- 耳かき
- 寝落ち
- 甘々
- ファンタジー
- 敬語
- 癒し
- 少女
- ダウナー
公開日2023年09月26日 22:54
更新日2023年09月26日 22:54
文字数
1959文字(約 6分32秒)
推奨音声形式
バイノーラル
推奨演者性別
女性演者向け
演者人数
1 人
演者役柄
指定なし
視聴者役柄
指定なし
場所
指定なし
あらすじ
ただの趣味で雇ったくノ一が仕事がもらえず暇だと言って、耳かきの修行をさせてほしいと言ってきた。彼女曰く、耳かきは立派なくノ一の武器であるそうで…
台本の使用、改変に関してはご自由にどうぞ。
ご使用の際はご一報(DMや@robe_3333をつけてポストなど)いただけると嬉しいです。
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本編
お館(やかた)さま、よろしいでしょうか。
…いえ、侵入者などではありませんが。
というか様々な客人がひっきりなしに来訪するこの屋敷では、誰が侵入者かなど拙(せつ)にはぶっちゃけわかりません。
ですのでそんなに忍びっぽいカッコいい報告をご期待されても困ります。
拙が申し上げたいのは別のことでございます。
…拙は生まれてからこの屋敷に雇われるまで、くノ一になるための修行をずっとしてきました。
里での厳しい試練も乗り越えて、優秀な成績で卒業しました。
そしていくつかあった雇い主の候補から金払いの良いこの屋敷を選びました。
夢であった一人前のくノ一になって、これからいったいどんな任務をすることになるのだろうと胸を膨らませました。
ですが、来てみればなんの仕事もない。
ただ、屋敷に忍者いるのカッコいいじゃん。などという馬鹿げた理由で本当にくノ一を雇ってしまう頭のおかしいお館さまのせいで。
おかげで暇で暇で仕方がありません。
…全然良くありません。
そりゃ大商人であるお館さまからすれば、情報などわざわざくノ一を使わずとも勝手に耳に入ってくるのでしょうが、拙としては大変困ります。
なにせこの屋敷では忍びの修行もままなりません。
このまま何もせずにいたら、拙はデキるくノ一ではなくなってしまいます。
ですので、今宵はお館さまにお願いをしに参りました。
どうか拙に、お館さまの耳かきをさせていただけないでしょうか。
…いえ、聞き間違いではありません。
お館さまの耳かきをさせてほしいと、確かにそう言いました。
耳かきはくノ一にとって立派な武器です。
相手の頭を膝に抱え、眠りに陥れる。
寝所に忍び込むより、いとも容易く任務を遂行できます。
そのための練習はしておくに越したことはありません。
さあ、ここに。拙の膝に頭を乗せてください。
大丈夫です。寝首を掻いたりしませんから。
…ありがとうございます。
では耳かき、始めさせていただきます。
(耳かき開始、以下ゆっくりとした口調で)
かり……かり………
…どうですか?
ちゃんと気持ちよくできているでしょうか?
…そうですか。良かったです。
この耳かき、里から持ってきた特別なものなんです。
硬すぎず柔らかすぎず、よくしなり、そして軽い。
材木からこだわり抜いて職人が一本一本手作りで仕上げているこの耳かきは、拙の里の特産品となっています。
その中でもこれはごくわずかしか採れない貴重な木を使った極上品。
里を出るときに母様(ははさま)から頂いた大切なものです。
聞けば母様が父上を籠絡(ろうらく)せしめたのは、料理と耳かきの上手さ故であると。
拙もそのように…とまでは言いませんが、やはり女の武器として、耳かきは重要なものなのであります。
毎年里で一番の耳かき名人を決める耳かきンピックも行われますし、そこで母様の顔に泥を塗らないためにも、修行をしなくてはいけません。
ふ〜っ…
あ…申し訳ありませんお館さま。
驚かせてしまいましたね。
いつもは人形相手に行っていたので癖でそのまま仕上げをしてしまいました。
次からは息を吹きかけるのは一声おかけしてからにします。
それでは反対側…お顔をこちらに向けてください。
…はい。それではこちらのお耳も、掃除させていただきますね。
……
ん〜……ん〜…(小さくうなって困った様子)
えっとお館さま、もう少々お耳をこちら…お顔を下の方に向けていただけますか?
お耳の中が少し見えにくくて…
ありがとうございます。
それでは続けますね。
…
太ももの感触はいかがですか?
良い耳かきは耳だけを癒やすものでは無いと、拙は教わりました。
できるだけ足の力を抜いて柔らかく頭を包み込んだり、ゆっくりとした会話で安心させたりすることが深い眠りに繋がるそうです。
拙はそのようにできているでしょうか?
その…実際に殿方に耳かきをするのは初めてのことなので…少々緊張してしまっているのですが…
はは…そのように言ってもらえると助かります(愛想笑い)
やっぱりまだまだ練習が足りなかったようです。
…いえ、これでも全然です。
これが母様であれば反対側のお耳に移る前には、既にお館さまの意識を刈り取っていました。
拙もいつかはその域に達してみたいものです。
…
お館さま、もしよろしければこれからも拙に耳かきをさせていただけませんか?
…もちろん、暇だからというのもありますが、お館さまのお顔…とても気持ちが良さそうで、練習台としてぴったり…ではなく、もっと癒やしてさしあげたいと思いまして。
だめでしょうか…?
…?お館さま…?
ぁ……
いつの間にお眠りに…
こういうとき、どうするのが正解なのでしょうか。
…もしかしたら起こしてしまうかもしれませんが…
お館さま、お耳…ふーっとしますよ?
ふーっ…ふーっ…
…起きて…ない。
よかった。これで耳かき成功ですね。
あとはこのまま枕として膝をお貸しする…
これも必要な修行。気合をいれて、臨ませていただきます。
それではお館さま。おやすみなさい。
どうか良い夢をご覧になりますよう…
…いえ、侵入者などではありませんが。
というか様々な客人がひっきりなしに来訪するこの屋敷では、誰が侵入者かなど拙(せつ)にはぶっちゃけわかりません。
ですのでそんなに忍びっぽいカッコいい報告をご期待されても困ります。
拙が申し上げたいのは別のことでございます。
…拙は生まれてからこの屋敷に雇われるまで、くノ一になるための修行をずっとしてきました。
里での厳しい試練も乗り越えて、優秀な成績で卒業しました。
そしていくつかあった雇い主の候補から金払いの良いこの屋敷を選びました。
夢であった一人前のくノ一になって、これからいったいどんな任務をすることになるのだろうと胸を膨らませました。
ですが、来てみればなんの仕事もない。
ただ、屋敷に忍者いるのカッコいいじゃん。などという馬鹿げた理由で本当にくノ一を雇ってしまう頭のおかしいお館さまのせいで。
おかげで暇で暇で仕方がありません。
…全然良くありません。
そりゃ大商人であるお館さまからすれば、情報などわざわざくノ一を使わずとも勝手に耳に入ってくるのでしょうが、拙としては大変困ります。
なにせこの屋敷では忍びの修行もままなりません。
このまま何もせずにいたら、拙はデキるくノ一ではなくなってしまいます。
ですので、今宵はお館さまにお願いをしに参りました。
どうか拙に、お館さまの耳かきをさせていただけないでしょうか。
…いえ、聞き間違いではありません。
お館さまの耳かきをさせてほしいと、確かにそう言いました。
耳かきはくノ一にとって立派な武器です。
相手の頭を膝に抱え、眠りに陥れる。
寝所に忍び込むより、いとも容易く任務を遂行できます。
そのための練習はしておくに越したことはありません。
さあ、ここに。拙の膝に頭を乗せてください。
大丈夫です。寝首を掻いたりしませんから。
…ありがとうございます。
では耳かき、始めさせていただきます。
(耳かき開始、以下ゆっくりとした口調で)
かり……かり………
…どうですか?
ちゃんと気持ちよくできているでしょうか?
…そうですか。良かったです。
この耳かき、里から持ってきた特別なものなんです。
硬すぎず柔らかすぎず、よくしなり、そして軽い。
材木からこだわり抜いて職人が一本一本手作りで仕上げているこの耳かきは、拙の里の特産品となっています。
その中でもこれはごくわずかしか採れない貴重な木を使った極上品。
里を出るときに母様(ははさま)から頂いた大切なものです。
聞けば母様が父上を籠絡(ろうらく)せしめたのは、料理と耳かきの上手さ故であると。
拙もそのように…とまでは言いませんが、やはり女の武器として、耳かきは重要なものなのであります。
毎年里で一番の耳かき名人を決める耳かきンピックも行われますし、そこで母様の顔に泥を塗らないためにも、修行をしなくてはいけません。
ふ〜っ…
あ…申し訳ありませんお館さま。
驚かせてしまいましたね。
いつもは人形相手に行っていたので癖でそのまま仕上げをしてしまいました。
次からは息を吹きかけるのは一声おかけしてからにします。
それでは反対側…お顔をこちらに向けてください。
…はい。それではこちらのお耳も、掃除させていただきますね。
……
ん〜……ん〜…(小さくうなって困った様子)
えっとお館さま、もう少々お耳をこちら…お顔を下の方に向けていただけますか?
お耳の中が少し見えにくくて…
ありがとうございます。
それでは続けますね。
…
太ももの感触はいかがですか?
良い耳かきは耳だけを癒やすものでは無いと、拙は教わりました。
できるだけ足の力を抜いて柔らかく頭を包み込んだり、ゆっくりとした会話で安心させたりすることが深い眠りに繋がるそうです。
拙はそのようにできているでしょうか?
その…実際に殿方に耳かきをするのは初めてのことなので…少々緊張してしまっているのですが…
はは…そのように言ってもらえると助かります(愛想笑い)
やっぱりまだまだ練習が足りなかったようです。
…いえ、これでも全然です。
これが母様であれば反対側のお耳に移る前には、既にお館さまの意識を刈り取っていました。
拙もいつかはその域に達してみたいものです。
…
お館さま、もしよろしければこれからも拙に耳かきをさせていただけませんか?
…もちろん、暇だからというのもありますが、お館さまのお顔…とても気持ちが良さそうで、練習台としてぴったり…ではなく、もっと癒やしてさしあげたいと思いまして。
だめでしょうか…?
…?お館さま…?
ぁ……
いつの間にお眠りに…
こういうとき、どうするのが正解なのでしょうか。
…もしかしたら起こしてしまうかもしれませんが…
お館さま、お耳…ふーっとしますよ?
ふーっ…ふーっ…
…起きて…ない。
よかった。これで耳かき成功ですね。
あとはこのまま枕として膝をお貸しする…
これも必要な修行。気合をいれて、臨ませていただきます。
それではお館さま。おやすみなさい。
どうか良い夢をご覧になりますよう…
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pixiv,twitterで活動しているフリー台本師です。得意な系統はストーリー性のあるタイプの台本です。よろしくお願いします。
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