貴方はメンタルを病みがちな後輩彼女と同棲生活を送っていた。ある日、急な仕事が入ってしまい、彼女に連絡できずにいると、案の定、彼女はすっかり病んでしまっていて…？

…お帰りなさい、先輩。どこ、行ってたんですか…？


そう、ですか…急な仕事…断れなかったんですか…？


ですよね…断れたら、そもそも出かけたりしませんもんね…あはは…


…はい。捨てられたかと、思いました。わたしはやっぱり要らない子なんだなって…そう、思いました…


(抱きしめられる)


…いえ、別に。捨てられたら捨てられたで、また昔に戻るだけです…一人ぼっちのあの頃に…


…そうですね。今までの人もみんなそう言いました。


でも、最終的にはわたしの元からいなくなった…わたしという存在は、その人たちにとって大した価値はなかったというわけです。


いいですよ、そんなに気を遣わなくて…もう慣れっこですから。一人になるのも、誰かに捨てられるのも…


…はい。今までもずっとそうでした。その度にたくさん切りました…自分の、手首…さっきも、そろそろ切ろうかなって思ってたところで…


あ、はは…いいんですよ、先輩…先輩が泣くことないじゃないですか…全部、全部わたしが悪いんですよ。先輩は何も悪くありません…悪くないので、泣かないで、先輩…


…優しいんですね、先輩は。だから一緒に暮らそうって言ってくれたんでしょうけど…


分かってますよ…ホントは全部、分かってるんです…


先輩は今までわたしを捨てた人たちとは違う…わたしみたいな出来損ないすら見捨てられない、真のお人好しだって…


…ッ、せ、先輩…？何急に怒って…？


あ、あ…あの、先輩…？それ以上は、言わなくていい、ですから…


やめて…やめて…！先輩、それ以上はやめてください…！


やめてって…言ってるでしょ！！！


(ビンタ)


あ……ご、ごめんなさいっ！なんか思わず手が出ちゃって…！


ち、違うんです…！本当にそういうつもりじゃ…！


す、捨てないで…慣れてるなんて嘘です…！あんな辛いこと、慣れるわけないじゃないですかぁ…！


メンタルボロボロの女なんて、誰も相手にしてくれない…！厄介者扱いされて、最後は一人になるだけ…！わたしはそういう星の元に生まれてきたんです…！


先輩だってホントは、わたしのこと厄介だって思ってるんでしょう…？だから、緊急の仕事が入ったなんて、見え見えの嘘ついて…あわよくば、わたしから離れようとして…


う、うぅ…うぁぁ…！


(彼の胸元に縋りつく)


どう、して…！先輩は、わたしが嫌じゃ、ないんですか…⁉︎


先輩だけが、特別だなんて思いません…！心の奥底では「迷惑だ、厄介だ」って思ってるんでしょう…⁉︎


…なら！ならどうして⁉︎ わたしは先輩の人生のお荷物ですよ⁉︎ 荷物はさっさと捨てた方が、楽になるに決まってるじゃないですかぁ！なのに、どうして…！


…嘘つき。好きとか愛してるとか…そんなこと、誰でも言えるんですよ…


…え？先輩、それって、いつの間に…？


いえ、見れば分かりますけど…指輪と、婚姻届。まさか、本気で…？


む、無理です…！そんな高価な物付けれませんし、そんな書類にサインだってできません…！


わた、しは…きっとこれからも先輩に迷惑をかけ続けます…迷惑をかけてかけて、かけまくって…最後は離婚したくなるに決まってます…


そんなわたしが、先輩と結婚だなんて…先輩の未来は破滅確定ですよ…？


バカ…バカバカ！お前となら破滅してもいいだなんて、簡単に言わないでください！わたしは先輩に破滅して欲しくありません！


だって…！好きだから…！先輩のこと、本気で大好きだから…！誰よりもわたしを優先して欲しいって、思っちゃったから…！


二度と…二度とわたしの前から黙っていなくならないで…！何かあったら絶対、わたしに連絡して…！


はい…信じます、先輩のこと…ここまでされたら、信じるしかありませんよ…


それから…すみませんでした。さっきまで散々酷いこと言って…


うっ…ここぞとばかりに虐めないでくださいよ…先輩の、バカ…


ふふ…はい。指輪、つけてください。ほら、こっちの指に…


(指輪を嵌めてもらう)


綺麗…ありがとうございます、先輩。


婚姻届も貸してください…サイン、しますんで…


(婚姻届にサイン)


これで、役所に出せますね…今度一緒に出しに行きましょう。


…はい。ずーっと一緒ですよ？せーんぱい…♡

・台本（ゆるボイ！）
【シリアス】病み系後輩彼女へのわからせプロポーズ
https://twitter.com/yuru_voi

・台本制作者
松平蒼太郎