よね、全身火だるまになっているんだもの。熱くないわけないですわよね。


ふふふ…どれだけ暴れ回っても無駄ですわ。その炎はわたくしでないと消せません。


えぇ。貴方の魔法はもうわたくしには通用しません。


どうします?わたくしに永遠の愛を誓うか、もしくはこのままご自身の肉が焼ける音を聞きながら、永遠に死と再生を繰り返すか…


できますわよ。貴方が灰になったとしても、その灰に息を吹きかければ、貴方の身体は再生、そして再び漆黒の炎に包まれることになりますわ。


かつてわたくしが太陽で味わった責め苦を、貴方も体感してみる?


嫌なら、ほら…わたくしに言って?「大好き、愛してる」って…


言えない?なら、仕方ないですわね。そのままわたくしの炎に焼かれちゃって?


ふふ…ダーメ♪ そんな急場凌ぎの言葉じゃ、わたくしの心には響きません。もっと気持ちを込めて?


うーん…イマイチ、ですわね。もう一回やり直しですわ。


ふふ♪ ほら、早くしないと体が燃え尽きて、灰になってしまいますわよ?


えぇ、どうぞ?いくらでもご自由に愛を囁いて?


ふふ…合格♡ それじゃあ消火してあげますわね。


(消火)


こうして見ると、ますますあの人に似てますわね…


えぇ。彼も土壇場で力を発揮するタイプでしたから。とても楽しい戦いができましたわ。


けど…あの人はもういない。せっかく頑張って地上まで帰ってきたというのに、残念でなりません。


ですから…貴方が彼の代わりにわたくしを愛して?


わたくしの燃えて止まない炎を全身で受け止めて?


(抱き抱える)


貴方の中から人の寿命という概念を焼き尽くしてあげますわね…ンッ…


(唾液交換)


わたくしの唾液、ちゃんと飲み込みました?


えぇ。これでもう、貴方は人ではありません。


完全な不老不死というわけではありませんが…わたくしの唾液を取り込んだことで、半永久的に生きながらえることができるようになりました。よかったですわね?


貴方はたしかに彼ではありませんが…わたくしが愛するに足るお方だと信じております。


わたくしを満たしてくれるはずだったあの方の代わりに、貴方が満たして…ね?
クレジット
・台本(ゆるボイ!)
暗黒不死鳥(ダークフェニックス)の帰還
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎
ライター情報
マツダイラソウタロウ
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